朝日新聞 2011.10.21
「セシウム調査、実態とも一致」
野中昌法教授
文部科学省が公表した放射性セシウムの汚染マップについて、県が「花崗岩(かこうがん)から出る天然の放射線の影響を踏まえていない」などと批判 しているが、新潟大学大学院の野中昌法教授(土壌環境学)は20日、独自の調査を踏まえ「文科省調査と同程度のセシウムの沈着は実際にある」との見方を示 した。朝日新聞社の取材に答えた。
野中教授は8、9月、南魚沼市、阿賀町で収穫前の水田の土壌計6地点を独自に調べ、表層20センチでセシウム134と137を合わせて1キロ当たり100~400ベクレルを測定。換算すると、文科省の調査結果とほぼ一致するという。
汚染マップのセシウム蓄積量はヘリから計測した放射線量から、自然界の放射線量の全国平均を引いた推計値。県は「花崗岩が広く分布する地域では過大に算定されている可能性がある」と批判している。
これに対し、野中教授は自身の調査結果から「文科省調査と実態が一致しているところはたくさんあるだろう」と述べ、「花崗岩の影響を強調するのは、話をずらしているのではないか」と反論した。
県は今後、1万ベクレル以上の蓄積があるとされる33地点の土壌を補足調査する。野中教授は「危険をあおるつもりはなく、実際に新潟産米 からセシウムは検出されていない」と断ったうえで、「森林の腐葉土や樹木、田畑の土壌などの調査がカギ。仮に高い数値が出たら周辺の詳細調査をして、公表 することが肝心だ」と指摘している。
朝日新聞
You can follow any responses to this entry through the You can leave a response, or trackback.