【読者に聞く】食品の放射線への心配は増すばかり-何かいい方法は? ウォール・ストリート・ジャーナル
12月 23rd, 2011 | Posted by in 1 子供たちを守ろう | 1 放射能汚染 | 1 汚染の拡散 | 1 食品ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2011.12.22
「ストレスで疲れ果てました」と、1歳半の男の子を持つ若い母親がいう。食品の放射線汚染が気になるので、安全を確認したものだけを食べさ せたいと思い、そのために1日のかなりの時間を割いているという。ときどき、西日本に引っ越したいと真剣に考えるが、夫の仕事もあってなかなか行動には移 せないと語った。
- REUTER
家は東京都内だから福島原発からは200キロメートルぐらい離れている。だが、スーパーや八百屋、魚屋で売られている食品には汚染が懸念される地域のものも多い。
3月の事故の後、次から次に明らかになる食品の放射能汚染。野菜や魚介類ならば、関係はわかりやすいが、屋内にいたはずの肉牛も餌の稲わらなどによって内部被曝。
12月上旬に国内の大手メーカーの粉ミルクが放射性セシウムに汚染されていたことがわかったことは、子どもに放射線の懸念のない安全なものを食べさせたいと思っている母親たちの加工食品への不信感を決定的にした。
その粉ミルクを製造した明治によると、原料を水で溶かした液体を乾燥させるときに用いた空気から放射性物質が混入したらしいという。牛乳と水はちゃんと調べており問題なかったことから、製品が製造された埼玉工場の大気中に放射性物質が入っていたと思われるのだそうだ。
田植えのときから安全性が懸念され、はらはらしながら収穫を待った福島県産米については、福島県が10月に安全宣言を行った後で、消費者が調べてみ て汚染がわかった。県の調査では、48市町村、1174地点を検査し、1キログラム当たり100ベクレル以上の地点は0.6%、100ベクレル未満が 17%だったが、暫定基準値の1キロあたり500ベクレルを上回ったところはなかったとしていたのだ。
ところが、放射性セシウムの量について、厚生労働省は20日、これまで9カ月使われてきた基準値を大幅に引き下げた。コメを含む一般食品については1キログラムあたり暫定値の500ベクレルから100ベクレルに、また乳幼児食品については50ベクレルに下げた。
これで、「500ベクレル」が基準だったころと比べ、状況がすっかり変わってしまった。消費者が自治体の安全宣言に対していくらかでも安心感を持っていたとしたら、これによって完全に打ち砕かれた格好だ。
こうなると政府や自治体が何を言っても効果はない。国民は自分の信じるやり方、つまり自分の手で調べ上げなければ安心できなくなってしまった。だが 生鮮食品には最近は大ざっぱな産地の表示が付けられることが多くなったが加工食品についてはほとんどない。もう、それを気にしだしたら食べられるものがな い!という状態だ。
放射線が気にはなるので産地の表示を見るようにはしているが、それだけでは安心はできない。だが、日々の忙しさのなか、それ以上調べる余裕はなく、結局、何もしていない――というような人が多い。
読者の皆さんは、食品を選ぶとき放射線について、どのぐらい気にしているだろうか。また、独自に放射線を測定するとか、食品の調達の仕方を変えるなど対応をしておられるだろうか。御意見をお聞かせください。
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記者:竹内カンナ
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