放射線教育副読本:作成委の議事録なし 「不自然」と批判も--文科省が電力系財団に作製委託
12月 18th, 2011 | Posted by in 3 利権・推進派・御用学者 | 3 官僚 | 3 政府の方針と対応 | 3 東電 電力会社 原子力産業 | 3 隠蔽・情報操作と圧力2011.12.18
文部科学省が全国の小中高生向けに新たに作った放射線教育の副読本について、執筆・編集した専門家による作成委員会の議事録が作られていないことが分かった。副読本は、文科省が電力業界とつながりの深い財団法人「日本原子力文化振興財団」(東京都港区)に作製を委託し、東京電力福島第1原発事故後も委託先を変更しなかった。同財団と文科省は、毎日新聞の取材に「議事録はない」と回答。識者からは「不自然だ」と批判の声が出ており、不透明な作製過程が問われそうだ。
文科省によると、副読本の作成委員会は、中村尚司・東北大名誉教授を委員長に、専門家や教員ら13人で構成。同財団が事務局を担い、7月から8月にかけて計7回の会合が開かれた。完成した副読本は放射線の基礎知識に特化した内容で、東京電力福島第1原発事故については前書きで触れただけだった。原発事故の扱いについて、文科省の担当者は10月の副読本公表時に「『原発事故を入れたらどうか』という議論もあったが、最終的に委員会としてはまず基本的な部分を理解した上で、次の段階で取り扱えばいいという結論になった」と説明した。
だが、毎日新聞が作成委の議事録について
文科省に情報公開請求をしたところ、担当者は「作製途中の文書は残していない」と答えた。委託先の同財団も「該当する資料はない」とコメントした。
中央省庁の審議会などの運営について、政府は99年、「会議または議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する」などと定める指針を閣議決定した。議論の経過を検証する資料が存在しないことについて、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「委員に意見を聞いておきながら、何の資料も残していないのは不自然だ」と批判している。【木村健二】
毎日新聞 2011年12月18日 東京朝刊
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