産経新聞 【主張】 2011.10.16
福島県は、今年作付けしたすべての市町村で国の暫定基準値、1キロ当たり500ベクレルを下回ったとして、「安全宣言」を出した。それでもなお、農家の人々は「食べてもらえるだろうか」と不安を隠せないでいる。
幼い子供を抱えるなど、放射能に過敏にならざるを得ない人もいるだろう。強制する意図は毛頭ないが、可能な限り、皆で福島県産の米を食べよう。食べて少しでも被災地を支えたい。
被災地を、国民すべてで支えようという、東日本大震災直後の機運を、もう一度、思い返そう。
被災地の人々が不安に思うのも無理もない。彼らはこれまでも、さまざまな「風評被害」にさらされてきた。
京都市の「五山送り火」では、岩手県陸前高田市の国の名勝「高田松原」の松で作ったまきを燃やす計画が中止された。愛知県日進市では、福島県産の花火の打ち上げを中止した。
福岡市では、「不買運動を起こす」などの苦情メールにより、福島県産品の販売所「ふくしま応援ショップ」の出店が中止に追い込まれた。
社会人ラグビーでは横河電機の選手が試合中、釜石シーウェイブスの選手に「お前ら、震災で頭おかしくなったんちゃうか」と暴言を吐いて出場停止処分を受けた。処分の是非は別としても、悲しくなるではないか。
釜石の選手らは、自ら被災しながら、復興の先頭に立った。外国人選手も母国に帰ることなく、避難所などで力仕事を担った。あの感動を忘れてしまうには、早過ぎはしないか。
海外のメディアは大震災の直後、こぞって日本人の冷静さや、思いやりの素晴らしさを報じた。あれから7カ月が過ぎ、世界の賛辞にふさわしい国民でいられたと断言できるだろうか。
放射能という、目に見えない恐怖におののく気持ちは理解できる。だが、正しく恐れることが必要だ。慎重な検査を重ねて出された「安全宣言」を信じて、大いに福島県産米を食したい。
野田佳彦首相は就任時、「福島の復興なくして日本の復興なし」と語った。その思いを忘れることなく、福島県産米をはじめとする被災地の農産物の安全性の告知や流通の確保にも、リーダーシップを発揮すべきだ。
産経新聞
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こんにちは。
福島の支援をし コメや野菜を家族皆で食べている
竹本と申します。
よろしくお願いいたします。
いま、ごく一部の方 がマスコミの洗脳に載せられて
騒ぎ立てるために、
お店から東北や福島の農産物やコメが消えてしまったのは残念です。