ツバメへの放射線被害は? 山階鳥類研究所の調査始まる
12月 27th, 2011 | Posted by in 未分類2011.12.26
東日本大震災:福島第1原発事故 放射線の被害は? ツバメの巣で影響調査--山階鳥類研究所
泥でできたツバメの巣は放射性物質による汚染が懸念されている=岩手県陸前高田市で2011年4月16日、長谷川直亮撮影
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の鳥類への影響を調べるため、「山階鳥類研究所」(千葉県我孫子市)が日本各地で今年できたツバメの巣の収集を始めた。チェルノブイリ原発事故ではツバメで奇形の発生などが報告されているが、放射線が野生動物へ及ぼす影響の研究は進んでおらず、「調査で影響解明の手掛かりをつかみたい」という。
鳥類は食物連鎖の頂点の一つに位置しており、餌を通して濃縮された放射性物質を口にし内部被ばくする可能性がある。特にツバメは放射性物質の集まりやすい水たまりの泥で巣を作るため、ヒナに大きな被害を及ぼすと懸念されている。
同研究所はツバメの巣に含まれる放射性物質を測定することで、ツバメの汚染状況を推定し、生態系への影響を知る手掛かりにする。福島県を中心に全国の野鳥の会の会員らに呼びかけ、巣があった場所や周辺の環境などの記録を巣と一緒に送ってもらう。集めた巣は国立環境研究所で測定し、各地点の汚染度合いを調べる。
86年のチェルノブイリ原発事故では、周辺に生息するツバメで白血球の減少や脳の容積の縮小、個体数の減少などが報告され、25年たった今も影響が出ているという。
問い合わせは同研究所自然誌研究室(04・7182・1101)。【清水勝、神保圭作】
毎日新聞 2011年12月26日 東京夕刊
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2011.12.26
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