原発作業員の10%はヤクザ
12月 18th, 2011 | Posted by in 3 東電 電力会社 原子力産業 | 3 隠蔽・情報操作と圧力 | 4 原発の作業現場 | 4 福島第一原発の状態2011.12.17
福島第一原発で作業員として働きながら、極秘に取材・撮影を続けていた、ジャーナリストの鈴木智彦氏が開いた会見の後半をお伝えする。会見では福島第一原発内の動画も公開された。実際の作業員の働く様子や、作業後のスクリーニング(被曝量チェック)の様子も撮影されている。是非ご覧いただきたい。(BLOGOS編集部 田野幸伸)
質疑応答
とりあえず、冷温停止はしています。ただ、この冷温停止を何年も維持しなくてはいけない。それが上手くできるか、作業員の被曝なしにできるかどうかは疑問 です。例を挙げると、配管を支える「サポート」という台があるんですけど、配管同士が合わないので、無理やり曲げて使ってるんです。耐久性のあるものでも ないし、交換するにも、すでに汚染水の流れているものなので、かなりの被曝をしなければならない。冷温停止を急ぎすぎて、後で大変なツケが回ってくる。
-暴力団の関与について
実際に確認した暴力団員はたった一人ですが、直接現場で働くというより、労働者を派遣するほうに入っていますので、労働者も暴力団の口利きで入ったと自覚していない人も沢山います。
これを証拠というのはあまりにも乱暴ですが、とある組織の所有車が、原発事故後、どんどんいい車になっていくので、あそこもそうだなという噂が立っております。派遣の1割くらいが暴力団関連企業です。登記簿を見れば役員に組員の名前があるのですぐ分かります。
-どうしてジャーナリストだとバレた?
本名で活動しているので、ネット検索すれば分かってしまうのですが、他の作業員が昼寝していてあまり参加しない、原発での講義を最前列で一生懸命メモを取ってたら怪しまれてバレました(笑)
表向きの解雇理由は、東京からいわき市まで通っていて、その通勤が遠すぎるから、という理由です。
-日当はいくらもらっていた?
1万5千円、もしくは2万円です。ちなみに、僕はもらった日当は大熊町と二葉町に全額寄付しました。電気溶接の免許があると、3~4万円もらえます。月に 100万円以稼いでいる人もいました。ただその人はFukushima50の中の1人でしたが。日立は太く短く、東芝は細く長く、という働き方の特徴があ ります。
-ヤクザのピンハネ率は
ケースバイケースなんですが、ヤクザが何次下請けなのかにもよります。今回の事故は東電が危険手当を出していないので、あんまり抜けません。1人2000円、高くて2500円、安くて1000円です。ただ、もちろん非課税ですので、ある程度利益は出ているだろうと。
-Fukushima50の中に、本当にヤクザがいたのか
3人いました。組織名も分かっています。プラント名も分かってます。 ただし、100%ヤクザだと断定できないのは、1回組から抜けて、その後組に復帰している人だった。新しい名簿が出る前に事故が起きてしまった。なので、断定できないんです。
-福島第一原発はどこの組の縄張りか
おそらく、住吉会の縄張りです。おそらく、としかいえないのは、縄張りはものすごく複雑で、間違えるとかなり怒られるんです。多分、住吉会だと思います。
-昔は借金のカタにマグロ漁船に乗れというのがありましたが、福島第一原発で働いて来い!という風になっていくのか
借金のカタに原発で働くというのは2~30年前からありました。おそらくこれからもあるでしょう。
会見の最後に鈴木氏は「多くの目が福島第一原発に注がれるべきだと思っています。残念ながら、日本のマスコミはあまり見ようとしません。私は全ての方のイ ンタビューに答えます。外国の方にこんなことを頼むのは悲しいですが、これからも福島第一原発を忘れずに、注目して欲しいです。よろしくお願いします」と 結んだ。
野田総理の冷温停止宣言で、日本のマスメディアの報道も停止してしまわないことを切に願う。
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