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【沖縄 基地問題】 民主政権で初の言及 野田首相、嘉手納統合「選択肢」 県連・喜納氏が検討提案 

1月 24th, 2012 | Posted by nanohana in 3 利権・推進派・御用学者 | 5 オピニオン | 7 沖縄・アイヌ・先住民 | 7 軍事

日本軍事情報センター 所長 神浦元彰 軍事ジャーナリスト 2012.1.17

カテゴリ沖縄問題      出典 沖縄タイムス 1月17日 朝刊

記事の概要
民主党沖縄県連の喜納昌吉代表代行は16日、野田首相と都内のホテルで会談し、米軍普天間飛行場の移設先として名護市辺野古沖を断念し、米軍嘉手納基地への統合を検討するように申し入れた。

喜納氏によると、野田首相は「選択肢のひとつとして考慮の余地がある」として否定せず、一定の理解を示したという。

09年の政権交代以降、民主政権の首相が嘉手納統合案を「選択肢」と言及したのは初めて。

喜納氏は17日にも内閣改造で副首相に就任した岡田克也氏と会談し、同様の考えを要請する。

野田首相との会談は同日、民主党の党大会の終了直後、約20分間行われ、喜納氏と共に同党元副代表の石井一参院議員、政府側は野田首相、斎藤勁官房副長官、長島昭久首相補佐官が出席した。

野田首相は検討を否定しなかったものの、「米軍内でも反対する意見があるようだ」とし、課題の多い案であるとの認識を示した。

嘉手納統合をめぐっては自民党政権時に浮上したが、政府案としては採用されなかった。

09年の政権交代後の鳩山内閣で外相だった岡田氏が日米閣僚級の協議で統合案を支持したが、嘉手納周辺自治体の反発や米軍の運用上の問題も米側から指摘され、10年5月の日米合意で辺野古に回帰。

日米合意以降は元首相の鳩山由起夫氏、菅直人両氏ともに辺野古以外の案に言及しなことはない。

一方、同県連はこれまで普天間問題をめぐり県外・国外移設を主張し続けてきている。

喜納氏は「今後県連内の意見を集約する」としているが、県連としては統合案を掲げる場合は政策転換の説明責任が問われることになる。

喜納氏は会談後、沖縄タイムスの取材に対して、主張が県外移設から嘉手納統合となった理由について「私が必要だと考えるのは普天間の即時返還と辺野古断念。移設が米軍基地内で処理できるなら沖縄全体の負担は減り、合理的だ」と説明した。

コメント

よくぞ喜納昌吉氏は、野田首相に「嘉手納統合案を検討してくれ」と申し入れたと思う。むかしの諺(ことわざ)に、「肉を切らせて骨を断つ」というのがあるが、そのような気持ちでなかったのか。

しかし普天間飛行場の危険性を早く取り除き、沖縄全体の基地負担を軽減するには「嘉手納統合」しかないもの現実で、これには軍事的にも合理性があり、アメリカ政府を説得して日米同盟を深化させることができる案であると確信している。

誤解されると困るが、嘉手納統合案は今の嘉手納基地に普天間基地の航空機や機能を移すだけではない。嘉手基地納の1と普天間基地の1をたして2とするような統合案なら私は絶対に反対である。

嘉手納と普天間をたしても今の嘉手納の1よりも低い0,8か0,7を目指し、沖縄全体の米軍基地負担も今の0,5以下にすべき統合案でなくては沖縄県民を納得させられない。

先月に北朝鮮の金正日が死亡して、今月はアメリカが従来の2正面戦略を見直し、新たに「1正面+アルファー」戦略を宣言したので、嘉手納統合案は可能であり、さらに沖縄の基地負担を0,5以下に下げることも希望が見えてきた。

自民党時代に嘉手納統合案が消えたのは、嘉手納統合では莫大な基地利権が生まれないからで、そのあたりの事情は野中元幹事長(橋本内閣時代)や出獄したばかりの鈴木宗男氏(元副幹事長・当時)がよくご存じである。

新基地建設では辺野古の海を埋め立てることで、莫大な基地利権を夢想した自民党国防族の利権そのものであった。彼らが当時の嘉手納統合案を潰したのだ。

沖縄の基地対策から基地利権を引けば、嘉手納統合案になるのは必然で、基地利権を優先させば嘉手納統合案は潰される。

この基地利権というの防衛省だけのものではない。米軍基地となれば外務省の方が主導権を狙ってくる。外務省の官僚たちが岡田氏(当時は外相)の嘉手納統合案に反対すれば、岡田氏には反論するだけの安全保障のブレーンがいなかっただけの話である。

そこで鳩山首相(当時)が外務省出身のO氏の助言を受け、「考えれば考えるほど抑止力が大事」などという軍事を全く理解していない外務省の官僚的な発想を語って日米合意案(辺野古沿岸)に回帰した。

だから嘉手納統合案反対するのは、まずは自民党の防衛利権集団で、次は米軍基地利権を奪われたくない外務官僚となる。

米軍の中で嘉手納統合案に反対するのは、辺野古沿岸基地案で建設される予定だった軍港が消えるためだ。

辺野古新基地の一角に、空母クラス(強襲揚陸艦など)が接岸できる軍港を建設し、海兵隊の海洋機動を高めたいというという要望がある。

しかし同様の軍港をグアムに建設することを決めていて、さらにはオーストラリアのダーウィンに海兵隊を移駐させれば、沖縄に海兵隊のための新たな軍港を建設する必要はない。

さらにである。沖縄では台風の影響から、南側に面した港は大きな船が接岸する良港に成り得ないのである。

さて民主党の中にいる基地利権(新国防族)一派だが、まだアメリカの新戦略の「1正面+アルファー」戦略の凄い変化に気が付かず、これからも辺野古案に固守すれば、それは彼らの自滅でしかない。

これから、沖縄の基地全体を視野にしたアメリカ政府と日本政府の見直し作業が始まる。沖縄の人はこれからが勝負となる。

危険な普天間飛行場の即時返還、辺野古埋め立て案の合意破棄、嘉手納統合による0,8機能(負担減少)の要望、沖縄全体で0,5以下の基地負担減を目指して頑張って頂きたい。沖縄はそれが出来る軍事環境になったのである。

嘉手納統合ならアメリカ議会や米国防総省も沖縄の立場を理解できる。理解できないのは日本の新旧国防族と軍事を知らない外務省なのである。

私は嘉手納統合案で沖縄が平和で豊かな島になることを確信している。

この記事は 日本軍事情報センター 所長 神浦元彰 軍事ジャーナリスト

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