健康も地域も崩れる 進まぬ内部被ばく検査「奇怪」
5月 24th, 2011 | Posted by in 1 体への影響と防御 | 1 放射能汚染 | 3 政府の方針と対応 | 3 隠蔽・情報操作と圧力統制「チェルノブイリ級」
原発問題で重要な記事を配信し続けている東京新聞の「こちら特報部」
フクシマの高汚染地域の情報を隠蔽し、放置し続ける政府の姿勢を批判、
チェルノブイリ級の情報統制だと報じています。
記事の中で、東京や首都圏の汚染は気にするレベルではないと出てきますが、これは疑問符です。東京新聞 こちら特報部 2011年5月24日 (火)
今中助教は、現時点では福島の汚染状況は超えてはいないとみる。だが、同助教は「少なくとも、事故当初の情報統制は『チェルノブイリ級』並みだった」と語 る。チェルノブイリ原発事故の初動対策はどうだったのか。東西冷戦下だっただけに原発事故はひた隠しにされた。旧ソ連政府は事故直後に周辺の5万人を 1200台のバスで避難させた。約一週間後には、30キロ圏内で強制的な避難を始めている。何万頭もの牛や豚も同時に運んだという。
グ ラスノスチ(情報公開政策)の機運とともに3年後の89年になってようやく、200キロや300キロ離れた飛び地にも高汚染地域が広がっていたことが明ら かになった。 そこでは住民が放射能汚染を知らされないままに放置されていた。そうした地域のひとつ、ウクライナに隣接するベラルーシではあらたに住民の 避難を決めたが、その基準は1平方メートルあたり55万5千ベクレル以上だった。 「旧ソ連の当初の基準は147万ベクレル以上で70歳までの生涯被ばく 量を350ミリシーベルトとしたものだが、年間5ミリシーベルトに当たり、あまりにも高いと批判が集まった」
文科省が今月発表した調査 では福島県内では計画的避難区域外でも、60万ベクレル以上の汚染地域が広がっている。 チェルノブイリ事故では、どんな健康被害が起こっているのか。今 中助教が現地で、子どもの甲状腺がんが増えていると90年ごろだった。 放射能汚染が発がんリスクを高めることは知られているものの、因果関係がはっきり しないことが多い。唯一、被ばくが原因とわかったのが、放射性ヨウ素による子どもの甲状腺がんだったという。
「2005年の段階で事故が原因の小児甲状腺がんが、約五千件も報告された。さらに一万〜二万五千件が、今後発症すると予測された」 いまは福島 県でチェルノブイリ級の”隠蔽”が健康被害を広げることを懸念する。「セシウムは土に沈着しやすい。事故直後にデータを速やかに公開し、すぐにアスファル トの表面を水で洗い流し、グラウンドの表土を削って、少しでも地域を除染する努力をすべきだった」 内部被ばくの検査がほぼ手付かずなことにも、いら立ち を隠せない。「奇々怪々で、理解できないことばかりですわ」
子どもや妊婦すぐに離れて
福島県と隣接する首都圏は、これからどう汚染と向き合うべきか。 「自然の放射線量の10倍あったら、居住に適さないと言える。子どもや妊婦はす ぐに離れるべきだと思う。ただ、東京や首都圏の汚染は気にするレベルではない」 「避難によって、心身が弱るような高齢者の場合は悩ましい。避難地域で あってもコンクリート建てで放射能を低減できるなら、役所機能だけは残した方がいい場合もあると思う。ひと言でどうしろとはいえない」
チェルノブイリ事故では、人々が先祖代々の暮らしを奪われる様子も垣間見た。”世界最悪”の事故を調べ続けた今中助教は、原発の実相をこう強調した。 「放射能汚染は、人々の健康を損ねるだけではない。地域が崩壊させられるんです」
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