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原子力仕分け―まず脱原発を固めよ 朝日新聞 社説

11月 25th, 2011 | Posted by nanohana in 2 STOP 原発 | 3 今後の電力・原子力政策・行政 | 3 政府の方針と対応 | 4 他の原発全般 | 5 オピニオン

朝日新聞 社説 2011.11.23
 深く考える材料にしたいと思って傍聴した人にとっては、消化不良だっただろう。

 行政刷新会議による政策仕分け作業のトップを切って、20日におこなわれた原子力をめぐるやりとりのことだ。

 今回の仕分けは、個別の事業ではなく、中長期的な政策について選択肢を示す「提言型」と銘打った。だが、国会議員を含む仕分け人の指摘は断片的で、誤認や勉強不足としか思えない発言も目立った。

 たとえば、高速増殖炉「もんじゅ」をめぐる討議だ。

 成果の上がらない研究や運営する独立行政法人の不透明な税金の使い方を問題視するのは、当然だ。ただ、「新たな炉に改め、主体も民間企業など別組織に移管する」といった仕分け側の意見は、核燃料サイクルの全体像や、危険性の高い高速増殖炉そのものの問題点を踏まえない乱暴な指摘だった。

 原発が立地する自治体への交付金についても同様だ。原発事故があったからといって、地域振興目的だった使途を、いきなり「安全対策へ絞り込め」と主張するだけで、原発を受け入れてきた自治体が納得するだろうか。交付金問題の抜本的な解決にはつながらない。

 根幹となるエネルギー政策が定まる前に、つまみ食いのように仕分けするのは無理がある。まずは脱原発への道筋を確かなものにする必要がある。

 私たちは、原発を段階的にゼロにすることを提言し、もんじゅだけでなく核燃料サイクル計画からの撤退や、廃炉に向けた立地自治体と政府との話し合いを求めてきた。

 野田政権は、脱原発依存に向けた新たなエネルギー政策を、来夏までにまとめる方針だ。予定通り仕上げることに全力を尽くさなければならない。

 もちろん、仕分け作業が無駄だったわけではない。

 今回の議論で、もんじゅが初発電から20年近く事故続きでほとんど稼働していないのに、維持費だけで年間200億円かかっていることを知った人もいるだろう。交付金についても、財源は毎月の電気料金として徴収されている税金だ。

 公の場での議論が増えることは、原子力政策を「我がこと」としてとらえ直す、いい機会になる。

 仕分けの最後には、経済産業相や環境相、文部科学相らが出席し、エネルギー予算の大胆な組み替えを公言した。政権自らが設定した場での現職大臣の言及だ。口先で終わらないか。こちらも厳しく見守りたい。

朝日新聞 社説

 

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