１０月１４日 追記
林野庁にその後の経過を問い合わせていましたが、返事があり、一点わかったことがあります。
福島県から他県へ流通していたのは、菌を植える前の原木だけでなく、すでに菌をうえ、途中まで栽培した状態のほだ木も含まれるとの事。
原発事故当時福島で栽培されていたほだ木は汚染されている可能性があります。そのほだ木が他県へ流通し、そこから今年すでに収穫が始まっているということです。
奈良県ではこのようなシイタケの検査を行ったそうで、その結果が近く公表されます。その他の県についてはまだ詳しい状況がわかりません。
どのくらい汚染されたほだ木・原木・菌床がどこに流通したのか、調査中とのこと。８月1日に最初の菌床の汚染が発見されてから、徳島県は数日で県内全業者に対して検査を行っています。それに比べると、まるでやる気のない林野庁の対応です。
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８月１８日の記事、徳島でシイタケ菌床から放射性セシウムへの反響が続いています。
８月１１日までは、放射能汚染された原木や菌床用おがくずが、基準値などもなく、何の規制もなしに流通していたことが明らかになりました。たまたま徳島では汚染された菌床が発見され、使用が取りやめになっていますが、全国での流通実態はまったく不明です。
その後わかったことをまとめました。
福島産のおがくずと菌床栽培キノコについて
・徳島県では8月１日、徳島県東部の生しいたけ生産者(1者)が「菌床」用として入手したおが粉から74～410ベクレル/kgの放射性物質が検出されたことを受け、県内の全生産者を対象におが粉の入手先について調査した結果、当該生産者(1者)以外は、四国内からの入手と判明。また、当該生産者は、このおが粉を使った「菌床」から生しいたけを発生させず、菌床やおが粉のまま入手先に返送したため、汚染されたおが粉を使った菌床から生産されたしいたけは徳島産として流通していない。（以上徳島県のHP８月１９日）
・福島県に問い合わせました。８月１２日に林野庁の指示をうけ、汚染のおそれのあるおがくずの譲渡や利用の自粛を順次各事業者に個別要請しているが、全事業者を把握しているかわかっていない。基本的には８月１２日以降、県外への流通は無くなりつつあるようですが、一部漏れている可能性があるようです。来週くらいには全体をまとめた調査報告を国に上げるとのことでした。
・福島県は菌床用おがくずの生産量全国一で、年に１２万立方メートルを生産しています。８月１２日以前は、規制なしに全国に流通していたようですが、どこにどのくらい流通させていたかは、県でも把握されていません。これらのおがくずが放射能汚染されていた可能性は否定できません。福島県では来週くらいから、全国の各県に対し、菌床栽培のきのこ類と、栽培用菌床の放射能検査を依頼するそうです。８月１日に徳島で汚染が発見されてから１ヶ月経ちますが、まだ全国で検査も始まっていないという危機感のなさにはあきれるばかりです。
・現在は福島・群馬・一部関東などで菌床栽培シイタケ・なめこ等の検査が行われており、菌床栽培でも一部検体からセシウムが検出されています（最大値は福島県いわき市産の１８２ベクレル/kg）。菌床栽培のきのこについては出荷制限はされていません。徳島産は県内全域で検査を行い、検出はありませんでした。それ以外の各県産ではほとんど検査無しで流通しています。
福島産の原木と原木栽培しいたけについて
・原木は、８月１２日以前には規制なく流通していました。基準値もありません。
・福島県に問い合わせました。菌床と同じで８月１２日に林野庁の指示をうけ、汚染のおそれのある原木の譲渡や利用の自粛を順次各事業者に個別要請しているが、全事業者を把握しているかわかっていない。基本的には８月１２日以降、県外への流通は無くなりつつあるようですが、一部漏れている可能性があるようです。来週くらいには全体をまとめた調査報告を国に上げるとのことでした。
・京都では福島産の原木からセシウムが検出されています。
東日本大震災：福島県産のシイタケ用原木からセシウムを検出 ／京都
毎日新聞８月５日
府は４日、精密検査の結果、福島県産のシイタケ用原木（クヌギ）から１キロあたり４５３ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。林野庁によると、原木からの検出報告は、全国初という。
府農林水産部によると、検出したのは府内の生産農家が仕入れたものの一部。府内には東日本大震災以降、福島、宮城、群馬の３県産の原木約９０００本が流通。これらを保管している府内４農家を検査した。
同庁によると、原木に関する暫定許容値（規制値）はなく「早急に調査・検討する」という。【入江直樹】
・福島県はしいたけ用原木の生産量全国一で、年に５万立方メートルを生産しています。８月１２日以前は、規制なしに全国に流通していたようですが、どこにどのくらい流通させていたかは、県でも把握されていません。これらの原木が放射能汚染されていた可能性は否定できません。福島県では来週くらいから、全国の各県に対し、原木の放射能検査を依頼するそうです。
・原木栽培は時間がかかるため、今年接種した原木からシイタケが取れるのは再来年の春です。
・しかし、福島県や茨城県、栃木県、群馬県などで、原木栽培のシイタケから高い確率で汚染が見つかっており、暫定規制値を超えた地域では出荷停止になっています。これらの汚染は接種前の原木の汚染によるのではなく、接種後のものです。栽培中に直接、間接に汚染されたものと思われます。
・朝日新聞 ７月１６日
シイタケから基準超えるセシウム 福島県産ハウス栽培
福島県は１５日、同県本宮市と伊達市のビニールハウスで栽培された原木シイタケから、国の基準を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。本宮市の農家からは基準超えの可能性のあるシイタケ１２９キロが東京の大田市場へ、伊達市の農家からは２８キロが地元の直売所や福島市内のスーパーへ、それぞれ今月初め以降に出荷されていた。
伊達市では、２カ所の農家のハウスでモニタリング検査をした結果、１カ所で暫定規制値（１キロあたり５００ベクレル）の３倍強の１７７０ベクレルが検出された。本宮市は１カ所の農家で、同５６０ベクレルが検出された。
県は生産者に自主回収を指示するとともに、本宮市と伊達市からのハウスの原木シイタケの出荷自粛を求めた。同県内ではこれまで、露地栽培の原木シイタケで基準を超えるセシウムやヨウ素が検出されているが施設栽培では初めて。県によると、温度管理のためビニールハウスを開けたことがあったという。（神田明美）
・原木シイタケは４月５月が収穫時期ですが、今年の春、来年の春に収穫される原木シイタケは、原発事故以前に接種されたものです。栽培中に直接汚染される可能性があった地域（福島や周辺の汚染地域）以外の地域では汚染される可能性は少ないと考えられます。ただし、昨年以前に菌を植え付け、栽培途中で福島原発事故に遭遇し、ことし収穫を控えたほだ木が、ほだ木の状態で全国に流通しているようです。その検査は現状まったくされておらず、全国で今年収穫のシイタケが汚染されている可能性があります。
・今年の春接種された原木なめこは、今年の秋から収穫が始まります。
・現在福島では次の各地域のきのこ類が出荷制限されています。クリックで拡大
まとめ
きのこ類のセシウム汚染の状況・汚染の可能性
福島産をはじめ、汚染された可能性のある原木・おがくずは流通しており、その量や範囲は把握されていない。従って下記のように各地で汚染されたきのこが栽培される可能性がある。
しいたけ
原木栽培 福島他放射能汚染地域産 汚染されているもの多数 （一部出荷停止）
. その他の地域産 今年産は汚染の可能性は少ない（検査はされていない）
汚染されている可能性あり（検査はされていない）
菌床栽培 徳島産 汚染されていない(県内全域検査)
. 福島・群馬 一部汚染が検出されている
. その他の地域 汚染されている可能性有り （来週以降検査が始まる）
その他のきのこ
原木栽培 全国 汚染の可能性有り （検査は来週以降）
菌床栽培 福島 一部汚染が検出されている
. その他の地域 汚染の可能性有り （検査は来週以降）
１０月７日 林野庁の方針で汚染原木・菌床１５０ベクレルまで出荷可能に。恐れていたことが現実になって、汚染原木・菌床が全国にひろまり、産地に関係なく５００ベクレルの毒きのこが出荷されるおそれが・・・
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