NHK 2011.12.28
福島第一原子力発電所の事故対策に当たった政府と東京電力の「事故対策統合本部」の会議の議事録が作成されていないことが分かり、専門家は、事故対応を検証したり教訓を収集したりするうえで大きな支障となるおそれがあると指摘しています。
統合本部は、政府と東京電力が共同で原発事故対策に当たるため、ことし3月15日、東京電力本店内に設置され今月16日に解散したものです。連日、福島第一原発との間を回線で結んでテレビ会議を開き、原子炉の状況の報告や作業内容の協議をしてきました。NHKでこのテレビ会議の「議事録」などについて情報公開請求を行ったところ、文書は「不存在」とされ、会議の内容が記録されていないことが分かりました。会議に参加していた原子力安全・保安院は「情報共有という位置づけの会議だったので議事録などの記録はとらなかった。録音もしていない」としています。これについて、公文書の管理や情報公開制度に詳しい名古屋大学大学院の春名幹男特任教授は「今回の事故は未曽有の大事故であり、『そのとき何があったのか』を記録し、二度とこうした事故を起こさないための教訓として残さなければならない。その記録が作成されず検証もできないということになれば、将来、参考となる情報を失うことになり大きな損失だ」と話しています。
NHK 2011.12.28
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