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2011サバイバル 放射能・原発 関連用語 / 基礎知識


3月11日の東北地方太平洋沖地震をきっかけに発生した東京電力福島第一原子力発電所事故。
この事故により環境中に放出された放射性セシウム137は約3万5000テラ・ベクレル(ネイチャーによる試算)に達し、原子力安全・保安院はキセノンの放出量を1100万ベクレルと見積もっている。

人類史上最悪の原子力災害に見舞われた日本で、子供たちの安全を確保するためには政府やマスコミの言うことをただ信じるだけではなく、自分で情報を集め、考え、とるべき対策を決める必要がある。
そしてそのためには、シーベルトやベクレル、ナノグレイなどの単位や、セシウム、ストロンチウムなどの放射性核種の名称や概略を覚えておく必要がある。

 

出典:wikipedia 、 ほか

 

被曝防御

 

チェルノブイリ事故の避難基準

 

今中哲二編:『チェルノブイリ事故による放射能災害』(技術と人間)から抜粋。

○ウクライナ(48ページ参照)
1.避難(特別規制ゾーン)=1986年に住民が避難した地域:土壌汚染密度の定義なし。
2.移住義務ゾーン:55万5000ベクレル/m2(15キュリー/km2)以上。
3.移住権利ゾーン:18万5000~55万5000ベクレル/m2(5~15キュリー/km2)。
4.放射能管理強化ゾーン:3万7000~ 18万5000ベクレル/m2(1~5キュリー/km2)。

○ベラルーシ(62ページ参照)
・無人ゾーン:1986年に住民が避難した、チェルノブイリ原発に隣接する地域
・移住義務(第一次移住)ゾーン:148万ベクレル/m2(40キュリー/km2)以上。
・移住(第二次移住)ゾーン:55万5000~148万ベクレル/m2(15~40キュリー/km2)。
・移住権利ゾーン:18万5000~55万5000ベクレル/m2(5~15キュリー/km2)。
・定期的放射能管理ゾーン:3万7000~18万5000ベクレル/m2(1~5キュリー/km2)。

 

○ロシア(74ページ参照)
・無人ゾーン:1986年と1987年に住民が避難した地域。
・移住ゾーン:55万5000ベクレル/m2(15キュリー/km2)以上。
・移住権利のある居住ゾーン:18万5000~55万5000ベクレル/m2(5~15キュリー/km2)。
・社会経済的な特典のある居住ゾーン::3万7000~18万5000ベクレル/m2(1~5キュリー/km2)

 

→ チェルノブイリによる放射能災害国際共同研究報告書 

 

チェルノブイリ事故当時の日本の輸入食品中の放射能の暫定限度

 

1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故を受け、日本では同年に輸入食品中の放射能の暫定限度を定め、食品中のセシウム134と 137由来の放射能濃度は370Bq/kg以下とした。
その当時、米国における暫定限度は370Bq/kg、EC(現EU)では乳幼児食品で370Bq/kg以下、一般食品で600Bq/kg以下である。

出典元

 

暫定規制値(2011年3月17日通達)と「WHO水質ガイドライン」の比較

 

核種 暫定規制値 WHO 飲料水水質ガイドライン(Bq/L)
放射性ヨウ素 飲料水 300 10
牛乳・乳製品 300
野菜類(根菜、芋類を除く)魚介類 2,000
放射性セシウム 飲料水 200 10
牛乳・乳製品
野菜類 500
穀類
肉・卵・魚・その他
ウラン 乳幼児用食品 20
飲料水 1
牛乳・乳製品
野菜類 100
穀類
肉・卵・魚・その他
プルトニウム及び超ウラン元素のアルファ核種 乳幼児用食品 1
飲料水 1
牛乳・乳製品
野菜類 10
穀類
肉・卵・魚・その他

米国では飲料水の最大汚染基準として、ベータ線およびガンマ線の摂取量を年間4mレム(すなわち40マイクロシーベルト)以下とするよう定めている。放射性ヨウ素、および放射性セシウムはこれに該当する。食品に関しては後述。

 

 

 

単位

 

シーベルト / Sv

シーベルトは、生体の被曝による生物学的影響の大きさ(線量当量)の単位。記号はSv。
線量当量とは、吸収線量(放射線から受けるエネルギー)に、法令で定められた係数(放射線の種類ごとに定められた人体の障害の受けやすさ)を掛けたものである。
毎時シーベルト (Sv/h) は、1時間あたりの生体への被曝の大きさの単位。シーベルト毎時ともいう。シーベルトが被曝の総量を表すのに対し、毎時シーベルトは、被曝の強さを表す。1毎時シーベルトは、1時間で1シーベルトの被曝量を受けることに相当する強さ。

放射線は宇宙や大地、空気、食物などからも出ており、人間は常に一定量を浴びている。土壌のタイプなどによって異なるが、世界では平均で年2.4ミリシーベルトを浴びる。放射線が出るラジウム温泉があるイラン北部のラムサールでは、年間に浴びる量は10ミリシーベルトになるという。飛行機に乗ると宇宙に近付くので浴びる量は増え、東京、米ニューヨーク間を1往復すると0.2ミリシーベルトになる。

一般の人が浴びる放射線量の限度は、自然の放射線やエックス線などの医療用を除き年1ミリシーベルトと定められている。原発が正常に稼働している時に出る放射線量の目標値は年0.05ミリシーベルトで、実際には年0.001ミリシーベルト未満であることが多い。

シーベルトという呼称は、放射線防護の研究で功績のあったロルフ・マキシミリアン・シーベルトにちなむ。

1Sv (シーベルト) = 1000mSv (ミリシーベルト)
1mSv (ミリシーベルト) = 1000μSv (マイクロシーベルト)

防護対策とシーベルトについて
人体が放射線にさらされる事を放射線被曝 (ほうしゃせんひばく) といい、人体は年間およそ 2.4 mSv(世界平均)の自然放射線にさらされている。大量の放射線は人体に有害であるため、放射性物質を扱う環境にある人は、自分がどの程度の放射線を受けたのかを、常に厳密に管理しなくてはならない。その際に用いられる尺度の一つがシーベルトである。
2 Sv の放射線を全身に浴びると5%の人が死亡し、4 Sv で50%、7 Sv で99%の人が死亡すると言われている。200 mSv以下の被曝では、急性の臨床的症状は認められないとされるが、長期的な影響については議論があり、また、低線量の被曝についても健康被害が生じたとして訴訟が起きている[参考 1]。
なお、一度に大きな線量を被曝した場合の線量単位にはシーベルトではなくグレイが用いられるが、X線とガンマ線による被曝に関しては数値に違いがない。
短時間・大線量被曝でシーベルトが用いられない理由は線量率効果[参考 2]である。なぜなら単位「シーベルト」に求められる性質のひとつは数値の加算可能性であり、ある時点Aでの被曝と別の時点Bでの被曝の影響を全体として評価する場合に、両者の評価数値を加算したものに意味がなければならないからである。同じ放射線を被曝しても線量率によって影響が異なるのであるから、低線量率被曝の評価数値と高線量率被曝の評価数値は加算できない。シーベルトは低線量率の被曝環境下での人体への影響評価を目的とした単位である。
これに加えて、シーベルトはグレイに対して放射線種や対象組織による係数(厳密な数値ではない)を乗じて得る単位なので、たとえ放射線種がX線やガンマ線であってもグレイと同等の厳密さを持つと考えてはならない。SI組立単位に入ってはいるがシーベルトは管理された環境下での人体防護を主眼とした放射線管理・放射線防護目的の単位であり、社会学的な単位とも言える。

 

グレイ / Gy

グレイ(gray、記号:Gy)は、吸収線量・質量エネルギー分与・カーマの単位でである。放射線によって1キログラムの物質に1ジュールの放射エネルギーが吸収されたときの吸収線量を1グレイと定義する。1グレイは100ラド(かつて使われていた単位)に等しい。

グレイは、1940年に同様の概念の単位を使用したルイス・ハロルド・グレイ(1905年 – 1965年)を記念して1975年に定められた。ルイス・ハロルド・グレイは、「1レントゲンの放射能によって単位体積の水中に生じるエネルギーに等しい量のエネルギーの増加を単位体積当たりの組織の中で生じる中性子放射線の総量」を単位とした。単位の関連は記事 放射線に詳しい。

 

CPM / カウントパーミニット

1分あたりの放射線計測回数「cpm」(カウント・パー・ミニット)で放射線量を表すこともある。放射線測定機に1分間に入ってきた放射線の数を、人体への影響の大小は考慮せずに測る。

 

ベクレル / Bq

ベクレル(becquerel, 記号: Bq)とは、放射能の量を表す単位で、SI組立単位の1つである。単位記号は、[Bq]である。1 s(秒)間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1 Bqである。例えば、毎秒370 個の原子核が崩壊して放射線を発している場合、370 Bqとなる。
放射線の吸収線量の強さを表すグレイ(単位記号:[Gy])や、グレイに放射線の種類の違いによる生体への影響を加味して係数を掛け合わせたシーベルト(単位記号:[Sv])と混同しないこと。

さらに詳しく
同ベクレルの放射能が存在しても、それから受ける放射線の強さは条件による。すなわち、放射性物質の種類や測定点までの距離、間にある遮蔽物の効果などである。そのために、吸収線量の単位としてグレイ(単位記号:[Gy])が用いられる。これは、物質1 kgあたり1Jの吸収があったということであり、1 Gy=1 J/kgとなる。
吸収線量が同じ場合でも、生体に与える影響は放射線の種類により変わる。そこで、吸収線量に線質係数を掛けた線量当量という量を使う。単位はシーベルト(単位記号:[Sv])。[Sv]の次元も[J/kg]であるが、線質係数を掛けるため、[Gy]とは別ものである。線質係数は、α線:20、中性子線:10、X線,β線,γ線:1で、単位を持たない量(無次元)である。
このように、放射能を表すベクレルの値の大小は人体への影響度シーベルトとは別の単位である。仮にベクレルとシーベルトの関係をお金に例えると、硬貨の枚数=ベクレル、合計金額=シーベルトと考えることもできる。(例:Aの財布には10円玉2枚と500円玉1枚であわせて硬貨3枚(3ベクレル)、Bの財布には5円玉4枚と100円玉5枚で硬貨9枚(9ベクレル)でも、合計金額は同じ520円(520シーベルト)[1]。硬貨の金種(放射線の種類)によって合計金額は変わる。)

 

放射性同位体 / 核種

 

(資料)体のどこに放射能はたまるのか。

体のどこに放射能はたまるのか

環境に放出された放射性同位体(核種)31種類と、その放出量、線種、強さ、物理的・生物学的半減期、具体的な人体への影響はそれぞれ異なります。

同じ元素で中性子の数が違う核種の関係を同位体と呼ぶ。同位体は安定なものと不安定なものがあり、不安定なものは時間とともに放射性崩壊して放射線を発する。これが放射性同位体である。

 

放射性同位体の例としては、三重水素、炭素14、カリウム40、ヨウ素131などがあげられる。放射性同位体はアルファ崩壊により原子番号と質量数の異なる核種へ、またはベータ崩壊により同質量数で原子番号の異なる核種へと放射性崩壊を起こす。

 

放射性ヨウ素131 / I-131

揮発性が高く拡散しやすい。また甲状腺への影響が高い。このため、放射性物質の放出量は、この同位体で、半減期が最長であるヨウ素131の放出量で表すことが多い。
安定同位体は昆布などに多く含まれ、甲状腺ホルモンの成分として人体にとって重要なミネラルだが、放射性同位体(放射性ヨウ素)を体内に取り込んでしまうと、甲状腺に蓄積してβ線(ベータ線)、γ線(ガンマ線)を出し甲状腺ガンや甲状腺結節の要因となる。

主な放射線の種類 : β線
今回の事故での放出量 : 16京ベクレル
物理学的半減期 : 8日
沈着部位 : 甲状腺 (生物学的半減期は約120日)
沈着部位 : 全身  (生物学的半減期は約12日)

その他
ヨウ素123 - 放出量:470兆ベクレル
ヨウ素135 - 放出量:630兆ベクレル
ヨウ素133 - 放出量:680兆ベクレル

 

放射性セシウム137 / Ce-137

揮発性が高く拡散しやすい。体内に取り込むと、胃腸で急速に、ほぼ100%吸収される。
化学的性質がカリウムと似ているため、全身の筋肉や生殖器に蓄積し、ガンや遺伝子の突然変異を起こす要因となる。筋肉量が少ない女性は、乳腺や子宮にも蓄積されやすく、乳ガンや子宮ガンのリスクとなる。

主な放射線の種類 : β線
今回の事故での放出量 : 1.5京ベクレル
物理学的半減期 : 30年
沈着部位 : 全身  (生物学的半減期は約70日)

その他
セシウム134 - 放出量:1.8京ベクレル

 

放射性ストロンチウム90 / Sr-90

化学的性質がカルシウムに似ているため、体内に取り込まれると骨に沈着し、骨ガンや白血病の要因になる。ストロンチウム90(Sr-90)はβ線(ベータ線)偏移して、イットリウム90になり、すい臓に蓄積されすい臓ガンの要因となる。

主な放射線の種類 : β線
今回の事故での放出量 : 140兆ベクレル
物理学的半減期 : 29.1年
沈着部位 : 骨 (生物学的半減期は約50年)

その他
ストロンチウム89 - 放出量:2000兆ベクレル

 

]放射性プルトニウム239 / Pu-239

α線(アルファ線)はβ線(ベータ線)に比べて、同じ吸収線量でも人体に約20倍の影響を与えるとされている。さらにプルトニウムは、同じくα線を出すウランと比べても1グラム当たりの放射線が数万~数十万倍もあり、「放射性毒性」が極めて強い。
Wikipediaには「人類が遭遇した中で最も毒性が高いと言われる」と記述されている。
経口摂取の場合は、不溶解性のため消化管からの吸収は非常に少なく、ほとんどが排出される。
この特性だけをとりあげ、福島第一原発事故当初、原子力推進派に属する御用学者たちがテレビなどで「プルトニウムは飲んでも大丈夫」などと狂気の発言を繰り返した。しかし、吸入摂取された場合は、長時間肺にとどまり、その微粒子がリンパ筋や血管に移行し、最終的には骨、肝臓などに数十年沈着するため、肺ガンや骨ガン、肝臓ガン、白血病などの要因となる。
ウランと混合し、プルサーマル発電用MOX燃料として用いられており、爆煙が成層圏にまで達した3号機には、このMOX燃料が搭載されていた。

主な放射線の種類 : α線
今回の事故での放出量 : 32億ベクレル
物理学的半減期 : 2万4065年
沈着部位 : 骨    (生物学的半減期は約50年)
沈着部位 : 肝臓  (生物学的半減期は約20年)

その他
プルトニウム238 - 放出量:190億ベクレル
プルトニウム240 - 放出量:32億ベクレル
プルトニウム241 - 放出量:1.2兆ベクレル

 

東京電力福島第一原子力発電所の事故により環境に放出された放射性同位体(核種)全31種類

 

原発事故関連

 

炉心溶融 / メルトダウン

炉心溶融(ろしんようゆう)、あるいはメルトダウンとは、原子炉中の燃料集合体が(場合によっては炉心を構成する制御棒等も含めて)核燃料の過熱により融解すること。または燃料被覆管の破損などによる炉心損傷で生じた燃料の破片が過熱により融解すること[1]。燃料溶融。
炉心溶融は重大な原子力事故であり、場合によっては放射性物質の外部への大規模な漏出を引き起こすこともある。
なお原子炉における「炉心」とは燃料集合体や制御棒など原子炉の中核部分であって、それを囲む炉心シュラウドのような構造物ではない。

 

概要
原子力発電では、低濃縮ウランなどの核燃料を臨界状態にすることで、核分裂で発生する熱によって発電する。
通常時は核分裂の連鎖反応で安定的かつ持続的に発電するが、定期点検や緊急の際には核分裂反応を中断させ原子炉を停止する必要がある。 しかしながら一度運転を開始した燃料には核分裂により発生した核分裂生成物が多量に含まれており、これらが核分裂停止後も放射性崩壊によりしばらく崩壊熱を出し続ける。 したがって、しばらくの間は炉心を冷却し続けなければならない。
ところが何らかの要因により炉心の冷却が行われないと、核燃料の高い余熱により燃料自体を溶かしてしまう現象が起きる。これが炉心溶融である。
なお炉心以外であっても、たとえば使用済み核燃料プールに保管されている核燃料も崩壊熱を発している。これらも炉心同様に冷却されなければ過熱して燃料の溶融を起こしうる。

 

 

原子炉貫通 / メルトスルー


炉心溶融(メルトダウン)した溶融燃料の融解が進行し圧力容器・格納容器外に漏出するのは「メルトスルー」という。

2011年6月7日の時点で日本政府はメルトスルーを公式に認めている。

 

 

 

建屋貫通 / メルトアウト

メルトスルーがさらに進行し、建屋を抜けて外部へ漏出した場合は「メルトアウト」
燃料の融解が進行し圧力容器・格納容器外に漏出するのは「メルトスルー」という。

 

 

再臨界


再臨界とは、臨界状態であった原子炉などが、一旦停止するなどして核分裂が止まっている状態である「未臨界状態」になった後に、何らかの原因により再び臨界になることである。「再臨界状態」とも呼ばれる。

沸騰水型軽水炉などの原子炉の場合、地震や事故などにより炉心が破損したり、冷却水を注水するための非常用ディーゼル発電機などが使えなくなったりして、原子炉の原子炉圧力容器に冷却水を注入する機能を消失すると、圧力容器内部の水位が低下し燃料棒が露出する。

この時、燃料棒の露出が続き、ウラン燃料が溶け出して、圧力容器の下部に蓄積するなどして大規模に集中して「臨界量」に達すると、制御されない状態で核分裂連鎖反応が起きる「再臨界」となる。

再臨界が起こると核分裂反応の制御は非常に困難となり、大規模なエネルギーが発生して原子炉内で爆発し、大気中に放射性物質の飛散する結果を招く。最悪の結果、1986年にソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所(現在のウクライナに位置する)で発生した「チェルノブイリ原発事故」と同様の、「国際原子力事象評価尺度レベル7」に分類される、広範囲で大規模な放射性物質汚染を招くおそれがある。

2011年3月11日に発生した「東日本大震災」に伴い発生した「福島第一原子力発電所事故」においては、福島第一原子力発電所4号機において、3月15日に使用済み燃料プールの付近で爆発と火災が発生しており、2011年3月16日現在、「再臨界」の発生が懸念されている。

福島原発における再臨界を阻止するために、2011年3月16日現在、ヘリコプターによる注水や地上からの高圧放水車などによる注水などが検討されている。

さらに詳しく

原子核分裂の反応によって生成される中性子は、ウラン、プルトニウム等の核燃料物質が核分裂反応を起こしたときに発生する即発中性子と、その際の核種がさらに放射性崩壊を起こすときに核種の存在分布により一定割合で放出される遅発中性子とに分けられる。臨界状態に達するのに遅発中性子が必要ならば遅発臨界、即発中性子のみで臨界状態に達するならばこれを即発臨界と呼んで区別することがある。
連鎖反応で遅発臨界が支配的な場合には臨界状態制御が可能となる、という重要な性質がある。これは、通常、即発中性子は高エネルギー(=高速)で放出されるため、原子核に衝突しても散乱を起こして捕獲されず従って連鎖反応が発生せず、遅発中性子は比較的エネルギーが低いため、減速材を用いることで熱中性子とすることができるからである。
原子炉に利用される核燃料物質は、物質中の原子核に熱中性子が捕獲されることで核分裂を起こす。また即発中性子に比べて遅発中性子の発生は時間的な差すなわち余裕がある。このことは、制御棒などの人間活動的尺度で時間のかかる機械的操作をおこなうことで遅発中性子つまり熱中性子の”濃度”を制御できることを意味し、すなわち臨界状態に至る条件を人工的に制御できることになる。原子力発電所の炉心は、すべてこの状態で運転できるように設計される。
一方、連鎖反応に即発臨界が支配的となった場合は、システム内の中性子数が短時間(例えば反応度が2倍になるまでにかかる時間がピコ秒のオーダー)で急激に上昇する。この状態が原子炉で起きた場合、もはや制御する手段はない暴走状態となる。プルトニウムを含む核燃料を利用するプルサーマル型原子炉では、その制御がより難しく、さらに発生する同位体240Puは自発核分裂というやっかいな性質をもつため、制御をさらに難しくする。

 

 

燃料棒

燃料棒(ねんりょうぼう、英語:fuel rod)は、原子炉の炉心の部品のひとつ。棒状の燃料棒は炉心内での核燃料の標準的な形状であり、複数本の燃料棒が束ねられ、「燃料集合体」と呼ばれるユニットが組まれる。制御棒と共に複数個の燃料集合体によって炉心が構成される。核燃料の交換作業は燃料集合体の単位で行われる。

原子炉で使用される核燃料は、熱交換効率や安全性、取り扱いの便宜のために、1cmほどの円柱状の燃料ペレットから始まって、最後は大きな燃料集合体に組み上げられている。
核燃料をセラミックに焼き固められたものが燃料ペレットであり、これを燃料被覆管に封入したものが燃料棒である。燃料集合体はこの燃料棒を束ねて組み上げたもので、この燃料集合体が原子炉に装荷され使用される。

燃料棒

加圧水型原子炉の燃料集合体。原子力貨物船・NSサヴァンナ号のもの

燃料棒 (Fuel rod) は燃料ペレットを燃料被覆管に封入して、端栓で気密にしたものである。最上部の燃料ペレットの上端から上部端栓までには、プレナムと呼ばれる空間があり、プレナムスプリングによって燃料ペレットを抑えつけ、動揺を抑えている。プレナムは発生した気体状の核分裂生成物 (FP) を閉じ込めると同時に、ガス発生に伴う内部の圧力上昇を最小限に抑えている。また内部はヘリウムガスによって加圧されているが、これは燃料棒が沸騰水型原子炉 (BWR) で73気圧、加圧水型原子炉 (PWR) では158気圧に達する運転条件下で使用されるため、あらかじめ内部をヘリウムで加圧して運転時の外圧と平衡を保つようにするためである。原子炉の定期検査中には燃料棒の外観検査を行って健全性を検査する。

 

燃料ペレット

燃料ペレット

燃料ペレット
天然ウランに0.7%含まれている“燃える”ウラン235の割合を2 – 4%程度に濃縮した二酸化ウランを直径、高さとも約1センチメートル程の円柱形に焼き固めたセラミックスである。

最も一般的な形状は、高さ1 cm、直径1 cm弱の黒色の円柱型のもので、原子炉によっては、中央が中空になっているペレットもある。使用されるウランは、天然ウランか低濃縮ウランのいずれかで、日本では低濃縮ウランが使用されている。
ウラン金属は、融点が1,132 ℃であるため高温を伴う原子炉では容易に溶けてしまうばかりでなく、およそ670 ℃で結晶構造が変化し膨張してしまうなどの欠点を有する。そこで、ウランの酸化物を粉末状にした上で成型し、磁器のように焼き固める(焼結)ことで、融点を2,700~2,800 ℃程度まで高めている。
燃料ペレットには、核分裂によって生成した放射性同位体(核分裂生成物)を内部に保持する能力がある。核分裂生成物の蓄積により燃料ペレットの体積は増加する。この体積増加をスエリングという。特にキセノンやクリプトンなどの気体核分裂生成物によるスエリングをガススエリングという。気体核分裂生成物は結晶粒内を拡散し、結晶粒界で気泡となる。この気泡がガススエリングの原因である。結晶粒が大きいほど、気体核分裂生成物が結晶粒界に到達するまでに時間がかかり、その結果、ガススエリングは軽減される。結晶粒を大きくする方法としては、アルミナやシリカの添加が検討されている。またスエリングにより、ペレットと被覆管が接触して被覆管の健全性を損ねる可能性があるため、成型時に円柱型の燃料の底面に窪みをつける(ディッシュ)や、角をとる(チャンファ)ことが行われている。 燃料ペレットは燃料被覆管の中に入れて燃料棒にする前に、外観、寸法、ウラン濃縮度、化学成分、不純物、密度等を検査し、検査に合格したものだけが使用される。

 

 

関係機関 / 組織

 

原子力安全・保安院

原子力安全・保安院(げんしりょくあんぜん・ほあんいん、英語:Nuclear and Industrial Safety Agency、NISA)は、日本の官公庁のひとつで、原子力その他のエネルギーに係る安全及び産業保安の確保を図るための機関[2]。資源エネルギー庁の特別の機関である。

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概要
経済産業省の一機関であり、法令上の位置付けは「資源エネルギー庁の特別の機関」とされる。2001年(平成13年)1月6日、中央省庁再編の際に新設され、初代院長には佐々木宜彦が就任した。原子力関連事故等、有事が発生した場合の処理専門機関として構想設立および訓練された機関ではない事に注意を要する。平時の保安検査を主たる任務とする行政機関である。東京都千代田区霞が関の本院の下、地方機関として、全国の所要の地に産業保安監督部、原子力保安検査官事務所などが置かれている。

任務
原子力安全・保安院は、次の各号に掲げる事務をつかさどっている。

(1)原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに発電用原子力施設に関する規制その他これらの事業及び施設に関する安全の確保に関すること。

(2)エネルギーとしての利用に関する原子力の安全の確保に関すること。

(3)火薬類の取締り、高圧ガスの保安、鉱山における保安その他の所掌に係る保安(以下「産業保安」という。)の確保に関すること。
所掌事務に係る国際協力に関すること。

(4)前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき経済産業省に属させられた事務

このように、本院は「原子力安全」と「産業保安」とが主な所掌事務で、決して原子力関係のみを専門としている組織ではない。原子力、電力、都市ガス、高圧ガス、液化石油ガス、火薬、鉱山関係の施設や産業活動の安全規制、保安を所管し、これらの施設に対しては必要に応じて、立入検査、報告徴収、改善命令等を行うことができる。

 

原子力委員会

原子力委員会(げんしりょくいいんかい、Atomic Energy Commission、略称AEC)は、1956年に設置された日本の行政機関。委員長及び委員4人の計5人で構成される(1960年5月10日から1978年10月3日までは委員6人で計7人)。
原子力基本法(1955年12月成立)に基づき、国の原子力政策を計画的に行うことを目的として1956年1月1日に総理府の附属機関(のち審議会等)として設置され、委員長には国務大臣(科学技術庁長官)が充てられ、委員の任命には両議院の同意が必要とされた。
2001年1月6日の中央省庁再編に伴い内閣府の審議会等の一つとなり、委員長は国務大臣をもって充てるポストではなくなった(委員と共に両議院同意人事の対象となった)。

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原子力安全委員会

原子力安全委員会(げんしりょくあんぜんいいんかい)は、日本の行政機関のひとつで内閣府の審議会等のひとつである。
1978年(昭和53年)に原子力の安全確保の充実強化を図るため、原子力基本法の一部を改正し、原子力委員会から分離、発足。Nuclear Safety Commissionと訳し略称はNSC。国家行政組織法上の第8条審議会と同等の機能を有する(ただし、国家行政組織法第1条の規定に基づき、内閣府は国家行政組織法の適用から除外されているため、中央省庁再編以降は内閣府設置法第37条に審議会等としての根拠を有する)。
原子力安全委員会の職務は原子力の研究、開発および利用に関する事項のうち、安全の確保に関する事項について企画し、審議し、および決定することである。

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具体的な役割

以下の事項について企画し、審議し、及び決定する。
原子力利用に関する政策のうち、安全の確保のための規制に関する政策に関すること
核燃料物質及び原子炉に関する規制のうち、安全の確保のための規制に関すること
原子力利用に伴う障害防止の基本に関すること
放射性降下物による障害の防止に関する対策の基本に関すること
第一号から第三号までに掲げるもののほか、原子力利用に関する重要事項のうち、安全の確保のための規制に係るものに関すること。
「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」について経済産業大臣に意見を述べること
核燃料物質の関連事業を行おうとする者の指定や許可について担当大臣に意見を述べること
原子力緊急事態宣言の解除について内閣総理大臣に意見を述べること
原子力緊急事態宣言の技術的事項について原子力災害対策本部長に助言すること
原子力防災管理者通報義務や原子力緊急事態宣言の政令の制定や改廃について主務大臣に意見を述べること
定期報告を受け、災害防止のために必要な措置を講ずるために担当大臣に意見を述べること
定期報告に関して原子力事業者等の調査をすること
しかし、業者を直接規制することはできない。

日本の原子力安全について業者に対して直接安全規制するのは規制行政庁(経済産業省原子力安全・保安院、文部科学省等)であり、規制行政庁から独立した本委員会がさらにそれをチェックする多層的体制となっている。専門的・中立的な立場から、原子炉設置許可申請等に係る2次審査(ダブルチェック)、規制調査その他の手段により、規制行政庁を監視、監査している[1]。

委員は常勤の特別職国家公務員であり、年収は約1650万円(月給93万6000円とボーナス)である[2]。

 

独立行政法人日本原子力研究開発機構

独立行政法人日本原子力研究開発機構(にほんげんしりょくけんきゅうかいはつきこう、Japan Atomic Energy Agency、略称:原子力機構、JAEA)は、原子力に関する研究と技術開発を行う独立行政法人。日本原子力研究所 (JAERI、略称:原研) と核燃料サイクル開発機構(JNC、略称:サイクル機構、旧動力炉・核燃料開発事業団 = 略称・動燃)を統合再編して2005年10月に設立された。

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ICRP / 国際放射線防護委員会

国際放射線防護委員会(こくさいほうしゃせんぼうごいいんかい、International Commission on Radiological Protection: ICRP)は、専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う民間の国際学術組織である。ICRPが出す勧告は、日本を含む世界各国の放射線障害防止に関する法令の基礎にされている。ICRPはイギリスの非営利団体(NPO)として公認の慈善団体であり、科学事務局の所在地はカナダのオタワに設けられている。

 

IAEA / 国際原子力機関

国際原子力機関(こくさいげんしりょくきかん、英: International Atomic Energy Agency:略称:IAEA)は国際連合傘下の自治機関であり、原子力の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国際機関である。
「核の番人」と比喩されることもある。2005年度のノーベル平和賞を、当時の事務局長モハメド・エルバラダイとともに受賞した。
本部はオーストリアのウィーンにある。またトロントと東京の2ヶ所に地域事務所と、ニューヨークとジュネーヴに連絡室がある。

 

ECRR / 国欧州放射線リスク委員会

欧州放射線リスク委員会(European Committee on Radiation Risk, ECRR )は、ベルギーに本部を置く市民団体である。欧州評議会及び欧州議会、国際連合、各国の政府等とは関係を持たない私的団体である。
2011年5月現在、日本国内においては、放射線リスク欧州委員会、放射線リスクに関する欧州委員会、ヨーロッパ放射線リスク委員会とも訳されている。
クリス・バズビー博士が科学事務局長を務める機関である。

 

日本アイソトープ協会

昭和25年、仁科芳雄博士の尽力により米国からアイソトープが輸入され、科学技術の進歩や産業経済の振興に寄与することとなりました。
 その後、利用分野は拡大し、使用量も急速に増加する気運となりました。
 このような状況のもとで、使用者の便宜を図るための一括輸入と配分業務、さらに安全取扱いのための技術訓練、利用者相互の連絡活動などを行う機関が必要となりました。
 ここに、アイソトープ使用者、研究者自身の団体として、昭和26年、当協会が設立されました。
 昭和29年、社団法人に発展的に改組され、現在に至っています。

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東京大学アイソトープ総合センター

東京大学アイソトープ総合センターは、学内放射線取扱者の教育訓練を行い、放射線に関する施設・設備・専門知識を学内研究者及び学生実習に供するとともに、放射線利用の先端的研究開発を行う機関である。
衆議院厚生労働委員会での「放射線の健康への影響」参考人説明で一躍脚光を浴び、高濃度汚染地域の除染に従事する児玉龍彦氏がセンター長を務めている。

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