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山本太郎の刑事告発は、反原発派への「見せしめ」か?

12月 27th, 2011 | Posted by nanohana in 2 アクション・選挙・住民投票 | 3 隠蔽・情報操作と圧力

週プレNEWS 2011.12.26

佐賀県庁への建造物侵入、威力業務妨害などの疑いで刑事告発された俳優の山本太郎さんを、12月19日に佐賀地検が事情聴取していたことが明らかになった。これを受け、翌20日に行なわれた記者会見で山本さんは、「政治的な弾圧以外の何ものでもない」と批判する事態に発展している。

そもそもの告発内容は、7月11日に佐賀県庁前で行なわれた反原発デモに山本さんが参加した際、庁舎内への立ち入りを拒否されたにも関わらず、無理矢理侵入したということ。告発したのは「テレビ報道で抗議活動を見た」という、京都市に事務所を構える行政書士の男性(27歳)だ。

本当に山本さんは、無理矢理佐賀県庁に侵入したのだろうか。あの日、山本さんと行動をともにした、デモを主催した市民団体のひとつ「玄海原発プルサーマル裁判の会」の石丸初美さんがこう話す。

「知事に請願書を渡したいということで動いていたのですが、職員やガードマンの人たちが、庁舎の中に入れないように入り口をふさいでいて、少しもみ合いがあったんです。(山本)太郎さんと私は少し後方にいてそれを眺めているような位置にいました。そのうちに入り口が開けられたので、隊列となって中に入っていきました。太郎さんはその現場を止めに走っていったんです」

様々な団体から構成されているこのデモは、庁舎内に入ると統制を失いかけてしまった。すると後方にいた山本さんは、前方に駆けつけ「暴力はなし!」と何度も呼びかけた。これは、石丸さんだけでなく多くの参加者が証言しているのだが、一部スポーツ紙では「『原発はいらない』『子供を守れ』『知事は出てこい』と叫びながらデモ隊を先導して佐賀県庁に乗り込んだ」(7月12日付・日刊スポーツ)と、事実とは異なる報道をしている。

そのため山本氏自身、刑事告発された当初は、まさか佐賀地検が告発状を受理するとは思わず、事態を静観していたのだが、約2ヵ月が経った9月14日に佐賀地検が告発状を受理。同21日にはこの男性のリークにより、メディアでいっせいに「山本氏が刑事告発!」と報道されることとなった。

だがなぜこのタイミングで、地検は告発状を受理したのだろか。実は、奇妙な符号がある。この報道が出る2日前の9月19日、山本さんは東京・明治公園で行なわれた「さようなら原発 5万人集会」に参加し、作家の大江健三郎氏らとともに、原発の即時停止を訴えるスピーチを行なっていた。新聞各紙は山本さんを“反原発のシンボル”のように扱い、震災以降に最大規模となったこの反原発集会の様子を伝えている。

山本氏の弁護人を務める森川文人弁護士は、この告発に強い疑念を抱いている。

「現在の反原発運動の集会、デモ、あるいは座り込みなどのアクションでは必ず逮捕者が出ますが、そのほとんどすべてが裁判にも持っていけないような逮捕のための逮捕です。逮捕することが目的化されていて、『原発に反対するような運動に関わるとこういう目に遭うぞ』という権力や原子力村による脅しが続いている状況です。今回の場合、告発した人物と(佐賀)県庁との癒着はどうなのかという疑念がある」

現場ではなく“テレビで見ていた”人物が告発したものが、図ったようなタイミングで佐賀地検に受理されるという一連の流れ。はたしてこの告発は、権力による反原発派口封じの見せしめなのだろうか。

(取材/木村元彦)

■告発した行政書士を直撃!そこで明らかになった彼の素性とは?週刊プレイボーイ1・2合併号『“反原発”俳優 山本太郎、抹殺の前真相-全編-』

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週プレNEWS 2011.12.26

 

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