地球と7代先のこどもたちを元気にしてゆく情報発信サイト
Header

「沖縄差別事件は続く」と断言

12月 3rd, 2011 | Posted by nanohana in 7 沖縄・アイヌ・先住民

2011.12.02
2011.12.2

■11月某日 いろんな人からコメントを求められるという久々の「事件」があった。「いつブログを立ち上げるのか」と皆に聞かれるので、早めに書いておきたい。ホントは、今週土曜日3日の琉球新報文化欄の連載「沖縄幻視行」に書く予定だ。沖縄防衛局長の田中聡氏が今月28日に那覇市内の居酒屋で地元紙を含めたマスコミ9社を呼んで非公式の居酒屋懇談会を開いた一件だ。約3時間に及んだ懇親会の席上、一川防衛大臣が環境影響評価書の年内提出を明言しないのはなぜかと問われた田中局長は「これから犯す前に犯しますと言いますか」と答えたのだ。この田中局長のコメントを聞いていなかったメディアもあったようだが、琉球新報はしっかり聞いており、これは不適切な問題発言だとして翌日の一面トップでこの発言をすっぱ抜いたのだ。

性暴力を想定させるような例えを出してコメントした田中局長自身が所属する沖縄防衛局の地元差別体質やモラルの退廃がにじみ出たコメントだったからだ。参加した大方の社は、この田中局長の発言を聞きのがしたか、問題点を感知できなかったのか、オフレコという縛りに拘束されたか、いずれかの事情で無視した。ウワシン的にいえば、田中沖縄防衛局長は防衛予算配分の権限も持つ沖縄防衛局のトップであり、公人中の公人だ。例え、オフレコの場であっても、その発言に人権上の問題点や国民や県民の利益につながる公的目的、公益性があれば、当然書くべきである。地元紙の沖縄タイムスはなぜ書かなかったのか、今度ぜひ聞いて見たいものだ。

このスクープ記事のインパクトの強さは、野田総理、藤村官房長官、玄葉外相、一川防衛大臣らが「琉球新報」が発売された29日の朝一番で田中局長を市ヶ谷の防衛省本部に呼びつけたことでもわかる。権力側の方が、危機意識は強かったのだ。それは、これまで辺野古新基地建設に対して野田政権の関係閣僚が頻繁に沖縄入りし、バカのひとつ覚えのように「日米合意の履行」を促してきたからだ。官邸に、この田中局長の不適切発言の第一報が入った時、官邸側は<田中局長は余計な事をしてくれた。事実を確認の上、即刻更迭だ>と怒り心頭だったのではないか。

先にあげた野田総理から藤村官房長官まで、田中局長の不適切発言をお詫びし謝罪の意を示しつつも、辺野古基地建設は予定通り、法令に即して進めると同時に豪語していた。田中局長の首を差し出すことで辺野古新基地問題の進展を図ろうとしているのだろう。しかし、この「事件」後、急遽、お詫びのために沖縄入りした中江防衛事務次官も仲井真知事と15分の会談を予定していたが、わずか6分で知事は席を立ったのだ。仲井真知事はこの件で地元メディアにコメントを求められ、「口が汚れる」と語っていたほどの怒りようだったことを思えば当然だろう。

さすがに、これでは沖縄県民との溝の深さは決定的になると思ったのか、野田総理は本日でも一川防衛大臣を沖縄に派遣して謝罪させる方針を打ち出した。しかし、一川防衛大臣は昨日の特別委員会で自民党・佐藤正久議員に、1995年の少女暴行事件の内容を聞かれ、「私は知っておりません」と答えた大バカ大臣である(後に修正)。自ら「防衛はシロウト」と公言してきた人物であることを国会でも証明した大臣だ。謝罪に出向かせるには最悪の人材だ。訪沖の前に問責決議案を出される状況にあることを官邸は認識していないのか。同じく、95年の少女暴行事件の際、田中聡沖縄防衛局長は、沖縄に赴任中で、「彼ら(暴行犯人)は車を買うお金で女を買えた」と発言し更迭されたマッキー米太平洋司令官の発言を肯定した人物でもある。防衛省の上から目線の根強い統治者気取りの差別意識を根底からなくさない限り、田中局長の尻尾切りだけでは、同じような不適切な沖縄差別事件は今後も続くだろうと断言しておく。

 

You can follow any responses to this entry through the You can leave a response, or trackback.

Leave a Reply

Bad Behavior has blocked 2766 access attempts in the last 7 days.