地球と7代先のこどもたちを元気にしてゆく情報発信サイト
Header

急性出血性結膜炎の爆発的な流行と原発災害との関連

1月 2nd, 2012 | Posted by nanohana in 1 体への影響と防御

院長の独り言 2011.12.31

急性出血性結膜炎 という病気ご存じでしょうか。

急性出血性結膜炎(AHC)は、主としてエンテロウイルス70 (EV70)とコクサッキーウイルスA24変異株(CA24v)の二つのエンテロウイルスによってひきおこされる、激しい出血症状を伴う結膜炎 である。両ウイルスともヒトからヒトへ直接接触伝播する。

病原体
本疾患の原因ウイルスであるEV70とCA24vはともにエンテロウイルスの仲間で、電子顕微 鏡でみると直径約30nmの小型の球形粒子とし て観察される(図1)。両ウイルスにつき、その遺 伝子である1本鎖RNA を構成する約7,500の塩 基配列が明らかになっている。

図1. EV70 の電子顕微鏡像

大部分のエンテロウイルスは最初消化管に 感染するのが普通であるが、この二つのウイルスの場合、感染部位はもっぱら結膜であり、消 化管で増殖したとの報告はない。この性状は、培養細胞におけるEV70の至適温度が33 ~34 ℃ であり、39 ℃では全く増殖できないことと関連すると思われる。EV70 は眼に病原性を有すること、潜伏期が極めて短く、感染後24 ~36 時間で発症することが偶発的な実験室感染の結果明らかになったが、なぜ結膜下に激しい出血を引き起こすのか、そのメカニズムはいまだに明らかにされていない。

臨床症状
EV70とCA24vによる結膜炎は臨床的に酷似するので、臨床症状による病原ウイルスの鑑別は 難しい。突然の強い目の痛み、異物感、羞明などで始まり、結膜の充血、特に結膜下出血を伴うことが多い。眼瞼浮腫、眼脂、結膜濾胞、角膜表層のび慢性混濁が高頻度にみられる(図2)。
全身症状としては頭痛、発熱、呼吸器症状などがみられる。潜伏期はEV70が平均24 時間である のに対し、CA24vでは2~3日とやや長い傾向にある。通常、約1週間で治癒するが、EV70 では 罹患後6~12カ月に四肢に運動麻痺を来すことがあるので、経過観察をする上で注意が必要である。

ウイルスの病気か・・と思っては間違います。ウイルスをきちんと分離することは、臨床上はほとんどありません。同じページの届け出基準を見ますと、それがよくわかります。

感染症法における取り扱い(2003年11月施行の感染症法改正に伴い更新)
急性出血性結膜炎は5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約600カ所の眼科定点より毎 週報告がなされている。報告のための基準は以下の通りとなっている。
○診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の3つの基準のうち2つ以上を満たすもの
1. 急性濾胞性結膜炎
2. 眼脂、眼痛、異物感などを伴う眼瞼腫脹
3. 結膜下出血
○上記の基準は必ずしも満たさないが、診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾 患が疑われ、かつ、病原体診断や血清学的診断によって当該疾患と診断されたもの

おわかりでしょうか。症状さえ揃えば、この病名がつくのです。ウイルス性の疾患のほとんどは、このような診断基準と言って良いでしょう(もちろん、いくつかの病気は簡易迅速判断キットで確定することもあります。例えば、インフルエンザなど)

そう言った目で、このグラフ

例年にない増加を見せたのは、
22週くらい・・5/30 – 6/5
43週くらい・・10/24-10/30

およそ,2ヶ月程度遅れて、症状が出てきている印象です。3月は、言わずもがなですが、8月の下旬には、広範囲でヨウ素が検出されています。できすぎなくくらい、話しが合います。人間の身体の中で、ほぼ無防備といってよい状態で粘膜が露出しているのは目くらいですから、このような症状が出てくるのは全くおかしくありません。

実は、この問題は、日本眼科学会は、3月16日にホームページ上で、公表しています。

まず、最初の文章

・眼の粘膜は皮膚よりも放射性物質を吸収しやすいとされています。
・生理的食塩水または水道水で、眼が傷つかないようにやさしく洗浄してください。
※その際、目頭を押さえて、鼻涙管から汚染水が鼻の中に入らないように注意します。
・まぶたに関しては皮膚への汚染と同様に扱ってください。
※中性洗剤と濡れガーゼでやさしく拭き取り、水で洗浄。
※あまり強くこすると皮膚のバリアが破壊され、むしろ皮膚内部に入り込む可能性があります。

これは、あきらかに放射性物質そのものが、目についた場合の対処法。ところが、次の白内障は、外部被曝の話に置き換えています。

・時間が経過してから起こる影響として、線量が高い場合には数ヶ月、低い場合には数年の潜伏期を経て白内障が発症することがあります。
・被曝した集団の1~5%において白内障が発症する最低線量(閾値)は急性被曝で2~10Gy、慢性被曝で0.15Gy/年程度といわれています。
・白内障は発症したとしても手術で確実に治療することが可能ですので、大きな心配はありません。

このすりかえは、現在非常に良く行われています。この白内障の基準は、外部被曝-すなわち、放射性物質が直接目についていない状態-での評価です。原爆白内障については、橋爪文さんも書かれていますし、実際に40代で白内障と診断された方の話も耳にするようになりました。

内部被曝と外部被曝の意識的に混同しているように思えるのは、私だけでしょうか。

最後にセシウム金属自体の反応性の高さを指摘しておきます。


◆関連ブログ
気になる症例のまとめ2011年09月11日
広範囲でヨウ素検出-原発再臨界?2011年09月17日
放射能と人体(8)ブラブラ病以外の被曝症状とは?2011年12月22日

この記事は
院長の独り言

 

You can follow any responses to this entry through the You can leave a response, or trackback.

Leave a Reply

Bad Behavior has blocked 130819 access attempts in the last 7 days.