(福島のモモ”風評被害”で半値以下に) 消費者から見放される汚染地域の農作物 行政は正面から問題に向き合うべき
9月 3rd, 2011 | Posted by in 1 放射能汚染 | 1 福島を救え | 1 食品 | 3 政府の方針と対応 | 3 隠蔽・情報操作と圧力 | 3 首長、自治体
福島のモモが”風評被害”で半値以下になっていると報道されています。福島産のモモは各種検査でセシウム汚染が多数検出されています。わずかなサンプル数ですが、汚染されていないものの方が少ないのはわかります。
ゆるゆるの暫定基準値越えはでていませんが、いくつかの検体では放射性廃棄物の基準値100ベクレルを越えており、消費者に敬遠されるのは当然のことだと思います。国は緩すぎて意味のない暫定基準値をもうけ、それを越えなければあたかも”汚染されていない”ように見せかけようとしていますが、消費者はそんなことでは安心できるはずもありません。信頼のおけない流通システム(自分が買ったものが汚染されているかどうかわからない。汚染の度合いも表示されない)が不安に拍車をかけてもいます。
実際に汚染されているのに”風評被害”という言い方はやめた方が良い。
”風評被害”という言葉は、何もしない行政の格好の隠れ蓑になっています。”風評被害”といっていれば、モモは売れるようになるでしょうか?農家はこの金額でやってゆけるのでしょうか?実際に検討しなくてはいけない課題が、棚上げにされ、責任も回避されています。
汚染された作物を作り続ける事は消費者にとっても生産者にとっても、良いことはありません。汚染された土地で生産を続け、基準値をゆるめて無理して売ろうとするようなビジネスモデルが、成り立つとは思えません。結局、このモモのように、消費者に敬遠され、価格が下がり、売れても引き合わないという事態に陥るのは、容易に想像が付くことです。結局、長い時間かけて農家の足腰は弱り、最終的に廃業せざるを得なくなる。今のままだと、そんな最悪の結末が待っているのではないでしょうか?
国や自治体はこうした問題に正面から向き合い、真に被災地の農家の助けになるような政策を実行するべきです。補償や汚染していない地域への移住など、考えるべきです。そういうことに取り組まずに、ただ汚染の実像が明らかになることをひたすら隠そうとしている行政が、心配で心配でしかたないのが”風評被害”。
この言葉を聞くたびに、何もせずに被災地の農家を見殺しにしている行政の姿が思い浮かんでなりません。
東京新聞 2011年9月3日
福島のモモ、半値以下に 東京、神奈川の卸売市場
8月10日、出荷ピークを迎えたモモの箱詰め作業をする女性=福島市飯坂町のJA新ふくしま |
生産量全国2位の福島県産モモの今年8月の平均卸売価格が1キログラム当たり195円と、昨年同期比で55%下落したことが3日、分かった。東京 電力福島第1原発事故による風評被害が最大の原因とみられる。大田市場など東京、神奈川の13市場の平均卸売価格を日本園芸農業協同組合連合会(日園連) が調べた。
日園連によると、13市場での福島県産モモの平均卸売価格は昨年8月は1キログラム当たり437円だった。市場での取扱量は今年8月は5640トンと、前年8月の2953トンから2倍近い。直売所や観光農園の売り上げ低迷で農家が市場流通を増やし、市場卸売価格低下に。
「風評被害が最大の原因」とありますが、下の検査結果から、これが風評ではないのは明か
自治体のモニタリング結果でも福島産では汚染されていないものは少ない。
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