朝日新聞 2011年6月25日5時0分
放射能除去の工夫あれこれ
放射性物質の影響を心配する人が家庭でできる対策について、日本放射線安全管理学会が24日発表した。水や野菜、土壌が放射能で汚染された場合、どんな方法なら効率よく除去できるのか。科学的根拠に基づく「工夫あれこれ」が紹介された。
放射能への対策では、科学的根拠のない情報もネット上などで広がっている。同学会は「水」「被服」など七つの作業班を設け、対策の効果を調べている。
水については、ヨウ素131やセシウム137などに汚染された雨水をポット型浄水器で除去できるか、複数のメーカーで調べた。その結果、1回の濾過(ろ か)でもヨウ素は70~98%、セシウムは84~93%除去できた。一方、電気ポットのカルキ抜きでは、ヨウ素が17%濃縮されてしまった。
セシウム137が高濃度(1グラムあたり68ベクレル)に付着した原発作業員の靴下は1回の洗濯で75%、3回で85%除去できた。洗濯後、洗濯槽内やすすぎ水から放射線は確認されなかった。
庭や家庭菜園などの土壌の放射線量は、厚さ2センチの土をかぶせると、地表1センチの線量を68%、10センチの土なら93%下げることができた。一 方、ホウレンソウは水洗いでは半分程度しか除去できず、塩ゆでしても変わらなかった。アスコルビン酸(ビタミンC)などの還元剤に浸すと除去率は上がった が、鮮度や味は落ちた。
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