原発を再稼働させたい人たちによる、この夏の”電力不足”キャンペーンがかまびすしいが、nanohanaでは繰り返しお伝えしているように、電力は十分足りており、すべての原発が停止しても不足しない。電力会社はこの事実は都合が悪いので、極力発電能力を小さく見せようと躍起だ。
昨年の記事だが、ダイヤモンドオンラインに、東電による揚力発電能力かくしの実態の詳しいレポートが掲載されている。
題して東電がようやく認めた“隠し玉” 揚水発電で夏の電力不足解消へ 2011.4.25
それによると、東電は夏の供給力の見通しを、4650万キロワットしか見込んでいなかったが(2011年3月時点)、実は計15ヵ所で1050万キロワットもの揚水発電の供給力が盛り込まれていないという。
2011年4月15日になり、「7月末時点で5200万キロワットの供給力を確保した」として小出しに積み上げてきているが、それでも揚力発電は400万キロワットしか盛り込まれていない。
震災の影響で1050万キロワットのうち160万キロワットは使えないと言うが、それでもまだ490キロワットが計上されていないことになる。
揚力発電では、水のくみ上げに要する電力の70%しか発電することができない。30%がロスとなり失われる。従って、490万キロワットを発電しようとすると、夜間に700万キロワットの余剰電力が必要となるが、すべての原発が停止してもこれが可能か?
ダイヤモンドオンラインの記事は、夜間の最低需要は3000万キロワットほどなので、700万キロの余剰を生み出すことは十分可能であると結論づけている。
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東電はこのように当然計算に入れるべき供給力を隠しながら、電力は足りないと言ってきた訳だ。
そして、自己の発電能力をできるだけごまかして少なく見積もることは、東電だけでなく全国の電力会社で行われている。このごまかしには、国も荷担しており、4月26日には政府の「需給検証委員会」が揚水発電の積み上げは期待できないという”意見”で一致したと報じられている。
政官民マスコミそろってのこうしたウソとごまかしに、だまされまい。