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放射線測定の住民通報 自治体で対応温度差

10月 21st, 2011 | Posted by nanohana in 1 体への影響と防御 | 1 子供たちを守ろう | 1 放射能汚染 | 1 除染 | 3 政府の方針と対応 | 3 首長、自治体

東京新聞 2011.10.21
東京電力の福島第一原発事故後、都内でも局地的に高い放射線量が測定される「ホットスポット」が、住民グループなどの調査で見つかっているが、通報を受けた自治体の対応には温度差がある。明確な基準がないためで、国は対応のガイドラインを作成し、近く公表するという。

「これからも、住民からの通報で、疑わしいところがあれば調べる」

今月三日、民家脇で毎時二・七七マイクロシーベルト(一マイクロはミリの千分の一)の高い放射線量が測定された世田谷区。判明のきっかけが住民グループからの連絡だったこともあり、保坂展人区長は通報を積極的に活用する考えを示す。原因は原発事故とは無関係だったが、「事故の影響で高い地点もあり得る」として、協力の仕組みを検討している。

住民団体などの通報で自治体が動く事例はほかにも。足立区の東渕江小学校で同三・九九マイクロシーベルトが測定されたケースや、横浜市のマンション屋上での放射性ストロンチウムの検出は、いずれも住民からの連絡で、区市が調査や除染などに乗り出した。多摩市も通報を受けて十件ほど測定したという。

通報を受けて調査や除染に乗り出す基準のない自治体は多い。葛飾区は、区民の情報提供を参考にして十九日から道路の測定をはじめたが、「(除染は)基準が示されておらず、どの程度で行うか難しい」と、明確な方針は示していない。世田谷区も同じく基準はない。

基準があるのは豊島、足立、練馬区など。豊島区は同〇・二三マイクロシーベルト、足立区は東渕江小の事例を受け同一・〇〇マイクロシーベルトに設定した。他県では横浜市が同〇・五九マイクロシーベルトで、川崎市は同〇・一九マイクロシーベルト以上なら現場に駆け付けるといい、基準の差は大きい。

住民通報には原則対応しない自治体もある。市民が公道で同〇・五二マイクロシーベルトを測定した町田市は「全小学校などの測定を優先する」として通報に対応していない。

二十三区で唯一、独自の放射線量測定をしていない荒川区も「都などの空間線量の測定結果から、基本的に区内は安全と考えている」などとして、受け付けていない。ただ「国の統一的な方針が出れば、当然それに基づいて対応する」とも。

こうした自治体の現状を踏まえ、中川正春文部科学相は「自治体や市民団体を含めて、連携できるような仕組みをつくりたい」との考えを示している。文科省などは放射線量の測定方法や、除去などの対応が必要な数値の目安などをガイドラインとして示す予定だ。
東京新聞

 

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