東京新聞 6月17日
福島第一原発の事故で、文部科学省は十六日、原発から半径百~百二十キロ圏内を対象に地表の放射性セシウムの蓄積量をヘリコプターから測定した土壌汚染地図を公表した。
福島県に隣接する栃木県や茨城県の北部で一平方メートルあたり一〇万~三〇万ベクレル蓄積しており、放射能汚染が首都圏にも及んでいることが浮き彫りになった。
原発から八十キロ圏内の地図は既に公表済みだが、五月十八~二十六日にかけて八十キロ以遠を対象に、放射線計測器を搭載したヘリで調査。セシウムの減衰を考慮し、八十キロ圏内を含めて二十六日時点の値に換算した。
セシウム134、137の合計蓄積量が福島県外で一〇万~三〇万ベクレルとなったのは、栃木県那須町や那須塩原市、茨城県北茨城市など。筑波大のグループが先にまとめた土壌汚染地図での傾向とほぼ一致している。
チェルノブイリ原発事故では、セシウム137が五五・五万ベクレル以上の地域が強制移住の対象となった。
古川路明・名古屋大名誉教授(放射化学)は首都圏への広がりについて、「比較的高い値だが、あわてて対応する必要があるレベルではないとみられる。健康影響に直接つながる空気中の放射線量の推移をみていくことが重要だ」と話す。
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