琉球新報 2011.12.15
福島第1原発事故による食の不安が県内でも広がっていることから、県生活衛生課は県内で流通する食品の放射性物質の検査を開始する。年度内に放射線測定器1台を導入する。東京、大阪、京都などが小売店で販売されている食品の抜き取り検査を実施しているが、九州では初めて。同課は「県外から流入する野菜や果物について、放射能の影響を心配する県民からの問い合わせなどがあり、実施を決めた」としている。
県が導入するのは1食品につき約10分でヨウ素、セシウム134、セシウム137を検出する機器で、予算は500万円を見込んでいる。数値はベクレルで表示される。機器は大気中や水質の放射性物質を測定している県衛生環境研究所(南城市)に設置する。
県内で食品の放射性物質の検査は、琉球大学機器分析センター(西原町)が行っているが、同センターは食品会社など外部からの依頼に応じて協力している。
検査食品はスーパーなどで流通しているものが対象。検査結果の公表方法は検討中。定期的に流通している食品の抜き取り検査をしている東京や大阪、京都などは、検査結果をホームページで公開している。
東北地方など暫定基準値を超えた農産物が出た県では、当該産地の農産物を県や国が検査することはあるが、流通している食品を検査する取り組みは、東京などのほか千葉市、横浜市など一部の自治体にとどまっている。大手スーパーが独自に調査するケースや、市民団体、環境団体が独自で検査する事例などがある。(知花亜美)
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