中国新聞 2012.1.2
原子力安全委員長らに寄付金 業界から数百万円
原発の設置許可申請などについて、安全審査のダブルチェックとして2次審査を担当する原子力安全委員会の5人の委員のうち、班目春樹まだらめ・はるき委員長と代谷誠治しろや・せいじ委員が、就任前の3~4年間に、原子力関連企業や業界団体から310万~400万円の寄付を受けていたことが2日、分かった。
安全委の下部組織の専門審査会で、非常勤で審査を担当する複数の委員も、審査対象企業などから寄付を受けていた。いずれも審査の中立性への影響はないとしている。
班目氏は2010年4月に東京大教授から安全委の委員長になった。同氏によると、09年までの4年間に三菱重工業から計400万円の寄付を受けた。代谷氏によると、同氏は京都大教授だった09年までの3年間に、電力会社などでつくる「日本原子力産業協会」の地域支部から計310万円を受け取った。
いずれも研究奨励を目的に民間企業が大学に寄付する「奨学寄付金」。研究費や海外出張の旅費などに使ったという。
一方、核燃料製造の安全性などを審議する専門審査会の複数の委員も、取材に対し、同じ地域支部や審査対象の燃料加工会社から、年50万~100万円近くを数年間受け取っていたと説明した。審査会には数十人の委員がおり、寄付を受け取った場合は、その企業の申請に関する審査には加わらない仕組みという。
班目氏は「審査に影響ないと考えている。議事録なども全て公開し、納得できるかは国民の判断に委ねたい」と話した。
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朝日新聞 2012.1.1
原子力業界が安全委24人に寄付 計8500万円
東京電力福島第一原子力発電所の事故時、中立的な立場で国や電力事業者を指導する権限を持つ内閣府原子力安全委員会の安全委員と非常勤の審査委員だった89人のうち、班目(まだらめ)春樹委員長を含む3割近くの24人が2010年度までの5年間に、原子力関連の企業・業界団体から計約8500万円の寄付を受けていた。朝日新聞の調べで分かった。
うち11人は原発メーカーや、審査対象となる電力会社・核燃料製造会社からも受け取っていた。
原子力業界では企業と研究者の間で共同・受託研究も多く、資金面で様々なつながりがあるとされる。中でも寄付は使途の報告義務がなく、研究者が扱いやすい金銭支援だ。安全委の委員へのその詳細が明らかになるのは初めて。委員らは影響を否定している。
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朝日新聞
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