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いわき市沿岸の動物性プランクトンから高濃度セシウム→魚→人間と生物濃縮で内部被曝の恐怖38

10月 17th, 2011 | Posted by nanohana in 1 放射能汚染 | 1 食品

livedoor BLOGS 2011年10月16日

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宮武嶺

東京海洋大学の研究グループは、東京電力福島第一原子力発電所から流れ出た放射性物質の影響を調べるため、今年7月、いわき市の沿岸から沖合およそ60キロまでを調査船で航海し、プランクトンなどを採取しました。

このうち、沿岸3キロ付近で採取した 動物性プランクトンを分析した結果、放射性セシウムが1キログラム当たり669ベクレルの高い濃度で検出されました。

当然、福島第1原発から流れ出た放射性物質がプランクトンに蓄積したものとみられています。


(PCBの例)

(出典:IAEA“Sediment Distribution Coefficients and Concentration Factors for Biota in the Marine Environment”
(水 性生物の放射性セシウムの濃縮係数。放射性物質はPCBなどより生物濃縮しにくいとしているが異論もある。今回の調査結果を見ると動物プランクトンが海水 のセシウムを40倍にしか濃縮しないとは言えないかもしれない。IAEAの計算を元にしても、人間では動物性プランクトンのさらに10倍になってもおかし くない)

動物性プランクトンは、さまざまな魚の餌になることから、研究グループでは、食物連鎖によって放射性物質の蓄積が進み、今後、スズキなど大型の魚で影響が本格化するおそれがあると指摘しています。

研究グループのリーダーを務める石丸隆教授は

「この海域では南向きの海流の影響で、原発から高い濃度の汚染水が継続して流れ込んだためにプランクトンの濃度が高くなったとみられてる。魚への影響がいつごろまで続くのかさらに詳しく調べる必要がある」

と話しています。

もともと、水産庁は海では放射性物質は希釈(薄まること)され、魚には溜まらないという立場で、魚については放射性物質の暫定基準値の定めさえしていませんでした。

ところが、福島原発事故以来、コウナゴなど高濃度の放射性ヨウ素が見つかる例が相次いで、暫定基準値を定めざるを得なくなりました。


(プランクトンの時点ですでに魚の「暫定」基準値さえ超えている)

放射性ヨウ素は半減期が8日間ですから、冷凍していれば問題は自然と減少すると言えます(新鮮な魚は食べるべきではないと言うことにもなってしまいますが)。

また、放射性物質などには生物学的半減期というものがあり、たとえばセシウム137なら、マイワシの場合、約50日で半分が体外に排出されるということは言えます。

しかし、セシウム137の半減期は30年、ストロンチウムは28年。

さらに、プランクトンの生物学的半減期なんてマイワシとは比較にならないくらい短いでしょうに、それでも1キログラム当たり600ベクレル以上とは物凄い値です。

そもそも、日本の海にどれだけの放射性物質が放出されてしまったかというと、3月の事故から6月までの話ですが
1 福島原発から大気中に放出されたセシウム137は、広島型原爆の168個分
2 そのうち海に落ちたセシウムが原爆112個分、海に放出されたセシウムと合わせると、広島型原爆の152個分
ということになります。


(海洋汚染について諸外国から巨額損害賠償請求訴訟を起こされてもおかしくない)

今も、福島原発から大気中に放射性物質が放出され続け、海に降下しています。

東電の発表でも、現在でも一日2億ベクレルの放射性物質が排出されています。

また、24時間、海に直接放射性物質が出続けるという事が続いています。いまだに福島原発の排水溝付近からは基準値の数倍のセシウムが検出されています。

さらに、放射性物質に限らずあることですが、生物濃縮という問題があります。

これは、最初に海水が汚染され、その海水の中に生きるプランクトンで放射性物質が濃縮され、さらにプランクトンを食べる小魚の中で濃縮され、さらにさらに小魚を食べる大型魚で濃縮され、さらにさらにさらにそれを食べる人間の中で。。。。という問題です。

確かに放射性物質には半減期や生物学的半減期がありますが、他方で放射性物質は新たに海に「供給」され、また、魚などの身体で濃縮され続けているのです。


海産生物と放射能―特に海産魚中の137Cs濃度に影響を与える要因について―
(財)海洋生物環境研究所(笠松不二男 氏) PDF資料 137Csはセシウム137のこと

放射性物質がひっきりなしに海に入ってくる上に、海底にはセシウムが溜まり続け、それを微生物が食べ。。。。。という生物濃縮も繰り返して起こるわけですから、魚の放射性物質の濃度が増え続けると言うことにもなりかねません。

それは、回り回って、生態系の頂点に「君臨」する人間にも最も大きなダメージを与えるのです。

原発と人間は共存できないのは明らかです。

参考

食物連鎖における放射性物質汚染:デイビッド・ウォルトナ=テーブス教授

水産物が摂取した放射性物質の行方


FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書)/広瀬 隆


 

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