nanohanaではこれまでキノコの汚染にかかわる情報を発信し続けてきました。
キノコはセシウムを高度に濃縮して、たいへん高い値の汚染が見つかる代表的な作物だからです。
とくにキノコのみならず、その”畑”ともいえる原木や菌床の流通状況にも注目していました。
福島県は原木・菌床用おが粉ともに全国1位の生産地で、それらは日本各地に広く流通しているのです。
8月初頭、徳島県の第3セクターが福島県から取り寄せた菌床からセシウムが検出され、汚染原木・菌床の流通実態が始めて知られ、衝撃が走りましたが、それまで(~8月12日)の間、福島県産の原木・菌床は何の規制もなく自由に流通していました。
また茨城、群馬など、福島県以外の汚染地域産の汚染原木は、8月12日以降も規制なしにずっと流通し続けています。
このときまでに流通した原木がどこにどのくらい渡っていたのかはほとんどわかっていません。
10月6日に林野庁は汚染原木の基準値を150ベクレルと定め、止めていた福島産の原木流通を解禁しました。キノコはセシウムを3倍に濃縮するということで、150ベクレルの原木からは450ベクレル程度の毒キノコが育つことになります。
こうして、キノコに関する限り、その”畑”とも言うべき原木などを流通させてしまっているので、全国どこからでも汚染キノコが出荷される可能性があり、もはや産地で安全性を判断することが不可能になってしまいました。
そしてついに、青森県から福島産の汚染原木が見つかりました。
やはり汚染原木は流通していたのです。
しかも3790ベクレルという激しい汚染です。
この原木からは計算上は11000ベクレル超のキノコが育つはずで、
食べるはおろか、触るのさえはばかられるレベルといえます。
このまま、汚染された原木が全国に流通し続けると、
全国のキノコが汚染されてしまいます。
8月までに流通した福島産原木の追跡調査、汚染地域各県からの同様の調査が必要です。
そして、150ベクレル以下でも、汚染された原木などを流通させないように、基準を改めることが必要です。
全国の生産地には、汚染地域産の原木・菌床を買わないように、使わないように、過去にさかのぼってチェックしていただくことがぜひ必要です。そして、できれば原木・菌床の産地を明記し、セシウム検査をして数値をつけた上で販売していただきたいと思います。
nanohana記
2011.12.8
十和田のシイタケ原木、規制値超すセシウム--福島産 /青森
◇県、使用自粛を指示
県は7日、十和田市深持地区のシイタケ生産者が所有している福島県産のナラの原木から、暫定規制値(1キロ当たり150ベクレル)の約25倍、3790ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。この生産者は原木2000本を購入したが、いずれの原木でもシイタケを生産していない。県は原木をシートで覆い、使用を自粛するよう指示した。
(続きを読む…)