中国新聞 2011.10.12
内部被曝(ひばく)防止に取り組む市民団体「繋(つな)がろう広島」は11日、広島県内在住の母親2人の母乳から微量の放射性物質が検出されたと発表した。東日本大震災後に東京から避難した1人と以前から県内に住む1人。測定に協力した広島大は「授乳には問題ない値」としている。
検査は10月上旬、震災後に関東地方から広島県内に避難してきた4人と、震災前から同県内に住む2人の計6人を対象に実施。それぞれ100ccの母乳を採り、同大大学院工学研究院の静間清教授が検出器で調べた。
その結果、いずれも30代の2人から微量の放射性セシウムを検出した。厚生労働省は、牛乳・乳製品の放射性セシウムの暫定規制値(1キログラム当たり200ベクレル)を母乳の指標とする。同団体は2人の意向で具体的数値を明らかにしていないが、厚労省の指標は大幅に下回っているという。
静間教授は「以前から県内に住む1人は食材からの摂取の可能性がある」とみて継続検査する。
同団体の三田拓代表は「行政には母乳や尿の検査態勢を整え、食品の放射線量の測定場所を設けるよう求めていく」としている。
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