アトミック・ゲーマーたちの究極のメルトダウン・シミュレーション!:迫り来るチャイナシンドローム
12月 2nd, 2011 | Posted by in 3 利権・推進派・御用学者 | 3 官僚 | 3 東電 電力会社 原子力産業 | 3 隠蔽・情報操作と圧力 | 4 福島第一原発の状態 2011.12.2
11月30日の夕方に東電は福島原発のメルトダウンの状況を発表しましたが、その前に経産省が主催するメルトダウンのワークショップが開かれました。
ワークショップでは3つの組織がメルトダウンについてのシミュレーション結果の説明をしました。
どういうシミュレーション・コードを使ってるかというと、東電はマープで、原子力安全基盤機構はメルコアで、エネルギー総合工学研究所はサンプソンというのを使ってます。
シミュレーション結果は、最悪シナリオではどこもメルトダウンしてるということで、東電と原子力安全基盤機構は楽観シナリオも用意してて、それだとメルトダウンはしてないことになります。
エネルギー総合工学研究所は楽観シナリオは示していません。
メルトダウンしてるのは皆さんご承知ですから、それより溶融デブリがどこにあるかが気になりますよね。
マスコミが伝えているように1号機は最も格納容器の底の薄い部分(厚さ1.02m)に落ちた場合、格納容器底部のコンクリートを65cm浸食していて、あと37cm沈めば格納容器の外枠の鋼板に達してしまいます。
2号機と3号機はもっと余裕があるみたいです。
格納容器の外枠を突き破っても地中までには基礎マットコンクリートが7.6mあるので、まだ大丈夫ですけど、外枠を破ってしまうと、基礎マットコンクリートも浸食するでしょうね。
温度とガスの分析からはコンクリートを溶かすコア・コンクリート反応は起きていないと見られるので、浸食は止まったと東電は判断してるようです。
でも、エネルギー総合工学研究所のちょっとドクター中松に似た感じの内藤さんが、おかしなことを言うんですよね。
内藤さんが使ってるサンプソンは解析精度が高くて、ドイツやフランスでトップクラスの評価を受けたというプレゼンをした後に、解析が完全に終了しているわけではないので仮の値ですがと断っていましたが、1号機の溶融デブリは最大で2mコンクリートを浸食していると言うんですよね。
そうすると容器内で一番コンリートが薄いところに溶融デブリが落ちれば、格納容器の外枠を突き破って外部に出てしまっていることになります。
基礎マットコンクリートがありますけど、メルトアウトということで、チャイナシンドロームに一歩近づきます。
東電の原子炉温度が100℃を切ってるという計測結果とガス分析の結果では、コア・コンリート反応は起きていないと納得してもいいんですけど、溶融デブリがもう東電が計測する範囲の外に出てしまっていたら、計測結果も分析結果も意味が無いですよね。
それでは内藤さんの2m浸食が絶対正しいかといえば、そうでもなくて、まだ仮の値なんですよね。
たぶん永遠に仮の値でしょうけど。
何せデータが無いんです。水位と圧力の測定値は信用できないし、肝心のところではデータそのものが存在しないんですよね。
水位と圧力の正しいデータが無いのによくシミュレーションしますよね。どんなデータを入力してるのでしょうか? 捏ぞ、じゃなくて、推定した値を入れてるのでしょうね。
それと、溶融デブリが浸食してるというコンクリートの成分組成がわかっていません。これでは正しいコンクリートの融点がわかりませんよね。
東電の条件設定よりも、もしかしたら、もっと低い温度でコンクリートが溶けてしまうかもしれません。それだともっと深く浸食してます。
もちろん、この逆もあります。
こんなレベルの低いコンピュータ・ゲームみたいなシミュレーションなどやってないで、さっさと原子炉の中を覗けばいいんですよ。
目視は無理ですよ。超小型カメラが先端に付いたプローブを配管から挿入すればいいですよ。
でも、東電は難しいと答えるんですよね。
おかしいですよ。だって、温度はもう100℃を切っていて、この程度の熱なら耐えられるプローブくらい作れますよ。配管を通って炉内にプローブを伝える方法はいくらでもあるでしょう。
それに気になったのは、東電は、地震で配管が壊れたと疑われるような原子炉関係の損傷は一生懸命否定するんですよね。
圧力が下がっていたので、最初のマープ・シミュレーションで高圧注水系の配管からの漏えいで下がっていたとして解析したら、地震での配管破断を疑われたので、それはやめてミニマムフローが開いて熱を冷まして圧が下がったという条件設定にしたんですってさ。でも、ミニマムフローが開いたかどうかは確認してないって、いったい何でしょうね。
好き勝手にシミュレーションの条件を設定してますね。
こんなシミュレーション、本当にやる意味があるのですかね。
オンラインゲームの参加者は、自分らが有利になるようゲームの条件を変えるためにはアイテムを買わないといけませんが、この人たちはお金を貰って条件を変えてるんですよね。良い商売ですよ。
それでも、この人たちをゲーマーと認めましょう。
アトミック・ゲーマーたちの究極のメルトダウン・シミュレーション!:迫り来るチャイナシンドロームってとこですかね。
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