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首相官邸HPに掲載された日本政府のチェルノブイリ事故の評価が恐ろしい

12月 10th, 2011 | Posted by nanohana in 1 体への影響と防御 | 1 健康 | 1 子供たちを守ろう | 1 放射能汚染 | 3 今後の電力・原子力政策・行政 | 3 政府の方針と対応

首相官邸ウェブサイト チェルノブイリ事故との比較

首相官邸ウェブサイト チェルノブイリ事故との比較

首相官邸のウェブサイトがある。

http://www.kantei.go.jp

そのサイト内の「首相官邸災害対策ページ」から3つ階層を下がったところに「チェルノブイリ事故との比較」というページが存在する。

このページは事故から約1カ月後の4月15日に公開されたもので、東京電力福島第一原子力発電所事故とチェルノブイリ原子力発電所事故を比較する内容なのだが、どう見てもチェルノブイリ事故による死亡数が極めて少な過ぎるのだ。

このウェブサイトは首相官邸の公式ホームページであり、日本政府の見解ということになる。その見解の中で、日本政府はチェルノブイリ事故による健康被害を殆ど認めていない。
この先に日本で起きる健康被害も同じように認めないという布石に見えるのだが、それは考え過ぎだろうか。

 

チェルノブイリ原発内での被ばくでの死亡者は28名

最初に「原発内で被ばくした人数」を比較し「チェルノブイリでは、134名の急性放射線障害が確認され、3週間以内に28名が亡くなり、その後現在までに19名が亡くなっているが、放射線被ばくとの関係は認められない」としている。
つまりチェルノブイリ原発内での被ばくで亡くなったのは28名である。

 

清掃作業に従事した方(リクビダートル)は死亡者ゼロ

次に、事故後に清掃作業に従事した人については、「チェルノブイリでは、24万人の被ばく線量は平均100ミリシーベルトで、健康に影響はなかった」としています。
つまり、清掃作業での被ばくによる死亡者はゼロということである。

 

周辺住民の被ばくによる健康被害はゼロ

3つ目は周辺住民の被ばくについては、以下のように書かれている。
「チェルノブイリでは、高線量汚染地の27万人は50ミリシーベルト以上、低線量汚染地の500万人は10~20ミリシーベルトの被ばく線量と計算されているが、健康には影響は認められない。例外は小児の甲状腺がんで、汚染された牛乳を無制限に飲用した子供の中で6000人が手術を受け、現在までに15名が亡くなっている」
つまり、高線量地域と低線量地域を合わせ、亡くなった方は牛乳を無制限に飲用した子供が15名が亡くなったということである。
セシウムは他の核種での死亡者はゼロだ。

以上が抜粋ではあるが、首相官邸ウェブサイトに掲載されたチェルノブイリ事故の評価である。

 

さて、ここからが本番だ。

 

ソ連政府の発表

ソ連政府の発表による死者数は、原発運転員と初期消火活動に係わった消防士を合わせて33名が死亡したとしている。
つまり、首相官邸ウェブサイトの28名より5名多い。

 

IAEAの非公式見解

1986年8月のウィーンでプレスとオブザーバーなしで行われたIAEA非公開会議で、ソ連側の事故処理責任者ヴァレリー・レガソフは、当時放射線医学の根拠とされていた唯一のサンプル調査であった広島原爆での結果から、4万人が癌で死亡するという推計を発表した。しかし、広島での原爆から試算した理論上の数字に過ぎないとして会議では4,000人と結論され、この数字がIAEAの公式見解となった。

ミハイル・ゴルバチョフはレガソフにIAEAに全てを報告するように命じていたが、彼が会場で行った説明は非常に細部まで踏み込んでおり、会場の全員にショックを与えたと回想している。結果的に、西側諸国は当事国による原発事故の評価を受け入れなかった。
2005年9月にウィーンのIAEA本部でチェルノブイリ・フォーラムの主催で開催された国際会議においても4,000人という数字が踏襲され公式発表された。

 

WHO(世界保険機構)の公式見解

世界保健機関 (WHO) はリクビダートルと呼ばれる事故処理の従事者と最汚染汚染地域および避難住民を対象にした4,000件に、その他の汚染地域住民を対象にした5,000件を加えた9,000件との推計を発表した。

 

IARC(国際がん研究機関)の推計

WHOの国際がん研究機関 (IARC) は、ヨーロッパ諸国全体(40ヶ国)の住民も含めて、1万6,000件と推計した。

 

グリーンピースの推計

環境団体グリーンピースは9万3,000件を推計し、さらに将来的には追加で14万件が加算されると予測している。

 

ロシア医科学アカデミーの推計

ロシア医科学アカデミーでは、21万2,000件という値を推計。

 

NGO(ウクライナのチェルノブイリ連合)による見積

ウクライナのチェルノブイリ連合(NGO)は、現在までの事故による死亡者数を約73万4,000件と見積もっている

 

ウクライナにおける平均寿命の減少と高齢者の死亡率の上昇

Ivan Godlevskyらの調査によると、チェルノブイリ事故前のウクライナにおけるLugyny地区の平均寿命は75歳であったが、事故後、65歳にまで減少しており、特に高齢者の死亡率が高まっていることが分かった。

 

ウクライナの人口は1000万人減少

1991年に独立した当時のウクライナの人口は約5200万人だったが、2010年には約4500万人にまで減少している。

 

清掃員(リグビダートル)は約5000名が亡くなっている

リグビダートル

リグビダートル


リクビダートルの総数は60~80万人、そのうち1986年と1987年に作業にあたった約20万人が大きな被曝を受けたとされている。事故処理作業時の平均年齢は約35歳。
ウクライナ、ベラルーシ、ロシアそれぞれでリクビダートルの国家登録が行われている。

ロシアに住むリクビダートルのうち65905人(平均被曝量120ミリシーベルト)を対象に1991年から1998年までを追跡した結果によると、その間の死亡は4995件(7.6%)であった。

ベラルーシでのある調査によると、地元一般住民に比べて結腸癌や膀胱癌、甲状腺癌がはっきりと過剰に発生している。

 

 

→ 首相官邸ウェブサイト「チェルノブイリ事故との比較」
→ 魚拓(引用)

 

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