琉球新報 2011.12.5
約70人が参加した「原発フォーラム・シンポジウム」=3日、那覇市の県立博物館・美術館
東京電力福島第1原発事故を受け、原発問題を考えようと「原発フォーラム・シンポジウム―原発問題、その本質を問う」(芸術文化交流アジア協会主催)が3日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授が内部被ばくの実態について講演し「食品からの内部被ばくを防ぐことが重要」と訴えた。
矢ヶ崎氏は空気中のほこりや食品から放射性物質を体内に取り込むと、体内で放射線を出し続けると説明。さらに、取り込まれた放射性物質が血液やリンパ液で隅々に運ばれるといい、内部被ばくの影響力は大きいことを指摘した。
緊急時の被ばく限度に関する国際放射線防護委員会(ICRP)が定めた暫定基準値を「具体性に欠け、緩やかだ」と批判。人の健康を基準に考えず、国の統治の都合で考えられていることを指摘した。
最後に「内部被ばくで最も、影響が出るのは子どもたち」と話し、沖縄では食品からの内部被ばくを防ぐことが重要とした。
基調講演で国立沖縄工業高等専門学校の中本正一朗教授が原発建設の歴史に触れ「地方に押し付けてきた原発建設は、弱い者にごみを押し付けてしまえという考えが、沖縄の米軍基地問題と共通している」と指摘した。
※注:矢ヶ崎氏の「崎」は、「大」が「立」の下の横棒なし
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