マガジン9 2011.12.28
藤波心●ふじなみ こころ(アイドル)1996年生まれ。兵庫県出身。ジュニアタレントとして活躍中だったが、3・11の東日本大震災 と福島第一原発事故に際し、自身のブログに綴った内容と文章が大きな話題に。炎上騒ぎにもなったが、有名人らにもRTされ年代を超えて広まることに。原発撤廃を訴えて、積極的にデモにも参加。また岩井俊二監督によるドキュメンタリー作品『friends after 3・11』では、監督と共に被災地をたずねている。著書は『間違ってますか? 私だけですか? 14才のココロ 』(徳間書店) オフィシャルブログ「ここっぴーのへそっぴー」
今まで私は反原発運動をやっている人は、考え方が偏った胡散臭い人達だとおもっていました。
テレビニュースに映し出されるヘルメットをかぶって、マスク・サングラスをして、警官隊と衝突する・・・。
なにをそんなに怒ってるの? 経済の発展のためには仕方ない事もあるんじゃない?
このひとたちは国を乱す、社会を乱す、考え方が偏った人たちだな、くらいにしか思っていませんでした。
一方、テレビで活躍する毒舌なコメンテーター達の軽快で痛快なトーク!
「○○さんの言うとおりだなー! 時にはユーモアをはさんだり、おしゃべり上手いー! さすが!」と、私もそういう毒舌コメンテーター達の一ファンだったのです。
ところが・・・
3・11・・・震災・そして原発事故・・・。
テレビでは「大丈夫」・「心配ありません」を繰り返す・・・。
そんなはずないでしょう!そうだ! あの人たちならきっとガツンと言ってくれるはず!
なんか言ってやってよ ○○さん、○○さん!
と、思っていた毒舌コメンテーター達は、期待を大幅に裏切って皆、事故については歯切れ悪くダンマリ・・・。
挙句の果てには、自動車事故やたばこのほうが死亡率が高いとか、原発が危ないと言うなら、包丁だってあぶないとか、わけのわからない屁理屈を言い出す始末・・・。
だめだこりゃ・・・((+_+)) 正直ガッカリだった。
一方ネットでは事故直後にメルトダウンしているのではないか? 早々に避難したほうがよいのではないか? と騒がれていたのに、相変わらずテレビでは「デマに注意してください」「冷静に対応してください」と言うのみ・・・。
たしか被ばくは年間1ミリシーベルト以下と法律でちゃんと決めていたはずなのに、偉い? 学者の先生たちが一斉に100ミリ浴びても大丈夫! と、物置のCMのような事を真面目に言いだす・・・。
あひゃ?? 一体なんなんだこの国は・・・????
私はまるで違う国に居るような、SF映画か、世にも奇妙な物語を見ているようで背筋がぞっと、寒くなった。
実は、国を乱していたのは本当は、原発反対と言ってヘルメットをかぶってマスクをして警官隊と衝突していたあの人たちではなく、スーツを着て、涼しい顔をして、国民の幸せと日本の発展のためにと言い、原発は環境に優しいクリーンなエネルギーですと言って原発を推進してきた人たちだったのではないか。
そう思った瞬間、デモでヘルメットをかぶり、マスクやサングラスをして原発反対運動していたあの胡散臭い人たちが、急に、仮面ライダーかウルトラマンのような地球の平和を守るヒーローに見えてくる・・・笑
事故直後、原発のニュースばかりでテレビがつまらない、バラエティが早く見たいと言っていた私の親友は、実は私が何でも話し合える親友だと勝手に思い込んでいただけだった。
平和な時にはわからなかったものがこの震災・原発事故で少しわかったような気がした。
人間は地球の許容範囲を超えた欲望は絶対追求できない。
所詮人間は、地球の中の多種居る生物の中の、1つの生き物にすぎないという自覚を私たち人間は皆持つべきだと思う。
たとえささやかでも、質素でも、毎日食事が食べられ布団で寝れる。春、夏、秋、冬の四季を感じながら、そんな日常のあたりまえの生活の中にほんとうの幸せがあるんじゃないかと思う。
*
10月の「マガ9学校」にも出演いただいた藤波さんに、
特別寄稿をいただきました。
率直で鋭い彼女の言葉には、はっと考えさせられる部分がいくつもあります。
ささやかだけれど穏やかな、日常のあたりまえの幸せを、
これから私たちはどうやって取り戻し、大事にしていけばいいのか。
一緒に考えていきたいと思います。
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