松本市の給食は「内部被ばくゼロ」 チェルノブイリ医療支援に携わった市長がんばる
6月 8th, 2011 | Posted by in 0 人気のある記事 | 1 体への影響と防御 | 1 子供たちを守ろう | 1 広島・長崎・チェルノブイリ 他 | 1 食品 | 3 首長、自治体放射性物質が体内に取り込まれる「内部被ばく」から子どもたちを守ろうと、独自の取り組みを進めているのが長野県松本市だ。市内にある公立校や保育園、幼稚園の給食に使われる食材を、「放射性物質ゼロ」に限定しているという。
市長は、チェルノブイリ原発事故後に現地で医療支援を行った経験から、内部被ばくの恐ろしさについて警鐘を鳴らし続けている人物だ。
コメや牛乳は100%地元産 松本市の給食は「内部被ばくゼロ」
原則は「地産地消」、県外産に「制限」
給食に使う野菜から放射性物質を徹底排除
「松本市の給食は『内部被ばくゼロ方針』」
インターネット上では、松本市の取り組みをこう表現する書き込みが見られる。市の学校給食課に聞くと、松本市の「方針」として掲げたわけでは ないようだ。ただし、「ゼロ、というのは少々大げさかもしれませんが」と前置きしたうえで、学校給食から放射性物質のリスクを取り除く「工夫」を始めたこ とは事実だと話す。
松本市では、給食センターが各校に給食を届けるケースが多いが、市では以前から、地元で採れた材料を給食に用いる「地産地消」を進めてきた。 最も優先して使うのは市内で採れた食材で、「コメや牛乳は百パーセント松本産です」と学校給食課では説明する。市のもので賄えない場合は長野県産を、それ でも無理な場合に限って県外産を利用するのだという。
だが福島第1原子力発電所の事故以降、県外の食材を使う場合に「制限」を設けた。農産物などから放射性物質が検出されたり、出荷制限が出されたりした地域を避けているのだ。
実際に対処例もある。ネギを使う献立で、茨城県産しか入手できないとなった際、産地の異なる別の野菜に変更して調理したのだ。福島第1原発の 事故後、茨城県産の野菜ではホウレンソウやパセリから暫定規制値を超える放射性物質が検出されたとして一時出荷制限が出され、後に解除されている。
学校給食課では、「生産者の立場を考えると、とても心苦しい。決して風評被害を広めるつもりはありません」と話す一方で、「生徒と保護者に とっての安心・安全を最優先に考えなければならないのです」と理解を求める。今回の措置は、年度が替わる2011年4月1日に、学校給食課から各給食セン ターに向けて年間方針の一環として指示したそうだ。
チェルノブイリ事故で医療支援に携わった市長
子どもたちの学校給食から放射性物質を徹底的に排除しようと する姿勢は、菅谷昭市長の経験と考えに基づいているようだ。菅谷市長は、チェルノブイリ原発事故で大きな被害を受けたベラルーシで5年間、甲状腺がんの治 療を中心に医療支援に携わった経歴をもつ。福島第1原発の事故後初めての記者会見となった2011年3月22日、ベラルーシでの医療行為の経験から内部被 ばくの恐ろしさについて話した。会見で、呼吸や皮膚、口から放射性物質を取り込まないよう再三にわたって警告を発した菅谷市長は、「生産者は本当に気の 毒」としたうえで、特に子供や妊産婦は放射性物質が検出された野菜や牛乳は摂取を控えるよう強く促した。「体に入ってからでは遅い」というわけだ。
菅谷市長は以後も、メディアを通じて内部被ばくを回避するよう訴えているが、市の職員に対しても「内部被ばく量はここまでなら大丈夫、という科学的データはない」と、その危険性を常々語っているという。
今回の給食の措置について、市側から大々的にピーアールしたわけではない。そのためか、地元住民からも「知らなかった」という声があがる。松 本市在住で小学5年生の娘を持つ男性もその1人だ。その理由として「もともと長野で採れる野菜や果物は多いので、給食の食材の産地もそこまで神経質になら なかった」と話す。
長野はレタスやセロリ、りんご、ぶどうなど生産量が全国1、2位を争うものも多い。実際に学校給食課は、「給食に使われる野菜は県内産が7割」と説明した。県内産の農産物からは、放射性物質は不検出が続いている。
またこの男性は、菅谷市長がチェルノブイリ原発事故の医療にかかわっていたことは、市民の間でよく知られているという。その道のエキスパートである市長が学校給食に配慮しているとなれば安心、との信頼感もあるようだ。
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NHK科学文化部
【チェルノブイリ医師の思い・菅谷医師の講演全文掲載です】チェルノブイリ原発事故後、甲状腺がんの子供の治療にあたった外科医の菅谷昭さんが、福島市の保育園でおこなった講演内容を全文掲載します。 http://bit.ly/kYzrtc
◇素朴な疑問▶「実は、私単なる外科の医者でございまして、研究者でもなんでもないし、放射線の専門家でもないことをお断りしておきます」と菅谷昭さん。
「空中に放出された放射性物質の量というのは、チェルノブイリというのは、ちょうど広島型の原発の原爆の、500倍か600倍といわれています。」と菅谷昭さん。
「今回の福島の場合は、その政府、東電の報告によりますと、量はその1つ下のオーダー、10分1くらいということでいきますと、空中に出ている量というのは、少ないということ。」とおっしゃる菅谷昭さん。原爆50倍か60倍は「少ない」ですか?【2011年5月19日記】
このサイトのコメント欄に、菅谷医師への疑問を投稿しました。iPhoneからだったためか、うまく反映されていないようです。
NHK科学文化部
【チェルノブイリ医師の思い・菅谷医師の講演全文掲載です】チェルノブイリ原発事故後、甲状腺がんの子供の治療にあたった外科医の菅谷昭さんが、福島市の保育園でおこなった講演内容を全文掲載します。
◇素朴な疑問▶「実は、私単なる外科の医者でございまして、研究者でもなんでもないし、放射線の専門家でもないことをお断りしておきます」と菅谷昭さん。
「空中に放出された放射性物質の量というのは、チェルノブイリというのは、ちょうど広島型の原発の原爆の、500倍か600倍といわれています。」と菅谷昭さん。
「今回の福島の場合は、その政府、東電の報告によりますと、量はその1つ下のオーダー、10分1くらいということでいきますと、空中に出ている量というのは、少ないということ。」とおっしゃる菅谷昭さん。原爆50倍か60倍は「少ない」ですか?【2011年5月19日記】
コメントありがとうございます。
ご指摘の疑問な発言はこちらでも確認してみます。
しかし、その内容と関わりなく、この、給食への取り組みはすばらしいものであり、全国の自治体に見習ってほしいお手本であることは揺るぎないと思います。