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講演「被曝をどう避けるか」要旨

1月 5th, 2012 | Posted by nanohana in 1 体への影響と防御

2012.1.2

「被曝をどう避けるか」  講演資料
講師:岡山 博、
仙台赤十字病院呼吸器科、東北大学臨床教授
主催:放射線被曝から子どもを守る会
日時:2011年12月17日
ところ:仙台市医師会館ホール

以下は、講演会「被曝をどう避けるか」講演の主なスライドをまとめたものです。

被曝をどう避けるか
l 放射線と身体への影響についてお話します。
l 医学知識を知ると深く理解できるが、知らなくても、大丈夫。
l 被曝を避ける事と、医学的知識は別の話です。
l 同じ知識を持っていても「放射線を避けるな」と言う人も「避けろ」と言う人もいます
l 学ぶと言うことは、鵜呑みにする事ではなく、本当にそうかと自分で考え、判断すること
l 被曝をどう考えるか、避けるためにどうするかを議論しましょう。
l 講演途中でも、質問や意見、歓迎します。


1. 放射線とは何か
2. 汚染の状況
3. 被曝と生体への影響
4. 被曝を避けるために
・議論
・被曝の危険性はどの程度か
・被曝の避け方
家庭が、社会ができること
・環境除染した放射能をどうするか
・農漁業者を守るには?
・心配するなという専門家の意見?
など 何でも


I, 放射線・放射能とは何か

放射線の作用
紫外線に似ている。いろいろな物質(分子)を変性させる。
例えば
l 印刷されたインクの色があせる
l プラスチックなどぼろぼろになる
l 生体内でも蛋白やDNAやいろいろな物質が変性する。
l 細胞障害ややけど(急性・短期的傷害)
l 老化、癌、生殖機能、先天異常を増やす(長期的傷害)

放射線の作用
l アルファ線、ベータ線、ガンマ線
放射性物質から出る。
放射性物質の種類で
l どの放射線が出るか、
l いつまで出し続けるかは
原子によって決まっている。

放射線を出す性質は分子ではなく原子の性質。だから
微生物や化学反応でなくしたり減らすことはできない。
放射性元素の性質で時間とともに減少するのを待つだけ(半減期)
除線は、放射能を移動させることしかできない。

放射線の種類
放射性物質から出るエネルギー。
高熱を出し続ける鉄球と考えるとわかりやすい
・α線:陽子2個と中性子2個の粒
・β線:もっと小さな電子1個の粒
・γ線:紫外線の続き(電磁波)

原発のしくみ
U235+n→U236→A+B+2~3n
・ウランの原子核に中性子が衝突すると、
衝突の仕方で何種類もの大きさの2つの原子核と2~3個の中性子に分裂する
・ウランの量と密度が高いと、連鎖反応してごく短時間で爆発、少ないと中性子が核に衝突せず、すり抜けて、反応は停止する。この中間の微妙なところで反応させて熱を取り出す
・火薬を使って水を沸かすことと似ている。多いと爆発、少ないと反応停止し、中間は難しい。
・核分裂で約100種の放射性物質が作られ
・1億倍の放射線と熱が出る
・原子の種類で、アルファ、ベータ、ガンマ線を、いつまで出し続けるかが決まっている。

放射線核種
名称      記号   半減期  放射線の種類
ヨウ素-131     131I    8日    ベータ線、ガンマ線
セシウム-137    137Cs   30年    ベータ線、ガンマ線
ストロンチウム-90  90Sr   29年    ベータ線
プルトニウム-239   239PU   2万4千年  アルファ線
カリウム-40      40K  13億年   ベータ線、ガンマ線

放射性ヨウ素とセシウム137はアルファ線を出さない
アルファ線を出すものはラジウム、ウラン、プルトニウム

II. 放射能汚染の状況

爆発後初期~3月末
l 膨大な放射能ほこり。風に乗って散らばった。
l 大きなほこりはゆっくり地面に落ち、小さなほこりは空中に浮遊、世界に拡散。雨や雪が降ると、放射能ほこりはまとまって落下した
l 呼吸で吸い込み、食物として摂取し、被曝してしまった。
l 最も多かったのは、ヨウ素。
今は3月末比で 1/100万以下に減少。
甲状腺癌の原因。
癌は確認できる5mm以上に育つまで、癌になってから早いものでも5年以上かかる。
l セシウム、ストロンチウムなども拡散

この時期に行うべきだった被曝対策
l 高度汚染の可能性がある地域からの避難
l 被災者に安全な水、食料を届ける。汚染飲食禁止
l ヨウ素剤服用
l 避難しない人への指導
・ 汚染食品飲食制限
・ 外出・外気ほこりを避ける。マスク。
・ 体についた放射能を流す。シャワー
・ 家にほこりを持ち込まない。

外国大使館、東電、国内大企業、マスコミが行った自己防衛対策(正しい)
l 東電、東北電力は社員家族を福島から緊急避難指示
l 多くの大使館は、自国民の日本からの退去や
関西への避難、汚染食品回避を指示
l 震災、原発対策のために宮城県沖に出動したアメリカ空母は、放射能汚染を避けるためすぐに、宮城県沖から撤退
l 多くの大企業は本社機能を東京から大阪に移転
l 震災報道のため、仙台に拠点を作ったCNN(米)とBBC(英)放送は、すぐに拠点を山形と秋田に避難
l 国内大手マスコミ記者は、原発50km以内から撤退。

政府や自治体、東電が実際に行った事
l 東電、東北電力、政府は、震災当日に、7時間半後の原発爆発と、その後の大爆発、深刻な放射能汚染を予測していた。
l 東電や東北電力は社員と家族を、緊急に福島から避難させた。社員家族から連絡されて、福島県から避難できた一般住民も多い。
l 一般住民には知らせなかった。
l 政府とマスコミは「汚染はわずかだ、危険は無い。落ち着け、あわてるな、家に留まれ」と避難を抑制。危険性を指摘する発現は「不安を煽る」として発言や報道を抑圧した。
l その結果、沢山の人が被曝した
・被曝回避の機会を失った。
・子どもを雪であそばせた。
・マスクもしなかった。
・汚染された地域や自家栽培の野菜を食べさせた。
・ヨウ素剤を服ませなかった
・汚染を心配する人を異常者扱い。自由に物言えぬ社会。
その裏で電力会社・大企業、マスコミは
危険を知り、社員避難や会社機能の大阪へ移転など正しい対策をとっていた!

原子炉事故の破局的進行や、高度被曝が10%の可能性で予想される時
・「重大な被曝を受ける可能性がある」と
対策や避難を進めるべきだが
・「高度被曝の可能性は低い。落ち着くように」と
説明し、避難や対策を遅らせ、抑制した

オバマ大統領は、ハリケーンの時、
「判断を遅らせて被害を増やすな、
すぐ決断し避難せよ」と住民に呼びかけ、指揮した

最悪の被害を確認してから行うのは、
危険対策ではなく、判断責任回避し住民に被害拡大

汚染状況、汚染予測を知らせなかった
・汚染を過小評価する解説を氾濫させた
・日本気象庁の発表データを使って、ドイツ、スイス、オーストリア、台湾などの
気象庁が日本の放射線汚染予測図を毎日時間を追って発表。
日本人のために、日本語の発表も

・日本政府と気象庁は緊急時のために作った放射線汚染予測を公開しなかった

外国の反応など
l ウクライナ医学アカデミーロガノフスキー氏「チェルノブイリでの経験がある。協力できると日本大使館に出向いたが門前払いされた」
l ドイツ救援チーム3月14日、急きょ帰国した。「日本政府は事実を隠蔽し、過小評価している。」と早期帰国の理由を語った。
l ドイツ首相も「日本からの情報は矛盾している」と繰り返した。(2011年3月16日 読売新聞)
l 被災地のために外国から、緊急供与された放射能測定器40000個が、羽田空港倉庫に保管されたまま、配布されなかった
l 「子どもたちを20mSvの放射能にさらすのを、今すぐやめてください」在フランス日本大使、仏市民団体「原発をやめる会」他からの抗議の手紙受け取りを拒否(8月31日)
l 安全だと強弁して事故を起こした責任者が今も、原発事故処理を仕切っている
l 原発事故の危険性を主張し、事故時の対策を研究・要求してきた国内の専門家は今も排除したまま
l
現在の大気の汚染状況
l 3月爆発後、空中に拡散した放射能粒子は地面に降下するか世界中に拡散した
l 当初と比べ、ずっと少なくなった。しかし
l 今も事故原子炉と原発から放射能が拡散している。
l 原子炉周辺のがれきや地面に落ちた放射能ほこりが乾いて風で舞うこともある。
l 普通の状態であればマスクの価値は下がった

現在の地表の汚染状況)
地表に落ちた放射能
l 雨水で流れ、乾いたところに残る。
l 水がたまって乾いた所のごみや枯れ草に吸着している。雨が降るたびに少しずつ解けて流れ、地面にしみこんでいる。
l 土にしみこんだセシウムの一部を植物は吸い上げる。葉についた、ほこりや雨の中のセシウムの一部は直接吸収される。
l 水道水の汚染はおそらく少ない

現在の海の汚染状況
汚染水を大量に海に放出している
l 海水・海底・ヘドロと、海草・魚が汚染され続けている。
・ヨウ素:80日で 1/ 1000 160日で1/100万に
減る。海草に蓄積。甲状腺に集まる
・セシウム:魚や貝の肉。水に溶ける。
福島海底ヘドロから大量セシウム
・ストロンチウム: ほとんど未測定。
海底、魚の骨に蓄積。食べると骨にたまる。
l 時間とともに全国に拡散拡大する。
・日本周囲太平洋は注意

現在の地表汚染状況と食物
l ヨウ素:大量に放出されたが、放射能はなくなっている
l セシウム:大気中セシウムは葉からも吸収された。土やホットスポットのごみ、枯れ草に付着。土中セシウムは植物に吸収される。何十年も続く。海や沼のセシウムは植物や虫、魚に吸収される。
l ストロンチウム:汚染された植物や飼料を食べて、動物に吸収され、骨に蓄積され放射線を出し続ける。牛乳や小魚など骨に注意

今は、何から被曝するか
l 空気中に浮遊する放射能ほこりは少ない。
l 環境放射線は地面に積もった放射能ほこりからのセシウム、ストロンチウム。放射能ごみをなめたり、ほこりが舞い上がると吸入し内部被曝の原因になる。外部被曝もある。除染
l 放射能や毒物被害を避ける方法は、毒を避けることが基本。毒を採った上でどう減らすかではない。
l 食物中のセシウムと、ストロンチウムが重要。

放射線規制
放射線暫定規制値
厚生労働省  3月29日に緊急とりまとめ
・放射性ヨウ素:年間2mSv(甲状腺等価線量としては年間50mSv)
・放射性セシウム:年間5mSv
という実効線量が安全とした

食品放射能暫定基準
暫定基準とは
・緊急事態で、水や食物が手に入らない時、「害を承知で、食べるのもやむをえない」制限
・食べ物が無くてもこれ以上は、食べてはいけない上限。安全な基準ではない。
・飲み物の暫定基準は:海洋投棄を禁止されている原発からの汚染廃水より高い

現在の暫定基準はヨーロッパの緊急時規制値とほぼ同じ
おかしいのは
・汚染地域に、汚染されていない飲食物を緊急に供給しない
・原発爆発直後のまま、緊急事態として続けている
・有害だが緊急時には一時やむをえない値を「安全」という
・被曝を避けるのではなく拡散・拡大させる姿勢と政策。
・汚染されていない地域にも、汚染食品を意図して拡散

食品放射能測定
l 国や自治体が食品放射能を測定した。
l 農作物はよく洗い、魚は頭と内臓を取ってから測定するように指示
l 暫定基準以上の作物が出たら一時出荷停止にし、なるべく早く解除した。暫定基準以下は安全と宣言
l 同じ地域の、測定しなかった畑の作物や、別の種類の作物は出荷停止しない。
l 給食など「勝手に」測定することを実質的に禁止した。
l 汚染の危険を指摘する発言や行動を抑圧
l 危険性を話題にすることを「風評」と嘘扱い

食品衛生法
l 第6条 有毒な疑いがある食品は、販売、製造してはならない。
l ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。

文部科学省は
「市場に流通している食品は、安全という前提。
給食に限って何かをすることは考えていない」

食物や環境放射能の基準
許容量:法律で決まっている
l 許容基準を定める目的は; 被曝と被害を少なくするため(世界各国、国際機関、日本の法律全て) 。
l 緊急時暫定基準: 安全な水や食料がない緊急時に、害を承知でやむを得ず許容する量。緊急時でもそれ以上は摂ってはいけない。安全を意味しない。
l 鉛や水銀、農薬などの毒物規制は、毒を摂取させないための基準。有害とわかっている量よりはるかに低量で規制=安全管理の原則

ドイツ放射線防護協会
l 「放射線汚染された食品やゴミを汚染されていないものと混ぜて『安全である』として通用させることを禁止する国際的な合意がある。日本の官庁は希釈禁止に抵触している」(2011年11月)

電離放射線障害防止規則
l 「放射性物質」とは、40Bq/cm2を超えるもの
l 汚染した場合、標識し
・1mで0.01ミリシーベルト毎時以下、
・4Bq/cm2 (約400Bq/kgの土、100Bq/kg枯草)
以下、になるまで除去
l 第29条 清掃を行なうときは、じんあいの飛散しない方法で。
l 第33条 貯蔵はかぎ閉鎖の貯蔵施設
l 第35条 焼却は、気体がもれるおそれ、灰が飛散するおそれのない構造の焼却炉

暫定基準値は、法律違反
『放射線障害防止法、3条』;一般人の許容放射線量は年間1ミリシーベルト以下とする。

放射能の単位
l ベクレル:1秒間に放出される放射線の回数
l シーベルト(旧 REM):
さまざまな仮定・推測をして計算した体に与える影響の大きさの値
実効線量、性質の異なる危険性を、無理に同じ単位で表す
換算法: 核種に対する実効線量係数をかける
例)100 Bqのヨウ素131を1回、経口摂取
実効線量係数0.022 (成人)をかける。
100 Bq× 0.022= 2.2 μSv

セシウムを毎日摂取した時の計算
1年あたりミリシーベルト
=(1日に食べるBq)×(365日)×0.0073
毎日100Bq 食べると 1年で約1ミリシーベルト*
=100Bq×0.0073=0.73ミリシーベルト

60kg の成人が毎日食べ続けて平衡状態に達した時の
体内セシウム放射能
凡そ(1日に食べるBq)x約100
毎日100Bq 食べると約1年で
=10000Bq に落ち着く (Kは60kg 成人で4000Bq)

III. 放射線被曝と生体への影響

内部被曝の経路
l 呼吸: 放射性の微粒子や気体を吸い込む
l 飲食物: 放射性物質が付着した飲食物を摂取する
l 皮膚や傷口から吸収

内部被曝の危険性
l 放射線源からの距離が近い
1cm では 10m の100万倍被曝する
l 体内に、長期間残る
l 同じ部位の細胞が繰り返し被曝する
蛋白や遺伝子変異、炎症を起こす
老化、骨髄機能抑制(感染、出血、貧血)
癌、先天異常、遺伝的障害

放射線核種による生体影響の違い
l ヨウ素
甲状腺に集まる →甲状腺腫・甲状腺癌
半減期 8日
l セシウム
細胞内の水に多く溶けて分布→さまざまの癌
半減期 30年、 生物学的半減期 1~2ヶ月
l ストロンチウム
カルシウムに似て骨に分布
→白血病・リンパ腫
半減期 29年。Cs137出れば、Sr90存在

被曝の身体への影響、特にDNA損傷と癌について
癌とは何か
l 正常の細胞は
常に必要なだけ、新しい細胞が増殖し、古い細胞が静かに自ら死んでいく(皮膚では、ふけや垢になる)
l 細胞が死ななくなって細胞の数が増え続けるのが癌

癌のでき方
l 1人の人では、どの細胞もまったく同じ遺伝子を持ち、変化しない
l ①細胞増殖を始める、②止める
③自殺させる、    ④間違ったDNAの修復
に関係した数十個の遺伝子がある
l 1個の細胞内で、これらの遺伝子が3~4個が、間違って異常DNAに変わると、増殖が止まらない、自分で壊れない癌細胞になる

遺伝子に対する、確率的傷害作用
l 多くの毒物は
毒の量が多いほど障害の程度が強くなる
微量では生体に影響は無い

l 放射線被曝による長期障害は遺伝子(DNA)変異
被曝線量が増えると確率的に傷害の頻度が増える.
被曝線量が減ると傷害の頻度が減るだけ

20ミリシーベルトの被曝で1000人に1人が癌で死亡する.
同量の放射能を1000人で分けても10万人で分けても1人が癌で死亡

ベラルーシ甲状腺癌を、どう評価するか
15歳以下  7人 → 407人  58倍
55~64歳  54 人→ 326人  6倍

「50倍に増えるほど危険だ」と考えるか
「わずか1万人に数人増えただけだから気にするな」と考えるか
放射線専門医が専門家として判断し、その結論で国民を教育する問題か?

甲状腺癌は少ない癌だから少し増えてもわかった。
わかるまでに20年かかった。
放射線被曝とは関係なく、10万人に270人死亡する肺癌などでは、被曝で少し増えても証明できない

(参考)
日本の年間死亡数
114万人
907人/10万人

日本の癌死亡
34万人/年
273人/10万人
全死亡の30%

日本の肺癌死亡
65000人/年
男70歳~
500人/10万人

イギリス核再処理工場 周囲の白血病増加
「他にも多い地域があるので放射能の影響とはいえない」という反論

1950~89年に乳がんが2倍以上になった地区(郡)
アメリカ
ほとんどが原子力施設160km以内

原発周辺で小児白血病が増加
ドイツ政府の大規模調査 2007 で確定
放射線かどうかは未検討

IV. 被曝を避けるために
食品からの被曝を避けるために

l 摂取した放射能の害を減らすことよりも、
摂取しないことが基本
l 汚染食品を避ける
l 汚染可能性ある地域のものは、
計測された値を知り、自分で評価する
判断を他人に任せない

汚染食品の考え方
1) 「暫定基準以下だから安全」は誤り
2) 「安全安心を示すための測定」はあてにならない
低そうなものを選んで測定している
高く出たら隠す、過小評価する傾向
全体の傾向を意味しない
3) 「汚染を発見して、流通や摂取を避ける」目的の測定が必要
4) 現状では、安全確認できないものを避ける
5) 「安全か?」と他人に評価まで頼るのはやめ、測定値を知って、自分で判断する

食品による内部被曝の避け方
家庭でできること
1.汚染食品を避ける
2.食べる量を減らす。特に過食傾向の人
3.調理法
4.排泄を促す(過剰に重視すべきではない)

放射線元素による違い
l ヨウ素
半減期が短いので、今はなくなっている
l ストロンチウム
ほとんど測定していない
吸収されると、骨に固まって、いつまでも残る。
とにかく避ける。汚染牛乳、小魚、魚の骨
調理法で解決できない
l セシウム  現在最も多い。これは工夫できる

汚染食品の避け方
1) 安全と確認できない食品を避ける
・ 汚染地域の農作物
・ 日本周囲太平洋の海産物
・ 「国産」と言う表示など産地表示があいまいなもの。
・ 国産の加工食品。産地ではなく、加工所を表示している
・ 外食

2)  「安全か?」と他人に頼るのは止め、
測定値を知って、自分で評価する

食品の選び方
・誰に従って安全と思うのではなく、
・放射線の値を聞いて
・安全性は自分で判断する
・ 基準値以下というのは安全を意味しない
・ 測定値を隠す人の安全説明は、さらに危ない。

他人の安全を軽視し、消費者に情報や事実を教えず、判断させず、安全という評価を強制する人を信頼すべきではない

セシウムを避ける調理法
l セシウムは生きた細胞内の水に多く溶けている。カリウムに似た分布
l 生野菜、果物、肉、魚は細胞が大部分。染み出して流し去らなければ、全て残る。
l 細胞を殺し、水につけておくと細胞から外に染み出す
l 葉野菜100g を1Lでゆでると1/10に、もう一度ゆでなおすと、1/100に減る。大根や芋など大きな塊は染み出すのに時間がかかる
l マカロニをたっぷりの水でゆでると約20%に減る。水を替えてゆでなおすとさらに減る
l 米をとぐと、ぬかの分を減らせる。といだ後、一晩水につけ翌日2回水を替えてから炊くとさらに減らせると思う
l 乾燥食品や、焼く料理は、水がなくなるだけでセシウムは全て残る

ヨウ素の避け方
l 今はほとんどない。
l また原発から放出されたら、多いときは逃げる
l 多くない時は、風下であれば吸入注意、外に出ない。窓閉め、喚起やめる。インフルエンザ用マスク。
l 食物注意。特に海草に集まる
l 大量被曝可能性高いときはヨウ素(ヨード)剤内服

ストロンチウムの避け方
l 少し面倒なのであまり測っていない。
l カルシウムに似て、骨に集まる。骨に固まって動かないので、隣の同じ細胞が放射線を浴び続ける。白血病など血液の病気の原因
l 魚・かに・貝類と、それを食べる魚の骨はさらに濃縮。牧草・骨粉を食べた家畜のミルク、骨
l 福島海底の泥からセシウム大量に検出されたストロンチウムも多いはず。
l 汚染の可能性ある魚、特に骨を食べない。小魚
l 日本周囲の太平洋は汚染の可能性高い

個人で避けた汚染食品はどこへ?
l  自分で避けた食品は?
廃棄されない。
業者が安く買って使う;加工食品、外食産業
l  食べたら1000人に1人が癌で死ぬ放射線を
1万人で分けて食べても1人が死ぬ
=癌を起こす確率的作用
l  薄めて流通する汚染食品の全体量を増やすと→癌は増える。だから
l  汚染食品を作らせない、流通させないことが最も大切

放射能許容量を考える基準
l 被曝を避けたいか、それとももっと被曝させたいか
l 何のために
l どの程度まで被曝受け入れると判断するか
l 俗論や無責任な解説を排除する。

以上が放射能をどこまで受け入れるか
を考える基準。
だから、
事実と根拠は聞くが、評価・判断は自分でする

食品の放射能測定の目的
食品の有毒物や放射能を測るのは
毒物を食べさせないため
・ところが今の日本は
「これくらいは安全だからもっと食べろ」
「不安に思うのは知識不足で、過剰反応」
「食べても安全だ」と言うために、
測定している

IV. 議論しましょう

異なる意見があって始めてよい議論ができます。
私の意見も述べます。
l 被曝の危険性はどの程度か
l 被曝を避けるために。家庭でできること、社会としてとりくむこと
l 除染・汚染処理問題。除染した汚染物をどう処理するか
l 農漁業者をどう守るか、
l 「この程度の放射能は安全だ、安心して食べよう」という意見をどう考えるか
l その他なんでも質問、発言してください

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