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林野庁が、平成25年のスギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果を公表した。


公表された内容によれば、今年のスギ雄花の放射性セシウム濃度の最高値は昨年(平成23年度)の約3分の1にあたる、90000ベクレル/kgということである。
林野庁のプレスリリースは、この結果の記載後に「この濃度の放射性セシウムを含むスギ花粉が大気中に飛散し、人が吸入した場合に受ける放射線量を試算したところ、1時間あたり最大0.0000715マイクロシーベルトとなり、平成23年度の試算値よりも低い値となりました。」と書いている。

マスク着用や、外出を控えるなどの防御策の必要性については、またしても国民の自己判断に委ねられることになる。

→ 林野庁 / スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果について

 

韓国、台湾、中国、アメリカ、ロシアをはじめとした諸外国が、日本の、特に東日本産の飲食物の輸入を規制していることをご存じだろうか?

たとえば、中国は「福島、群馬、栃木、茨城、宮城、新潟、長野、埼玉、東京、千葉」の10都県のすべての食品と資料を輸入停止しているし、クウェートに至っては日本の47都道府県すべての食品の輸入を停止している。

今、スーパーやデパートなどで普通に売られている食材が、他の国では輸入停止になっているというのが現実である。

情報元は農林水産省が公表している「諸外国・地域の規制措置(平成24年8月27日現在)」であるから、もはや疑う人はいないだろう。

 

諸外国・地域の規制措置(平成24年8月27日現在)

【韓国】
福島
ほうれんそう、かきな等、梅、ゆず、くり、キウイフルーツ、米、原乳、きのこ類、たけのこ、青わらび、たらのめ、くさそてつ、こしあぶら、ぜんまい、わさび、わらび、コウナゴ、ヤマメ、ウグイ、アユ、イワナ、コイ、フナ、アイナメ、アカガレイ、アカシタビラメ、イシガレイ、ウスメバル、ウミタナゴ、ムシガレイ、キツネメバル、クロウシノシタ、クロソイ、クロダイ、ケムシカジカ、コモンカスベ、サクラマス、シロメバル、スケトウダラ、スズキ、ニベ、ヌマガレイ、ババガレイ、ヒガンフグ、ヒラメ、ホウボウ、ホシガレイ、マアナゴ、マガレイ、マコガレイ、マゴチ、マダラ、ムラソイ、メイタガレイ、ビスノガイ、キタムラサキウニ、サブロウ、エゾイソアイナメ、マツカワ、ナガヅカ、ホシザメ、ウナギ、飼料
群馬
ほうれんそう、かきな、茶、ヤマメ、イワナ、飼料
栃木
ほうれんそう、かきな、きのこ類、たけのこ、くさそてつ、さんしょう、こしあぶら、茶、たらのめ、ぜんまい、わらび、ウグイ、イワナ、飼料
茨城
ほうれんそう、かきな等、きのこ類、たけのこ、こしあぶら、茶、原乳、メバル、スズキ、ニベ、ヒラメ、アメリカナマズ、フナ、ウナギ、コモンカスベ、イシガレイ、飼料
宮城
きのこ類、たけのこ、くさそてつ、こしあぶら、ぜんまい、スズキ、ウグイ、ヤマメ、マダラ、ヒガンフグ、イワナ、ヒラメ、クロダイ
千葉
ほうれんそう、かきな等、きのこ類、たけのこ、茶
ほうれんそう、かきな等は3市町(旭市、香取市、多古町)のみが対象。
神奈川

岩手
きのこ類、こしあぶら、ぜんまい、わらび、せり、たけのこ、マダラ、イワナ、ウグイ

【中国】
福島、群馬、栃木、茨城、宮城、新潟、長野、埼玉、東京、千葉(10都県)
全ての食品、飼料

【ブルネイ】
福島、東京、埼玉、栃木、群馬、茨城、千葉、神奈川(8都県)
全ての食品

【ニューカレドニア】
福島、群馬、栃木、茨城、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、東京、千葉(12都県)
全ての食品、飼料

【クウェート】
47都道府県
全ての食品

【サウジアラビア】
福島、群馬、栃木、茨城、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、東京、千葉(12都県)
全ての食品

【レバノン】
福島、群馬、栃木、茨城、千葉、神奈川(6県)
左記県における出荷制限品目

【シンガポール】
福島、群馬、栃木、茨城(4県)
食肉、牛乳・乳製品、野菜・果実とその加工品、水産物

【香港】
福島、群馬、栃木、茨城、千葉(5県)
野菜・果実、牛乳、乳飲料、粉ミルク

【マカオ】
福島
全ての食品
千葉、栃木、茨城、群馬、宮城、新潟、長野、埼玉、東京(9都県)
野菜・果物、乳製品

【台湾】
福島、群馬、栃木、茨城、千葉(5県)
全ての食品

【フィリピン】
福島
ヤマメ、コウナゴ、ウグイ、アユ

【米国】
福島
米、ほうれんそう、かきな、原乳、きのこ、イカナゴの稚魚、アユ、ウグイ、ヤマメ、ゆず、キウィフルーツ、牛肉製品、クマ肉製品、イノシシ肉製品、畑わさび、ふきのとう、わらび、こしあぶら、ぜんまい、たらのめ等
栃木
茶、牛肉製品、シカ肉製品、イノシシ肉製品、クリタケ、ナメコ、タケノコ、シイタケ、さんしょう、わらび、こしあぶら、ぜんまい、たらのめ
岩手
牛肉製品、タケノコ、シイタケ、せり、わらび、こしあぶら、ぜんまい、マダラ、ウグイ、イワナ
宮城
牛肉製品、クマ肉製品、シイタケ、タケノコ、こしあぶら、ぜんまい、ヒガンフグ、スズキ、ヒラメ、マダラ、ウグイ、イワナ、ヤマメ
茨城
茶、シイタケ、イノシシ肉製品、タケノコ、こしあぶら、ウナギ、シロメバル、ニベ、アメリカナマズ、スズキ、ヒラメ、ギンブナ
千葉
茶、シイタケ、タケノコ
群馬
茶、ウグイ、ヤマメ
神奈川

【ロシア】
福島、群馬、栃木、茨城、東京、千葉(6都県)
全ての食品

【ギニア】
47都道府県
牛乳及び派生品、魚類その他の海産物

 

2012.8.21

核廃棄物の最終処分場、宮城、栃木、茨城、千葉の4県に建設

核廃棄物の最終処分場、宮城、栃木、茨城、千葉の4県に建設


読売新聞が報じたところによると、環境省は、東京電力福島第一原発事故後に発生した高濃度放射性物質に汚染されたごみの焼却灰や汚泥の最終処分場を、宮城、栃木、茨城、千葉の4県の国有地に、それぞれ一カ所ずつ建設することを決めたということである。

同記事によれば、原発事故以降、東北、関東地方のごみ焼却施設や上下水道施設では、放射性セシウムが濃縮された焼却灰や汚泥が大量に発生。1キロ・グラムあたり8000ベクレルを超える廃棄物は国の責任で処分することになっており、9都県で計4万2575トン(8月3日現在)に上る。

候補地は9月末までに選定するということだが、宮城、栃木、茨城の3県では、市町村の担当者を集めた説明会の予定などを調正する段階に入っている。

→ 汚染ごみ焼却灰、4県の国有地に最終処分場 / 読売新聞

 

読売新聞によると、福島県産のコメの放射性物質を検査する全袋検査が8月25日に、福島県二本松市で始まったということである。

記事によると、検査するコメはベルトコンベヤーに載せられて検査機に通され、1袋につき約10秒で検査を行い、規制値である1キロあたり100ベクレルを超えるかどうかを判定している。

記事内では、上記のような検査が行われ「すべて不検出だった」としているが、0ベクレルだったのか、それとも100ベクレル以内のいずれかの数値だったのかは明記されていない。

つまり不検出とは、100ベクレルには達していなかったということになる。

記事のタイトルは「福島でコメ全袋検査…すべて不検出、関係者安心」であるが、果たして消費者はこの福島県産のコメを「安心」して食べることができるのだろうか?

はなはだ疑問である。

→ 福島でコメ全袋検査…すべて不検出、関係者安心 / 読売新聞

 

サイレージとは家畜用飼料の一種であり、主に乳牛などに利用する。

群馬県が7月27日付でウェブサイトで公表している「平成24年産永年生牧草を原料とした乾草及びサイレージ等に対する放射性物質の検査について(第2回)(畜産課)」である。

ウェブサイトによれば「県では、平成24年産の永年生牧草を原料とする乾草及びサイレージ等について、原乳や牛肉の安全性を確保するために第2回の検査を実施しました。」ということである。

検査地域は、利根沼田地域:沼田市(5か所)、川場村(1か所)、昭和村(4か所)、みなかみ町(6か所)となり、検査対象は平成24年産永年生牧草を原料とした乾草及びサイレージ等の16検体、採取日は平成24年5月21日(月) ~ 7月25日(水)ということだ。

検査結果

地域 採材場所 放射性セシウム濃度 (検出限界値:Bq/kg)
利根沼田 沼田市(旧沼田市(1)) 検出せず (18.3)
沼田市(旧沼田市(2)) 20 (7.73)
沼田市(旧白沢村(1)) 検出せず (17.7)
沼田市(旧白沢村(2)) 310 (9.73)
沼田市(旧利根村) 30 (23.0)
川場村 検出せず (20.6)
昭和村(1) 20 (10.6)
昭和村(2) 20 (11.8)
昭和村(3) 100 (16.3)
昭和村(4) 20 (13.1)
みなかみ町(旧月夜野町) 検出せず (9.01)
みなかみ町(旧新治村(1)) 検出せず (14.8)
みなかみ町(旧新治村(2)) 10 (8.0)
みなかみ町(旧新治村(3)) 検出せず (10.9)
みなかみ町(旧新治村(4)) 110 (10.4)
みなかみ町(旧新治村(5)) 検出せず (9.7)

※「検出せず」とは検出限界値を下回ったことを示す。

 

菅直人前総理大臣の政策秘書を務めていた、松田光世氏が、東京電力福島第一原発事故発生時の総理大臣官邸の動きを詳細に証言。カメラの前で全てを語った。「3号機は核爆発­だ」と述べ、事故収束への道のりは何も進んでいないと指摘。事故直後に政府と在日米軍との間で準備された「石棺化」に向けた秘密裏の作戦について初めて明らかにした。大飯­原発再稼働決定について、関西電力の怠慢を指摘し経営陣の退陣を求めた。

 

共同通信の5月25日の記事によると、北九州市で始まった放射能汚染が懸念される東日本大震災のがれきの試験焼却を受け、同氏への修学旅行を予定していた松山市の市立日浦小学校が「児童の健康に影響しないか不安だ」という保護者の意見を取り入れて旅行を急きょ延期していたということである。

→ 元記事 試験焼却で北九州市への修学旅行延期 / 日刊スポーツ
→ 元記事 試験焼却で修学旅行延期 松山の小学校 / 47ニュース

もとより試験焼却で80トンという量もそうだが、周辺住民の影響までも試験してしまう姿勢事態に疑問を感じる。

<関連記事>
→ 

 

利根川・江戸川水系の浄水場の水道水から水質基準を超えるホルムアルデヒドが検出された事件について、インターネット、とくにtwitterを中心に放射能との関係が囁かれている。

→ 

nanohanaでは、その根拠になり得る資料をまとめてみた。

放射能が原因だとする前提

疑うべきは、ホルムアルデヒドが発生したのが放射能汚染が酷いとされる利根川系と、江戸川系だという点である。

ちなみに利根川にある矢木沢ダムはこのあたり。


群馬大の早川教授作成のいわゆる早川マップに当てはめるとこうなる。

ホルムアルデヒド発生と放射能の因果関係

江戸川系については、気立場浄水場は千葉県流山にあり、5月20日になって報道された三郷浄水場については、ホットスポットとして有名な埼玉県三郷市にある。

→ 柏、松戸、流山、三郷のホットスポット

→ 三郷浄水場でも基準値超え 群馬は水質調査を継続

そして、高濃度の放射能とホルムアルデヒド発生の因果関係については以下の調査結果がある。

参考資料(1)
食品に放射線を照射すると道の化学物質が生成され、その中にホルムアルデヒドも含まれる

食品照射に用いられる放射線はγ(ガンマ)線、X線、電子線です。放射線による殺菌作用はDNAの切断によるものであり、主に細胞分裂膜が失われます。照射食品は化学的に変化し、「放射性分解生成物」(特異的放射線分解生成物)が生成されます。この生成物には、ブドウ糖、ギ酸、アセトアルデヒド、二酸化炭素、発がん性のあるホルムアルデヒド、ペロキサイド(消毒剤や漂白剤の成分)、そして「未知の化学物質」があると言われています。米国食品医薬品局(FDA)は、食品1キログラムに放射線を1キログレイ照射すると、未知の放射性分解生成物が3ミリグラム未満できると推定しています。

参照先 → 身近にひそむ有害物質

そして、はなゆー氏の提供した情報によると5月18日には利根川系の矢木沢ダムで放流が行われている。

→ 

さらにはなゆー氏のブログに掲載された情報で気になるのが、アメリカのハンフォード放射性廃棄物処理場でリソチノルホルムアルデヒドリジンを使ってセシウム除去を行ったとする論文である。

この中に、「0.5 M HNOとレゾルシノール-ホルムアルデヒド樹脂の溶出」とあるが、仮にではあるが、利根川系や江戸川系の水を浄化するために同様の処理がなされたと推測するのは単純すぎるのだろうか。

引き続き経過を見守る必要がある事件である。

 


5月18日に毎日新聞に【がれき広域処理:川崎市見直しも 市長「現地で道筋」】の見出しが掲載され、東日本大震災で発生したがれきの広域処理を巡り、川崎市の阿部孝夫市長は17日の記者会見で「国が調整した分は現地で処分できそうになった。今までのスキームでは進まない」と述べ、受け入れの対応を見直していることを明らかにしたことが報道された。

川崎では、Twitterで活躍している崎市武蔵小杉の内科の小杉中央クリニックの院長である布施氏が共同代表を務める「ストップ瓦礫川崎の会」が当局との交渉を進めており、その活動が今回の川崎市長の英断に繋がっている。

隣接する横浜市でも「」が横浜市、横浜市長、神奈川県に対しがれきの受入を慎重に検討し、放射能汚染されたがれきが神奈川県、および横浜市に運び込まれないように活動を展開している。

日本政府は、がむしゃらと言える姿勢で放射能汚染が懸念されるがれきを広域処理の名のもとに全国に拡散しようとしているが、京都、九州、沖縄と、各地で市民が抗議活動を展開しており、なかなか進まないのが現状である。

この状況の中での、川崎市長の「現地で処理できる」との見解は非常に重要な判断であり、今後の広域処理問題において、一筋の明るい光になるだろう。

→ 震災がれき 市長「現地で処理できる」 県受け入れ分 / 東京新聞
→ 

 

2012年5月10日に毎日新聞が報じたところによると、東京湾の海底の一部で、放射性セシウムの量が昨年夏(8月20日)の調査時から約7カ月間に1.5~1.7倍に増えていることが近畿大学の調査でわかった。

調査したのは近畿大学の山崎秀夫教授(環境解析学)のチームで、今年4月2日、東京湾の荒川河口の周辺5カ所で海底の泥を掘り、深さごとの放射性セシウム濃度などを昨年8月20日の調査と比較検証したということである。

前回の夏の調査時に最もセシウムが多かった地点では、1平方メートルあたり約1万8200ベクレルから約2万7200ベクレルと約1.5倍に増加。ほかの地点では最大で約1.7倍に増えていた。

→ 元記事 / 東京湾のセシウム、7カ月で1.7倍 流れ込み続く

 

 国が4月に定めた放射能新基準は一般食品で放射性セシウム100ベクレル/kgというものだが、この数値は移動すら禁じられる放射性廃棄物の基準と同じで、とうてい食品の”安全”基準として妥当と思えるものではないため、消費者に受け入れられていない。

 スーパーや食品メーカー、外食産業など、食品関連業界では、こうした消費者の不安の声に押され、次第により厳しい基準での自主検査を行う流れが広がりつつある。

 これはいわば国民の自衛の気持ちが起こしている流れだが、驚くべきことに、農水省がこれに歯止めをかける通達を出した。

 業界270団体に対し、国の基準より安全で厳しい独自基準を設けて自主検査を行うことをけん制。
 危ない国の基準を”ちゃんと守るように”通知している。

 福島事故は収束していない上に、こうした新たな人災がなお続いている。

関連記事 朝日新聞 2012.4.21 


 

川崎市の小学校用の給食食材検査で、ミカンからセシウムが検出されているにも関わらず、4月16、17日、使用を中止することなく複数の地域で給食に供された。

川崎市幸、多摩、麻生の三区で16日にセシウム3.8ベクレル/kg入りの缶詰、17日に9.1ベクレル/kg入の冷凍ミカン(いずれも地元神奈川県産)が使用されている。
ミカンは「入学・進級祝い」のフルーツポンチに使用され、とんだ毒入りの”お祝い”となった。

また、川崎市は今後もこの毒入りミカンを別地区で使用する予定で、当日弁当を用意する等、各自で自衛するしかない。

今後の使用予定
4月18日 川崎、中原両区:缶詰
4月19日 川崎、中原両区:冷凍  高津、宮前両区:缶詰
4月下旬  高津、宮前両区:缶詰

このことを報じている東京新聞には、《「セシウム検出のミカンを給食で出す必要はない。何のための検査か。出されたら、持ち帰らせ、親が食べる。万一を考えて将来ある子どもたちには食べさせない決断が必要だ」》語る父兄の憤りを伝えている。

また、記事によれば、《市教委は同検査結果を保護者に伝えることを学校側に求めていたが、複数の保護者が「まったく知らされていない」と話すなど徹底されていないことが分かった。教員でさえ知らないケースもあり、一部保護者から怒りの声が出ている。》

関連記事 
東京新聞  2012.4.17

 

NHK 2012.4.5 より
愛知県岡崎市の幼稚園で、先月21日、給食にうどんの具として出された乾燥シイタケが、放射性セシウム1400ベクレル/kgとはげしく汚染されていたことが、県の事後検査で発覚。これを園児と教職員530人が食べている。
問題のシイタケは《茨城県から出荷され、愛知県豊川市の加工業者が仕入れ業者を通じて仕入れて、1袋500グラムに分けて販売し、合わせて30キロが岡崎市などで流通しているとみられてい》る。

元記事は NHK 2012.4.5

追記
:この記事を掲載したところ、読者の方よりお便りをいただきました。
この幼稚園をよく知る方で、園長さんが早くから子どもたちの内部被曝を気にかけて給食の安全確保にとても気をつかってきたことを教えていただきました。
そして、この園が自然保育をスタンスに他園が拒否する障害児も当たり前に受け入れる等、すばらしい教育を行っていること、それを行うためにより多忙な幼稚園業務を一生懸命こなされていること、その多忙に加えて運営者がご年配ということもあり、インターネットなどから汚染食材の情報を得る機会は少ないのではというご指摘でした。
今回の検出を受けて園長さんは次のようなコメントを出しています。
「3.14 以来、食材業者と産地特定などの細かいところまで注意してきましたので、結果については大変残念です。
今回の干ししいたけは、一般に市販されているものであり、安全だと信頼して購入したものの一つでした。
私ども一園の問題ではなく、このことを社会全体で受けとめることが大切だと思います。
みんなで子どもを守るという立場で、五感で感知が出来ない放射能としっかり向きあっていただきたいと思います。」
( 2012.4.7より引用)

シイタケなどキノコ類は全食品中でも最も汚染のおそれが大きく、また汚染の度合いも激しいものの一つですが、国や自治体の検査体制はずさんで、ほとんどノーチェックで出回っているに等しく、これまでに各地の流通品からの検出が相次いでいます。しかし、その現実への理解はあまり浸透していないようです。

このように特に汚染に注意が必要な食材を見渡すと、キノコ類や水産物からはかなりの頻度で激しい汚染が検出されています。しかも汚染品の産地は広範に広がっており、残念ながら産地から安全なものを見分けることは困難な状況です。
その他、乳製品はベクレル数はあまり高くないものの、頻繁に汚染が検出されており、製品化の過程で混ぜるという性質上、これも産地からの見分けが困難です。

従って、キノコ類・水産品・乳製品は、しっかりした事前検査の体制がないところでは、給食への使用を避けるべきです。
全国で、このことを”常識”としてゆく取り組みが必要なようです。

 

 

上田文雄市長
環境省が進める災害がれき広域処理で日本全体が揺れる中、北海道札幌市長ががれき受入を拒否する決断をした。

4月6日のアサヒ新聞が伝えたところによると、札幌市の上田文雄市長は以下の理由により受入を拒否した。

1)受け入れられないとした1番の理由は?

普通のがれきと放射性物質は違うということ。がれきは時間で解決できるが、放射性物質は時間で解決できない。内部被曝(ひばく)の問題もある。いま国が示している基準は外部被曝についてだ。内部被曝については世界的に確立した理論がないのが現状だと思う。

しかし、管理をしている間に、必ずそこが問題になる。広域でバラバラな管理基準になることが十分予想される。長い時間管理する中で土壌汚染が生じれば、経口摂取の危険性もある。

 

2)時間で解決できない、とは?

福島第一原発事故のときに政府が盛んに言っていた「直ちに影響はない」というのは、言い換えれば「将来は分からない」ということ。5年10年の間に被害が現実のものとなったら大変なことになる。

 

3)国が示している基準に疑問を持っていますが、その理由は?

どこを見ても、放射線と人間の関係についての深みのある情報が提供されていない。いま示されている数値で本当にクリアできるのか、埋めてしまえばいいという問題なのか、政府からは説明がないように思う。誰も確証を持っていないのに、地方を分断するような判断を迫るのはよくない政策ではないかと思う。

 

4)どれくらいの数値であればいいと考えているか?

「何ベクレルならいいのか」というのは非常に難しい質問だ。「これなら大丈夫だ」ということは言えない。ただ、「今より環境を悪くしたくない」という思いだ。札幌市内の清掃工場の焼却灰からは1キロあたり13~18ベクレルの放射性物質が検出されている。僕が「(がれきを)受け入れない」と言えば、プラスアルファは防げる。

危険性の高い環境をつくるのはリーダーのやるべきことではない。最低限言えるのは、被災地から場所を移さずに完全な管理下に置ける処分場をつくり、全国民の税金を使って押さえ込むということを徹底してやるべき、ということだ。

 

5)受け入れに前向きな自治体もある中、「苦しい選択をした」とも述べている。「地域エゴ」と受け止められないように、どのように理解を求めていくのか?

それぞれの自治体の首長は、それぞれの状況に応じた市民の安全を考えておられると思う。「困っている人がいたら助けるのは当たり前ではないか」という大合唱の中で、ソロで頑張るのはなかなか厳しいものがある。だが、受け入れに手を挙げているところも、同じことを言っているのではないか。札幌だけが際立ったことを言っているわけではない。今だけ我慢してできる問題と、放射性物質を管理しなければならないという時間の長さの問題がある。そこが完全に欠落した議論になっている。

最悪の事態は何かということをきちんと明らかにして選択させることが重要なのではないか。「安全だ、安全だ」では、原発事故の時と同じだ。放射性物質の扱いについても、「最悪の場合はこうだけれども、やってくれるか」ということでの選択でなければならないと思う。

 

 

→ 朝日新聞 「がれき拒否」 札幌市長、決断の理由

 

 

 

 

2012年04月05日

毎日新聞が伝えたところによると、トヨタ自動車株式会社が愛知県から打診されていた県内にある田原工場敷地内の震災がれきを焼却した灰などの最終処分場建設を受け入れる方向で検討に入ったことが今日、4月5日に明らかになったという。

同記事によれば、田原工場は敷地面積370平方メートル、つまり東京ドーム約80個分の広さがあるという。

愛知県など、隣接地域で物議を呼ぶことは必至であろう。

→ 毎日新聞 

 

震災地域の放射能汚染が懸念されるがれきの広域処理を巡って国内が揺れている。
環境省は広域処理情報サイトなるウェブサイトまで用意して広域処理のキャンペーンを展開し、細野豪志環境相は3月18日には神奈川県の川崎市で、4月2日には京都市でキャンペーン活動を展開し、京都では集まった京都府民から帰れコールを浴びた。

横浜市では、3月28日にhamaosen対策協議会が呼びかけ人となり、林文子横浜市長にがれきに関する要望書を手渡そうと70名ほどの市民が集まったが、横浜市側の過剰警備がきっかけとなり一時騒然とした様相を呈した。参加した母親から「もうこれ以上不安にさせないで」「子供たちのことを考えて」などの声が飛び交っていたが、市長は市民の方を見ることもなく俯いたまま市長室のはる秘書課の中に消えた。
ちなみに取材で参加していたフリーライターの田中龍作氏は警備員に羽交い絞めにされている。

そんな状況の中、長野県の阿部守一知事は4月6日、県市長会と県町村会にがれき受入に関する県の考え方を説明する。県側は「広域処理の必要性は分かるが、放射性物質を含んだ焼却灰が県内でも発生しており、その処理を優先させる」との立場をあらためて説明し、意見交換するということだ。

中日新聞によると、
「県は三月下旬にも市町村や広域連合の担当者との意見交換会を開き、慎重な立場を説明。焼却施設や最終処分施設を持つ市町村など計五十団体に意見を募っているが、県廃棄物対策課によると、受け入れ検討といった連絡は届いていない。」
ということである。

関東以北では、長野県同様に県内の下水汚泥や一般廃棄物などの焼却灰の処理問題が発生しており、がれき受入に反対している市民団体などもこの点を指摘している。

→中日新聞 【長野】がれき処理は県内焼却灰優先に

 

島田市の焼却試験結果よりの試算です。
セシウム137について計算しています。

バグフィルターによる除去率は国が言っているように99.9%ではなく、
60%程度のようです。

詳しくは こちら

 

2012年3月28日

東京新聞が伝えたところによると、群馬県桐生市の亀山豊文市長は3月27日に会見で

「同じ国民が被災した。いち早く元の生活に戻る支援の一助になりたい。市民にも理解をいただければ」

と岩手県と宮城県で発生したがれきの受け入れを表明した。

同新聞によれば、亀山市長は同26日にがれきを焼却することになる市の清掃センター(桐生市新里町)周辺の住民でつくる「地域対策委員会」の役員らに受け入れの意向を伝え、「快く理解いただいた」と公言している。周辺住民を対象にした説明会を週内に開き、その後、市民全体への説明会を開くという。

安全性の判断は、市職員が3月12、13日に視察した岩手県大槌町のがれきの放射性セシウムの濃度が一キログラム当たり42ベクレルだったこと、すでに受け入れている東京都や静岡県島田市の焼却灰が埋め立て基準値(キロ当たり8000ベクレル)を大幅に下回っている点であると説明している。

 

3月23日

産経新聞が伝えたところによると、日本政府は3月23日に野田佳彦首相名で、すでに受け入れを表明している自治体のうち、群馬、神奈川、静岡の各3県と各県内の5政令市に対し、協力を求める要請文を発送し、併せて細野豪志環境相名でがれきの量や種類などを示した要請文も発送したという。

 

受入先

群馬県

8万3000トン

神奈川県

(3政令市のみ)

12万1000トン

静岡県

7万7000トン

総量

28万1000トン

 

また日本政府はすでに受入を表明していない35県10政令市に対して3月16日に要請文を送付しており、4月6日までに検討状況を回答するように求めている状況である。

→ 
<関連記事>
細野環境相、がれき広域処理キャンペーンで「力貸して」

 



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