神奈川県の放射能汚染が懸念される被災地瓦礫受入問題に、大きな動きがあった。
2月5日夜、神奈川県が受け入れた瓦礫を焼却し、最終的に処分する処分場のある神奈川県横須賀市芦名町の芦名大楠連合会(芦名大楠連合会、芦名町内会による連合組織)が瓦礫受入反対決議を声明したのである。
理由は後ほど書くが、これにより神奈川県は瓦礫焼却による灰の処分先が無くなり、つまり瓦礫を受け入れることができなくなったわけである。
瓦礫は女川から搬入し、横浜、川崎、相模原の各焼却場で燃やして灰にする、その灰を最終的に神奈川県横須賀市芦名町にある最終処分場に埋め立てる計画であった。
ちなみに焼却施設はそれぞれ市が管理しているが、芦名最終処分場は神奈川県が管理している。
そして、1月15日に地元芦名町のコミュニティセンターで「がれき受入に向けての説明会」が開かれたが、集まった住民たちはすでに放射能の危険性を知っており、最終処分場が本来放射能廃棄物を棄てる場所ではないこと、それゆえに環境への漏れ出しの対応が出来ていないこと、規約上県外からの廃棄物を受け入れられない点などを上げて一斉に抗議し、会場は一時騒然となった。
つづいて後横須賀で開催された「緊急開催 黒岩知事知事との対話 ~震災がれきの受入へ! 東北再生に向け今、神奈川ができること~」などとタイトルを付けた瓦礫問題の説明会が開催かれる。
会場は、芦名での説明会以上に騒然とし、質疑も聞えないほどだった。
その後、横浜の神奈川県庁で「緊急開催 黒岩知事知事との対話 ~震災がれきの受入へ! 東北再生に向け今、神奈川ができること~」が開催された。
前半部分は、芦名、横須賀とまったく同内容。
地域住民、県民から寄せられた質問、提案に対する反応はゼロ。改定された内容はゼロ。まったく同じ内容をそのまま、そっくりと繰り返した。
つまり県民の主張を聞き入れるつもりは皆無である神奈川県も、一点だけ横浜会場において変えた趣旨がある。
それは、参加者の管理である。座席指定にし、誰がどこに座っているか判別できる状態にし、質問に関しては司会者から指名された本人のみができるとし、それを強行しようとした。県側からの説明は大人しく聞いていた参加者だが、質疑に入るとエキサイトし、やはり会場は騒然とした。
そして、その後の神奈川県の動きは公表されず、行方を見守るかたちだったが、2月5日の夜に上記した地元町内会の受入反対声明が出されたという流れである。
→ がれき受け入れ拒否 横須賀の町内会が決定 / 朝日新聞
→ がれき焼却灰搬入反対 横須賀の地元決定 / 読売新聞
そして、何故地元町内会の反対声明が大きなちからを持つのかであるが、この横須賀市芦名地区産業廃棄物最終処分場について、地元(芦名)との間に最終処分場を建設するにあたっての協定書を取り交わしている、その協定書によれば、「この最終処分場は県内の産業廃棄物の処分に限る」という文言があるというのである。
つまり、産業廃棄物ではない、しかも県外からの持ち込みによる瓦礫(廃棄物)を処理するにあたってはこの協定書の「改訂」が必要であり、ゆえに地元町内会の賛成なくして今回のがれき受入は実現しないということである。
神奈川県瓦礫問題の経緯については、下記を参照
→神奈川県のがれき受入をめぐる生々しい話
→黒岩知事定例記者会見 2012/2/3
→【神奈川】 瓦礫受入 ひよる黒岩知事 住民猛反発
→頭は瓦礫でいっぱい 神奈川・黒岩祐治知事
→「録画配信」緊急開催!黒岩知事との「対話の広場」
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