10月に佐藤雄平知事により「安全宣言」が出された福島県産の米。
しかし、そのご次々と引き揚げられた規制値を超える放射性セシウムが検出されている。
福島県の米についてのニュースを時系列に並べてみた。
佐藤 雄平福島県知事による安全宣言
福島県は12日、新米を対象にした放射性セシウムの本検査が終了し、県内1174地点すべての検体で国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を下回ったと発表した。これにより、作付け制限された避難区域を除く県内48市町村でコメの出荷が可能となり、佐藤雄平福島県知事は県産米の安全宣言を表明した。
同日夕、記者会見した佐藤知事は「福島県のコメの安全性が確保された。トップセールスで安全性とおいしさを強調したい」と述べ、県内農家に「自信を持って農産物を作ってほしい」と呼びかけた。
国のコメ検査は収穫前の予備検査と、収穫後に出荷の可否を判断する本検査の2段階で実施。本検査で規制値を超えた地点があれば、1950年時点の旧市町村単位で出荷停止となる仕組み。福島県では9月23日の予備検査で二本松市小浜地区の1地点から500ベクレルを検出。国が本検査重点調査区域の基準とした200ベクレルを超えたため、二本松市は全国で初めて同区域に指定され、本検査を当初予定の約40地点から288地点に増やした。
本検査の結果は1174地点中964地点(82.1%)で、機器の検出限界値(5~10ベクレル)以下。100ベクレル以上は7地点あり、出荷されるコメの最大値は、伊達市小国地区の1地点で検出された163ベクレルとなる。
一方、予備検査で500ベクレルを検出した二本松市小浜地区の地点では、今回も同じ水田で470ベクレルを検出。県はこの水田周辺の9アールで収穫されるコメを研究用として全量買い上げる。この水田は山あいにあり、県は「セシウムをよく吸着する粘土質ではなく砂が多かったため、セシウムが稲に吸い上げられやすかったのでは」とみる。農水省は「地形的な問題など複数の要因が絡んでいる可能性がある。できるだけ早く原因を確かめたい」としている。
福島市の米から規制値超え630ベクレルの放射性セシウム
安全宣言から1カ月が過ぎた11月16日、福島県は16日、福島市大波地区産のコシヒカリ(玄米)から国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウム630ベクレルを検出したと発表した。
福島の米を大量に消費している沖縄で安全アピール
11月28日には、福島県産の米を大量に消費している沖縄県において、福島県の松本友作副知事は28日、県庁で上原良幸副知事と会談し、福島県産米について「二重三重の検査をして安全性が確認されたものだけ出荷している」と安全性をPRした。
沖縄の安全PRの翌日に伊達市の米から規制値超えのセシウム
副知事が沖縄で福島県産の「二重三重の検査をして安全性が確認されたものだけ出荷している」と米の安全をPRした、その翌日の11月29日、国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)超えのコメが、福島県伊達市でも確認された。
自家用米を栽培する伊達市旧小国村の農業男性(62)は「隣の大波地区で(基準値超えのコメが)出たので、特定避難勧奨地点のある伊達市で出ないわけはないと思っていた。今更見つかるのは検査態勢に不備があったのでは」と心配そうな表情。同じく旧小国村の稲作農家の女性は「作付けが認められた後、近くの畑で高い放射線量が出たので不安だった。コメ全量を検査してほしい」と注文したということだ。
2重3重の検査の結果がこれである。
検査漏れで市場に出回った汚染米はどれだけの量になるのか、「安全宣言」とは程遠い事態が日々繰り返されている。
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