2012年5月23日の読売新聞が伝えたところによると、今後の原子力政策を検討する内閣原子力委員会の新大綱策定会議が5月23日開かれ、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」の研究開発の進め方について、文部科学省が中止(廃炉)を含めた四つの考え方を示したということである。
原子力委の小委員会が5月16日、使用済み核燃料の処理方法について
〈1〉すべて再処理
〈2〉再処理と、地中に埋める直接処分の併存
〈3〉すべて直接処分
という選択肢を提示。文科省はこれらの選択肢に対応した考え方をまとめた。
選択肢〈1〉のうち2030年以降も原発を一定程度運転する場合は、もんじゅの運転再開後10年以内に高速増殖炉の技術確立を目指す。選択肢〈1〉のうち30年以降原発比率を減らす場合と、選択肢〈2〉の場合は、高速増殖炉の実用化の可否を判断するための研究開発を行う。
一方、選択肢〈3〉の場合は、実用化に向けた研究開発を中止し、原発全廃ならもんじゅを廃炉とする。全廃しないなら、もんじゅは国際研究拠点として活用を検討するということである。
元来の日本の原子力政策は、「高速増殖炉」「再処理工場」「最終処分場」の3つがセットで成立するものであるが、高速増殖炉が実験炉の段階で事故を繰り返し商用稼働が出来ず、仕方なく「プルサーマル」と「MOX燃料」いう付け焼刃のリサイクルもどきで茶を濁していた状態が続いていたが、これは燃料再利用と呼べるほどのリサイクルには至らない。
すねの傷であった「高速増殖炉もんじゅ」。
これからの展開が注目である。
→ 核燃料サイクルは破綻している / 日経ビジネスオンライン
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