2012.1.28
【パリ小倉孝保】フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)のジャック・ルプサール所長は27日、パリの同研究所で一部の日本メディアとのインタビューに応じ、東京電力福島第1原発事故後の野田佳彦首相による「冷温停止状態」宣言(昨年12月16日)について、「政治的ジェスチャーであり、技術的には正しい表現ではない」と語った。
ルプサール所長は、「(野田首相は)日本人を安心させるため、重要な進捗(しんちょく)があったと伝えたかったのだろう」と述べたうえ、「正しい表現ではない。専門家はわかっている」とした。「冷温停止状態」と言えない理由について、原子炉が破壊されたままで通常の冷温装置も利用できていないことをあげ、「問題は残ったままだ」とした。
また、所長は除染作業について、「これまでにどの国も直面したことのないほど困難な作業」としながら、「除染のために必要な詳しい汚染地図がまだ作製されていない」と述べ、福島での除染作業が遅れているとの考えを示した。
さらに所長は、「(旧ソ連の)チェルノブイリ原発事故の教訓から、フランスは土壌の放射能汚染への対応の準備を完了していたが、日本は見習い作業中だったようだ」と語り、フランスならもっと早く除染を進めることができたとの考えを示した。
一方、所長は「困難な状況に直面しても日本なら新しい技術を開発するだろう」と語り、日本が技術力で状況を克服することに期待を示し、「日本の経験を他国の原発リスク管理に役立てるべきだ」と情報共有の必要性を強調した。
この研究所は、フランス政府が2001年、原発リスクの予測や、事故の場合の住民や原発労働者の保護などを目的に設立した研究者の組織。福島事故直後には日本に住むフランス人の保護などのため専門家を派遣した。
毎日新聞 2012年1月28日 12時43分
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野田総理は福島原発を自分の目で確認し、自分の身体に放射能を感じて現状を認識すべきである。今現在も進行中の原発事故を制圧することは、日本の総理大臣にとって一番重要で緊急を要することだ。東電には放射能汚染の拡大を防ぐ能力も意志もない。事故以来10ヶ月が過ぎたが原子炉からの放射能はたれ流しで何の防御網もない。汚染水は原発構内から溢れそうである。このまま知らん顔で東電に任せておけば世界4大漁場の三陸沖の海は放射能で汚染されてしまう。昔から日本人を支え続けてきた海の幸が消えてしまう。
避難の補償費用を惜しんで被災者に被曝を強いるのは人間としてやるべきでない。日本の総理としてこの災害から日本国民を守れないなら、すぐに交代するべきだ。日本には、そんなに時間は残されていない。