現代ビジネス フライデー8月6日
「肉も魚も汚染された、米だけが大丈夫な道理はない」と、農家は嘆く。
いったいどうしたらよいのだ、この現実を—。
見渡す限り青々とした田園風景の中で、ササニシキやコシヒカリなどブランド米の産地として知られる宮城県栗原市の米農家、佐藤護さん(77)が言う。
「この時期ににわか雨がどっと降ると、一気に穂が出てくる。あと1ヵ月もすれば収穫が始まります」
少し早い実りの秋を控えているのに、佐藤さんの表情は晴れない。栗原市や同県登米市の稲わらから暫定基準値の2.7倍超のセシウムが検出され、畜産農家だけでなく、米農家までをも混乱の渦に巻き込んでいるからだ。
「この地域では汚染米の心配をしている農家は多い。特に稲わらの収穫が遅れ、春以降も田んぼに放置していた農家は戦々恐々としています」
登米市で畜産と稲作を営む伊藤貞幸さん(63)も、不安を隠せない。
「うちは60頭の黒毛和牛を飼っていますが、以前なら最上級のA5クラスの肉は1kg当たり2000円で売れたのに、今は1200円。A3クラスは 1kg1300円から、200円にまで値が落ちた。今は出荷を自粛していますが、肉だけならまだしも、米が気になる。(原発事故以降に)野外に放置してい た稲わらは牛の餌として使ったり、肥料のために田んぼに鋤き込んでいるので、『稲が(セシウムを)吸い上げてしまうのではないか』と不安に感じている農家 が多いんです」 ・・・
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