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文科省が汚染度を下方修正したマップを発表

11月 12th, 2011 | Posted by nanohana in 1 放射能汚染 | 3 官僚 | 3 政府の方針と対応 | 3 隠蔽・情報操作と圧力 | 3 首長、自治体

11月11日発表セシウム沈着量           10月12日発表セシウム沈着量

東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムの土壌蓄積量を航空機(ヘリコプター)から測定し、汚染マップを作製している文部科学省は11月11日、新たに岩手、山梨、長野、静岡、岐阜、富山の計6県分を加えた東日本18都県のマップを公表した。

今回のマップの特徴は「天然核種の影響をより考慮した」ということで、前回(10月12日)発表された12都県の汚染マップに比べ各地の汚染量が大幅に下方修正されている点だ。一見して汚染区域がずいぶんと小さくなった、”すっきりして見える”仕上がりとなっている。


これは前回、新潟のマップを発表した際に、新潟県の泉田裕彦知事が「天然の放射線を配慮していない。いい加減な数値である可能性がある」と激しく批判したことを受けての対応なのだろうが、そもそも泉田知事の”説”については、新潟大学大学院の野中昌法教授(土壌環境学)が独自の調査を踏まえた上で「文科省調査と同程度のセシウムの沈着は実際にある」と批判しており、検証十分とはとてもいえない段階だろう。

しかし、文科省はこの知事の発言に即座に答えるようにマップの下方修正を行った。SPEEDIを長らく公表せず、汚染マップの発表にも事故後8ヶ月もかけるなど、これまでのまったくやる気のない文科省の仕事振りからすれば、今回はらしからぬすばやい対応といえる。どうやら文科省にとって、この発言は渡りに船だったようだ。

毎日新聞の記事によれば今回のマップ発表によって、新潟・山形からは「除染を必要とするレベルの地域はなくなった」らしい。なんというすばらしいマジックだろう!放射能はそのままで、除染の必要性だけを消し去るとは・・・

新潟、山形だけではない。福島西部の汚染地域はかなり縮小したし、群馬、栃木も汚染が緩やかになっている。千葉、埼玉、東京もかなり”すっきり”した。

大きな違和感を覚えることのひとつはSPEEDIの予測(下図)とのずれだ。SPEEDIはシミュレーションだが、かなりの確度があることが今回の事故で実証されている。細部では正確ではないかも知れないが、大きく汚染の広がりを見たときにはそれほどの狂いはないと思われる。

 

空間の線量に大きな変化はない。

11月11日発表空間線量               10月12日発表空間線量
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2011.11.12

東日本大震災:汚染マップ、セシウム蓄積量誤って計算 新潟、山形を修正

文部科学省は11日公表した放射性セシウムの汚染マップで、新潟、山形県の蓄積量を修正。除染を必要とするレベルの地域はなくなった。先月までに公表されていた両県のマップでは、天然の花こう岩などが出す放射線を誤って計算していた。

国は、放射線量が毎時0・23マイクロシーベルト以上(年間1ミリシーベルト相当)の地域を、国が責任を持つ除染対象とする。文科省のマップでこ れに該当するのは、おおむね3万ベクレル以上の地域。一方、健康への影響は放射線量に左右され、土壌蓄積量は目安に適さないという。渡辺格(いたる)・原 子力安全監は「舞い上がる土などを吸い込む被ばくは、空間放射線からの被ばくの2%程度で、それほど大きくない」と話す。【野田武】

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朝日新聞 2011.10.19

新潟知事が汚染マップ批判 「天然放射線を配慮せず」

東京電力福島第一原発事故を受け、文部科学省が航空機で各地の放射性セシウムの蓄積量を測り、公表した汚染マップについて、新潟県の泉田裕彦知事は19日の記者会見で「天然の放射線を配慮していない。いい加減な数値である可能性がある」と激しく批判した。

マップの値は、新潟県内に幅広く分布する花崗岩(かこうがん)から出る放射線の影響を踏まえていない、と同県は主張している。

文科省が12日に公表した汚染マップによると、新潟県では福島県境や北部で比較的、高い蓄積の地域が見られ、一部で1平方メートルあたりの蓄積量が3万~6万ベクレルに上った。新潟県は花崗岩分布とマップの「汚染地域」がほぼ一致しているとして、発表直後から「すべてが原発事故による影響ではない」としてきた。

続きは朝日新聞デジタルでご覧いただけます
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毎日新聞 2011.11.12地方版

東日本大震災:セシウムの土壌蓄積マップ改定 県内大半、低沈着量に /新潟

 文部科学省は11日、10月に発表した東京電力福島第1原発事故による新潟県の放射性セシウムの土壌蓄積量マップを改定し、新たなマップを発表した。改定前はセシウム134と137の1平方メートルあたりの合計沈着量が関川村で16万2000ベクレルとなるなど局所的に高い値が出ていたが、改定後は県内最大で6万ベクレルにとどまり、県域の大半が低い沈着量になった。

 前の航空機調査で集めたデータを解析し、セシウムから出ているとみられる放射線の波長が観測されなかった地域について、セシウムの沈着はあまりないと考え、マップで示した基準で最低となる同1万ベクレル以下とみなした。

 泉田裕彦知事は「沈着量を過大に見積もっている可能性を指摘してきたが、今回、改めて精緻な評価が行われ、より実態に近い評価になった」とコメントを出した。マップは同省のホームページで公表している。【畠山哲郎】

 

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