ドイツは8ベクレルで徹底制限。日本は500ベクレルで問題ない
12月 7th, 2011 | Posted by in 1 体への影響と防御 | 1 放射能汚染 | 1 食品 | 3 政府の方針と対応 | 5 オピニオン | 7 海外DARKNES 2011.9.9
日本の食品はすでに放射能物質で汚染されているということが分かっているので、日本ブランドはもう世界で受け入れられない。チェルノブイリ産の農作物を誰も欲しがらないのと同じだ。
日本産だけれども絶対に放射能が含まれておりませんと言っても誰も買わないのである。
これを風評被害というが、私たちはチェルノブイリの食品を絶対に仕入れようとしなかったから、同じことをされても本音のところでは気持ちは分かるということになるのではないだろうか。
セシウムの暫定規制値はドイツの50倍甘い
実際に、東日本の食物はすでにかなりのものが汚染されている。しかも、政府が厳格に調査しないので、本当に食べていいものであっても、汚染されているのかいないのか分からないので食べられないという事態になっている。
国は、食品に含まれるセシウムの暫定規制値を1キログラムあたり以下のように決めた。
飲料水 200ベクレル
牛 乳 200ベクレル
乳製品 200ベクレル
野菜類 500ベクレル
穀 類 500ベクレル
肉 類 500ベクレル
魚 類 500ベクレル
卵 500ベクレル
この基準値が決まったとき、全世界は言葉を失って茫然自失となったが、それも無理もない。たとえば、ドイツではこのように決められていたからだ。
子供 4ベクレルまで
大人 8ベクレルまで
これを日本では50倍以上も引き上げているのである。大人も子供も区別がない。全世界が「もう日本は終わりだな」とつぶやいたのは当然だ。
子供 200ベクレル〜500ベクレル
大人 200ベクレル〜500ベクレル
それだけではない。もっとひどいことがある。
あり得ないほどの大甘の基準は決められたが、それでも現場ではまったく測定もされないで売られ、しかも産地偽造もなされているのである。
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終わったあとに基準値超えだと言われる
政府は厳密に基準値を測って選別すべきだった。「基準値を超えるものについては絶対に流通させない」と毅然とした姿勢を示し、本当に基準値超えのものはどんどん買い上げて破棄する姿勢が必要だった。
そんな当たり前の方針を徹底してくれているのであれば、世界基準の50倍でも、私たちは今よりは疑念を持たなかったかもしれない。
どのみち、汚染された食品を食べなければならない現実があるのだから、基準値の徹底選別は必要だった。
しかし、政府がしたのは真逆のことだ。すべてを曖昧にして、検査をおざなりに済まし、あとは「見ないふり」「知らないふり」をすることにしたのである。
世界よりも50倍以上も危険な放射性物質が「問題ない」と出回り、さらにはそれ以上もの食品がなし崩しに流通しようとしている。
本当は放射性物質が入った食物を食べないのが一番いいが、もう日本人は全員被爆しなければならない状況にある。
政府が情報をすべて出さずに日本人を被曝させ続けているのだから、どうしようもない。
次から次へと情報が後出しで出てきている状態で、流通・消費が終わったあとに「あれは食べてはならなかった」「あれは基準値超えだった」とあとで言われる。
基準値超えは他と混ぜて流通
最近の基準値超えの記事になっているものは、もうあまりに多すぎて誰も覚えられないだろう。
9月6日 新潟県産牛肉から570ベクレル検出
9月6日 日光市の野生の鹿から2,037ベクレル検出
9月6日 福島県のクリから2,040ベクレル検出
9月5日 埼玉県の茶葉から800ベクレル検出
9月3日 棚倉町のチチタケから28,000ベクレル検出
9月1日 日立市沖ドンコから540ベクレル検出
8月29日 福島産牛肉から640ベクレル検出
8月27日 日光市サンショウから608ベクレル検出
8月25日 福島産牛肉から794〜890ベクレル検出
8月24日 福島産牛肉から513ベクレル検出
8月19日 岩手県牛肉から623ベクレル検出
8月19日 宮城県牛肉から618ベクレル検出
8月18日 栃木県牛肉から500ベクレル検出
8月16日 徳島県のしいたけから74〜410ベクレル検出
8月12日 福島県のなめこから4,600ベクレル検出
基準値超えが分かったのは「抜き打ち検査」なので、すり抜けて売られているものは莫大に多い。
そして、基準値を超えた食物は棄てられるのではなく、「混ぜられている」というのが分かっている。他のに混ぜて薄くして結局は流通させる。
また、福島産の牛肉はこれだけ危ないと分かっているのに、まだ流通していることも8月の記録を見ても分かる。
結局、日本人が誰も声を上げないから、「これくらいはいいだろう」と現場が甘くみて、結果的にそれが汚染食品の大量流出になっている。
産地偽造が当たり前になった
また、福島県の農家が産地偽造に手を出し始めたという悲しいニュースもある。
放射能が大地に降り注ぎ、手塩にかけて育ててきた彼らの農産物が食べられなくなったというニュースを聞いたとき、日本人はみんな彼らの境遇に悲しんだはずだった。ところが、彼らの一部は産地を偽造することを思いついた。
米でも、別の産地の名前の入った空袋を買って、それに福島産のコメを詰めている。完全に産地偽造である。それを福島の農家はやろうとしている。
被害者の彼らが今度は加害者になって全国に放射性物質を撒き散らす役割をすることになる。
「そんな馬鹿な真似はやめろ!」と、誰も声を上げないから、あなたや、あなたの子供が、どんどん内部被曝していくことになる。
これを「見ないふり」「知らないふり」をすればするほど、ツケは重くなる。
虚脱感に悩み、子供たちが病気になり、ガンが増え、遺伝子が傷つき、次々と奇形の子供たちが生まれることになってから何か思っても遅いのである。
どんなに見ないふり、知らないふりをしていても、あなたは必ず因果関係が不明と言われながらも甲状腺がん、奇形の胎児・子供たちの噂を聞くことになる。
なぜなら、放置して片付く問題ではないからだ。必ず問題が表面化していく。
いつも後になって「実は」と言われる
ここでは詳しく書かないが、海の汚染は政府は何も言っていない。しかし、以下の記事を読んで問題が表面化しないと思うだろうか。
東京電力福島第一原子力発電所から海へ放出された放射能の総量は、3月21日~4月30日で1.5京(けい)ベクレル(京は兆の1万倍)を超えるとの試算 を、日本原子力研究開発機構などがまとめた。東電はこれまで、海に流出した汚染水中の放射能量は約4720兆ベクレルとの推定を発表しているが、今回は、 これに大気からの降下分を加えた結果、3倍を超える値になった。
同機構の小林卓也研究副主幹(海岸工学)らは、原発の放水口付近の海洋での放射能の実測値などをもとに、直接海に流出した量を推定。これとは別に、大気から降下した放射能量もシミュレーションで推定して、足し合わせた。
その結果、放出量はヨウ素131が1京1400兆ベクレル、セシウム137が3600兆ベクレルになった。セシウム134は計算していないので、総放出量は1.5京ベクレルを超えるという。
もう放射性物質が莫大に漏れる時期は終わったという人もいる。あとは終息していくだけだ。
本当にそうだろうか。まだヨウ素131が検出されているとなれば、いったい終息をどう説明すればいいのか。
東京で大異変…ヨウ素が急上昇! 何が起きているのか 2011.09.09
実は、同原発から200キロ以上離れた東京都でも数値が急上昇した。8月15日~16日にかけて、 各地の下水処理施設で採取された汚泥に含まれるヨウ素131の濃度が上がり、東部スラッジプラント(江東区新砂)や 清瀬水再生センター(清瀬市下宿)では150ベクレルを記録した。直近では不検出か微量の検出にとどまっていた。
「実は、同原発から200キロ以上離れた東京都でも数値が急上昇した」とある。今ごろ「実は」と言われてもいったいどうすればいいのか。どうしようもない。
まだ何も終わっていないし、何かがおかしい。しかし、東京電力も政府も何も言わないから、再臨界なのかどうか誰も分からない。
それでいて私たちの知らないところでまだ何かが進行している。たとえば、このような記事もある。
7月末~8月中旬、福島第一原発で再臨界が起きていた?
3月の事故直後から、事態の深刻さをネット上での論文発表などで訴え続けてきた日沼洋陽工学博士はこう解説する。「私は福島第一原発1~3号機のいずれかで、メルトダウンした核燃料が連鎖的に核分裂する『再臨界』が発生し、4月以降では最大量の放射性物質が施設外へ 漏れ出したと考えています。時期は7月28日から31日頃と、8月19日から21日頃の2回。放射物質の大量流出は、発表数値が実際よりも低めではないか と疑われている東京都や横浜市の線量測定データからもはっきりと読み取れる科学的事実です」
あなたは知っていただろうか。もちろん、知らなかっただろう。政府も何も言わなかったし、マスコミも1行も報道しなかった。
黙っていると、私たちは死ぬレベルになった
原子力発電については命を賭けて危険性を訴え続けてくれていた人たちもいた。
それにも関わらず、私たちはそれを「見ないふり」「知らないふり」をし続けてきたのだから、それ相応のツケが回ってきただけだとも言える。
さらに問題なのは、これほどの大災害が起きているにも関わらず、いまだにそれを直視しようとせず、問題が指摘されるたびに「そんなこと言われても、どうしたらいいのか」と他人事のようなスタンスでいる人が多いことだ。
「放射性物質が漏れているのは分かった。じゃあ、どうします?」
まるで小役人のようにそれは自分の問題ではないと言わんばかりの態度の人もいる。
「ではどうすればいいのか」と投げやりな態度で他人にいうのは、「もう、どうしようもない」「もう、どうしようもないから、騒いでもしょうがない」というあきらめと先延ばしのメンタリティそのままである。それではだめだ。
今からでも声を上げなければならない。
日本人は今も累積債務問題やマスコミ劣化問題や韓国崇拝問題やいろんな問題を抱えていている。
それを「見ないふり」「知らないふり」をしていると必ず最後にツケを払わなければならなくなるのだが、その第一弾が原発問題だったということなのだろう。
「嫌なものは嫌だ」
「何とかしろ」
「情報を隠すな」
「国や政治家はふざけるんじゃない」
あなたは可能な限り、様々なところで声をあげなければならない。もう今までどおり黙っていてはだめだ。黙っていると命に関わるところまで日本は追い込まれている。
次の被害者は、他でもない。
あなたであり、あなたの家族である。
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DARKNESより
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はじめまして。ドイツ、ベルリン在住の者です。
いつも貴サイトの情報の早さとそのテーマの範囲の広さに感謝しながら、拝見させていただいております。
先日12月7日付の貴サイトの記事「ドイツは8ベクレルで徹底制限。日本は500ベクレルで問題ない」について、福島原発事故以降、ドイツおよびEU諸国でも食品暫定規制値を大幅に変更した事実があります。それは現行の日本の食品暫定規制値よりも更に過酷な数値です。
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部とドイツ放射線防護協会が共同で作成したレポートです。以下のリンクで日本語訳が読めます。
http://foodwatch.de/foodwatch/content/e10/e42688/e44884/e45140/japanese_press-release_background_report_ger.pdf
先日、日本の多くのサイトで紹介されていたセバスチャン・プフルークバイル氏(ドイツ放射線防護協会 会長)による『ドイツ放射線防護協会によるフクシマ事故に関しての新しい報道発表 11月27日』の日本政府に対する警告は、上記のレポート活動が背景となっています。
ドイツやEU諸国ではまだこの件に関して、その専門分野を除いて一般社会では公の情報が少なく、福島原発事故後の日本から輸入された食品に対する配慮に関心がある人達が自らネットで調べ始めて、やっと少しずつ広がっているといった状況です。
どこの政府も経済第一で動いているという事実の一角です。