東京新聞 2012.1.23
首都圏唯一の商業用原発である日本原子力発電(原電)東海第二原発を抱える茨城県東海村の村議選(定数二〇)が二十二日投開票され、「脱原発」を掲げる村上達也村長を支持する議員が改選前より一人増え、計八人となった。原子力関連施設が集中する「原子力の村」で今後、原発の存廃をめぐる議論が本格化するとみられる。
改選前は、原発推進派が過半数を占め、「脱原発」派は七人ほどだった。村議選には定数より一人多い二十一人が立候補。原発推進派とみられる候補の多くは、福島第一原発事故による投票への影響を考慮して、再稼働や推進の態度を明確にせず、争点がぼやけた。投票率は59・52%と前回(67・0%)より大きく下がり、過去最低だった。
東海村には東海第二原発を含む原子力関連施設が十一ある。東海第二原発について村上村長は昨年十月、稼働から三十三年が経過したことや、三十キロ圏内に約九十四万人が暮らしていることなどを理由に、国に「廃炉」を提案している。
原発の再稼働には事実上、立地自治体の同意が必要だが、議会の議決までは求めていない。今後、村長の意向に議会が反発し村政が紛糾すれば、再稼働の是非を問う住民投票を求める声が上がる可能性もある。
当選者の内訳は現職十五人、新人五人。党派別では民主一人、公明と共産が各二人、無所属十五人。当日有権者数は二万九千七百二十三人。
この記事は 東京新聞
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