産経新聞 2012.1.26
東京電力福島第1原発事故で福島県産のコメから相次いで放射性セシウムが検出された問題で、平成24年産のコメの作付けについて検討していた「JA福島中央会」(庄條徳一会長)は26日、福島市で合同理事会を開き、昨年産のコメで1キロ当たり100~500ベクレルの放射性セシウムが検出された地域は、除染などを条件に作付けを認めるなどとする方針をまとめた。同会はこの方針を地元の要望として国と調整を進める。
方針は、(1)500ベクレル超のコメが検出された地域は作付けを制限する(2)100~500ベクレルのコメが検出された地域の中で、100ベクレル以上のコメの検出点数が少ないなど検出リスクが小さい地域は、除染などを条件に作付けを認める-とした。
ただ、(2)のうちでも地形的要因で除染が困難な地域は作付けを制限するほか、昨年に作付けをしなかった地域は検査ができないため、24年産米の作付けを見合わせる-としている。作付けを認める地域の詳細は「国と県が現在実施している全袋調査の結果が出てから総合的に判断する」とし、明言は避けた。
また、24年産のコメは全袋を検査し、少しでも放射性物質が検出されたコメは出荷せず、消費者の安心安全の確保を図るという。
庄條会長は「農業者の生きがいという観点も踏まえ、できるだけ多くの方が作付けできるような方針にした」と説明した。
福島県のコメ作付けをめぐっては、農林水産省が昨年末、国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された地域で制限する方針を公表。今年4月から適用される新しい基準値(同100ベクレル)を超えた地域は、県や生産者側の意見を踏まえた上で作付けの可否を検討するとしている。
この記事は 産経新聞
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