製造所固有記号データベースより
私が原発事故後に動けるようになって、すぐに確保したのが粉ミルクでした。
4月上旬出産予定でしたので母乳育児の予定ではありましたが、母乳がでないということも考えられましたし、チェルノブイリ同様母乳から放射性物質が検出されることも大いに考えられたからです。
1.母乳の放射能汚染について
チェルノブイリ原発事故後の母乳からの放射性物質検出については
チェルノブイリ事故後の母乳中放射能と鉛の濃度 ベラルーシ母子健康管理研究所・放射線生物科学研究所
が詳しいです。
母集団が少ないとは思いますが、現実に行われた検査結果は重いと考えています。
簡単に内容を説明すると、セシウム137とストロンチウム90はすべての母乳から検出
セシウム137
セシウム137は「クリーン」と思われる地区の母乳から多く検出されている。
理由は
1)土壌から農作物への移行率が高かった
2)地表汚染の小さい地域では、ときとして食料の汚染に対する関心が低いこと
いつまでも暫定な規制値、マスコミによる報道が少々偏っているかな?と思われる日本では特にこの2)が心配です。
最も大きなセシウム137濃度は、汚染地域での59.6Bq/l
チェルノブイリでの乳幼児食品の許容限度37Bq/lすら超える濃度が出ているのです。
(日本での乳児制限は下記の通り)
Cs:放射性セシウム
200Bq/kg以下→飲料水、牛乳・乳製品
500Bq/kg以下→野菜類、穀類、肉・卵・魚・その他
ストロンチウム90
上述の通り、すべての母乳から検出されています。
日本では検査すらされていない現状ですが。。。
このストロンチウムは簡単に言うとカルシウムとよく似ており、カルシウムに置き換わって骨に蓄積されていきやすいという性質があります。
骨に溜まってしまうと排出されることが困難で、50年というストロンチウムの半減期でずっと放射線を出し続けることになります。
乳幼児の骨格は急速に成長し、ストロンチウム90を吸収してしまいます。
(新生児の骨格中のストロンチウム90濃度は、妊娠中母親の食事中濃度の2.3倍という報告も)
カルシウムが不足がちな乳幼児はストロンチウム90を全身にどんどん蓄えていってしまうのです。
母乳は乳児の重要な栄養源です。
お母さんが内部被曝を意識せずに、セシウムやストロンウムを摂りつづけてしまうとお母さん以上に新生児に放射性物質が溜まっていってしまうのです。
我慢したところで、妊娠中もふくめてたかだか数年です。
その数年で子どもの健康状態が大きく変わってしまうのですから、頑張って内部被曝を0に近づける努力をしてもらいたいと思います。
母乳はチェルノブイリ事故では汚染されていたけれども、今回の福島原発事故での汚染の影響は分かりません。
本当は率先して検査を行なってしかるべきだと思うのですが、検査は特にされていないようですので。
2.粉ミルクの製造所・原料まとめ
母乳で育てたいが、出なかった、仕事などの関係で与えられないお母さんも多いと思います。
そこで代わりになるのが粉ミルクです。
チェルノブイリで事故後に子供たちの甲状腺癌の増加が見られ、その主な原因はミルク等に含まれていたI:放射性ヨウ素による内部被曝が原因であったと言われています。
すぐに安定ヨウ素剤を配り、輸入ミルクに切り替えたポーランドでは甲状腺がんの増加が見られませんでした。
そういった過去もあるので、日本の乳牛協会も自主的に動き、有力メーカーの粉ミルクについては放射性物質検査が行われています。
製品名 | 販売者 | ヨウ素131 | セシウム134 | セシウム137 |
---|---|---|---|---|
アイクレオのバランスミルク | アイクレオ株式会社 | 検出されず | 検出されず | 検出されず |
明治 ほほえみ | 株式会社 明治 | 検出されず | 検出されず | 検出されず |
ビーンスターク ネオミルクすこやか |
ビーンスターク・スノー株式会社 | 検出されず | 検出されず | 検出されず |
森永ドライミルク はぐくみ |
森永乳業株式会社 | 検出されず | 検出されず | 検出されず |
森永ペプチドミルク E赤ちゃん |
森永乳業株式会社 | 検出されず | 検出されず | 検出されず |
雪印 ぴゅあ | 雪印メグミルク株式会社 | 検出されず | 検出されず | 検出されず |
和光堂レーベンスミルク はいはい |
和光堂株式会社 | 検出されず | 検出されず | 検出されず |
検出限界:10ベクレル/kg 以下
検出限界が10Bq/kgとはいえ一応未検出です。
しかし、0Bq/kgをできる限り目指したいでしょうから各メーカーごとの原乳の仕入先をまとめてみました。
アイクレオ
http://wp.me/P1vrXL-7w
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製造所:兵庫柏原工場
原料:アメリカ
水:地下水
放射能検査済みで出荷
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製造場所:埼玉県
原料:海外・北海道
放射能検査は特にしていない
※粉ミルク「ステップ」から放射性セシウム微量検出
http://www.meiji.co.jp/notice/2011/detail/20111206.html
3/14-20に埼玉春日部市の工場で乾燥工程をした商品が検出対象です
原乳は3/11以前の北海道産使用
ビーンスターク・スノー
http://wp.me/P1vrXL-w1
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製造場所:山形・千葉・静岡・長野・愛知・滋賀・京都
原料:海外・北海道
放射能検査は特にしていない
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原料:オーストラリア他オセアニア・ドイツ他ヨーロッパ・北海道
添加物のビタミンなどは中国からも輸入
放射能検査は特にしていない
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製造所:群馬
原料:北海道
放射能検査は特にしていない
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製造所:栃木
原料:北海道・オランダ・ニュージーランド
放射能検査は特にしていない
各社粉ミルクに関しては十分に放射能に対して留意している対応を受けましたのでどこの粉ミルクでも大丈夫かとは思います。
しかし、何かあっては大変ですので、リスクを回避するためにいくつかの粉ミルク順番に使用していくことをおすすめしたいと思います。
なかでも完全に海外の原料を使用し、放射性物質検査を行なっているのはアイクレオだけでしたのでそちらをローテに組み込んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
新生児にとって、最初の1年はとても大事な時期です。
母乳を少しでも与えるお母さんは内部被曝に特に気をつけて食事を選んでいただきたいと思います。
実は日本の放射能汚染も私が心配しているほど酷くはなくて、健康被害なんてまるで起きず
「ネットで大騒ぎしている人がいたから本気にしちゃって、あなたにおっぱいあげているときは食事が大変でねぇ…」
と、オイルショックでトイレットペーパーを買い占めたおばあちゃんのように笑い話になることを望んでいますが、もしものときは後悔は先にたちません。
私もできる限り多くの情報を調べたり、まとめたりして安心して食べられる食材の情報をまとめていきたいと思いますのでがんばっていきましょう!
記事元:製造所固有記号データベース
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