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コメ規制値超えに「検査体制の甘さ」

12月 2nd, 2011 | Posted by nanohana in 1 放射能汚染 | 1 食品 | 3 政府の方針と対応 | 3 首長、自治体

TBS 2011.12.1   4分


福島県でコメの安全宣言が出された後に、放射性セシウムの規制値を超えたコメが販売されていたことがわかり、消費者の信頼を大きく揺るがす事態となっています。なぜ、このようなことが起きたのでしょうか。専門家は原因の1つに「検査体制の甘さ」を指摘しています。

福島第一原発からおよそ25キロ、いわき市久之浜地区のコメ農家、遠藤眞也さんはコメを県の検査機関に9月下旬に提出する予定でした。しかし・・・。

「安全宣言とか組合で出荷したい時期があるので、『遠藤さんがもみずり(もみ殻とり)するまで待てない』と」(いわき市のコメ農家・遠藤眞也さん)

福島県は10月12日に安全宣言を出しましたが、これに間に合わないことなどを理由に、遠藤さんのコメの検査を断ったといいます。民間の検査機関が遠藤さんのコメを調べると、232ベクレルの放射性セシウムが検出されました。

「とりあえず検体だけが欲しいから作っているところから持ってくればいいのではなく、距離感をつめて(農家)1世帯に対して1検体くらいは調べてほしい」(いわき市のコメ農家・遠藤眞也さん)

福島県は検査を市町村単位ではなく、より細分化された旧市町村単位で行い、さらに、検査地点の数を国の指示の2倍、各旧市町村につき2か所に増やして実施してきました。しかし、その検査をすり抜け規制値を超えるコメが相次いで見つかり、一部が販売されたのです。

「本当に今回の事態については痛恨の極み」(福島県・佐藤雄平知事、30日)

「食べちゃっているというのが事実で、今妊娠で臨月で、ちょっとどうしたらいいかわからない」(福島県民)

福島県はこれまでの検査で、規制値未満であってもセシウムが検出されたすべての地域で販売農家の全戸調査を行うことを決めました。しかし、とれたコメの検査以前に、とるべき対策があるという専門家もいます。

福島大学・小山良太准教授。先月、チェルノブイリ原発事故の被災地・ベラルーシを訪れました。実はベラルーシでは、農地や山林の除染を行っていません。しかし一方で、農地を細かく分けて汚染状態を調べた地図があることを知りました。

「日本型の汚染地図作りを早急にやる必要がある」(農業・地域経済を研究 福島大学・小山良太准教授)

福島には農地専用の詳細な汚染地図がありません。今、国が作っているのは、2キロ四方のマスで分けた汚染地図だけです。そこで小山准教授は、福島県伊達市の一部の農地を細かく調べ、100メートル四方に区切って色分けした詳細な汚染地図を製作しました。

そこに、国が行っている2キロ四方のマスを当てはめると、放射線量が高いところと低いところが混在しているのがわかります。2キロ四方の汚染地図では、調査する場所によって、放射線量が高い水田も低い水田と扱われるおそれがあります。

「できたものだけ検査して出荷できる、できないという段階はもう終わったと思っている。なぜ(放射線量が)高くなるのか、作付けしていいのか、いけないの か。来年に向けて精度の高い分析をして地域の農家に提供していく必要がある」(農業・地域経済を研究 福島大学・小山良太准教授)

小山准教授は、地域の協力などがあれば、今年度中にも福島県全体の汚染地図作りは可能だと考えています。(01日16:42)

 

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