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茨城県 15市町のシイタケ原木からセシウム 29~300ベクレル 茨城県に聞きました

11月 24th, 2011 | Posted by nanohana in 1 放射能汚染 | 1 汚染の拡散 | 1 食品 | 3 首長、自治体

茨城県は11月22日、県内15市町のシイタケ原木から29~300ベクレル/kgのセシウムが検出されたと発表した。
原木からシイタケへのセシウムの移行は300%とされ、原木よりシイタケでより濃縮される。これらの原木でシイタケを栽培した場合、およそ87~900ベクレル/kgのセシ椎茸が育つと推定される。

国(シイタケを管轄するのは林野庁)は10月6日、汚染原木で栽培して汚染キノコが育っても500ベクレル/kg以内なら全然OKという(笑)な理由で、キノコ原木の基準値を150ベクレル/kgと定め、それ以下の汚染原木を流通してよしと決めた。(原木は、いわばキノコの畑だ。こんな汚染畑が全国に輸出された日には、せっかく放射能に汚染されなかった地域からもセシウムまみれの毒キノコが出荷される。全く必要のない汚染を全国にばらまく、天下の愚策と言える。しかも、この原木からキノコが育つ頃には、食品の基準値は今よりずっと下がっているはずなので、採れたキノコが軒並み基準値超えの出荷停止となるのも今から分かり切ったことだ。)

全国各地にこのような汚染原木をあえて買って汚染シイタケを育てようという業者がいるとは思いたくないが、徳島では8月に南相馬市の菌床を取り寄せた第三セクターがあったぐらいだから油断は出来ない。

茨城県ではこの馬鹿げた原木基準値に忠実に従い、150ベクレル以下の汚染原木は流通させる方針だ。
県の担当部署(林政課)に聞いてみた。

Q:今回原木からセシウムが出ているが、3月から今まではどうだったのか?流通状況を把握しているか?
A:今までは調べていない。だが、原木の出荷は例年冬で、切り始めるのが今頃だ。夏に原木を出荷することはない。

Q:菌を植え付けた状態のホダ木でも流通することがあると聞くが、昨年以前に植え付けをして、今年、原発事故後に流通したものはないのか?また、菌床材のオガコやオガコ用材はどうか?これらも出荷はないと言えるのか?
A:それはあるかも知れない。調べていない。

Q:福島では8月12日以降、原木・ホダ木・菌床材の出荷が自粛されているが、茨城はどうか?
A:茨城では流通を制限したことはない。

Q:国の基準どおりに150ベクレルまでの汚染原木を流通させてしまうと、全国から汚染キノコが出荷される可能性がある。不必要な汚染の拡散だと思うがどうか?
A:国の基準なので、その通りにする。

Q:その原木でキノコが育つ頃には、食品基準はずっと低くなっているはずだ。全国で茨城産の原木から育った基準値超えのキノコが出て、出荷停止になり、茨城も全国のキノコ業界も大きく信用を失うかも知れないが、それを事前に防ぐ対策を打つ予定はないのか?
A:特にない。国の基準に従うだけだ。

こんな調子で、ほとんど対策らしい事は何もやっていないのが良くわかった。また、国の基準任せで、キノコ業界の行く末や、汚染を心配している消費者のことなど考えてもいないようだ。
他にも、原木の検査は生産者任せで、県はお願いの通知をしただけだし、本当に生産者がすべて検査しているかどうかのチェックは特になし。また、もう事故から8ヶ月以上経つのに、未だに全業者の把握すらされていないなど、そのやる気のなさは特急品だ。8月に徳島県で汚染菌床が見つかったとき、徳島県の取った素早い対応(徳島は日本一のシイタケの産地で、茨城とは規模が違うにもかかわらず、全業者に対する、菌床の産地調査、生産された椎茸の放射能検査を2週間くらいで終えた。)と比べると、その鈍さが際だつ。

この鈍さは、食品の放射能汚染に対する茨城県としての取り組み姿勢を、当然反映してのことだろう。
福島に次ぐ、強度汚染地域の一つであるのに、何という危機感のなさだろうか。
生産者は皆必死で放射能と戦っている。
行政がこのようにのんびりしてていい場合ではないと思うぞ。

nanohana記

 

関連記事:
茨城新聞 2011.11.22

6市町のシイタケ原木から基準超セシウム

県は22日、高萩、水戸、茨城、鉾田、潮来、土浦の6市町で採取したシイタケ原木(コナラ)から、国の暫定基準値(1キロ当たり150ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。県は、伐採業者らに出荷前の検査を徹底するよう、6市町を通じあらためて依頼した。

検査は9〜14日、原木を年間1万本以上供給している15市町(高萩、日立、常陸太田、大子、水戸、茨城、小美玉、城里、笠間、鉾田、行方、潮来、石岡、土浦、桜川)を対象にコナラを採取し分析。うち6市町で1キロ当たり300〜173ベクレルのセシウムを検出し、ほか9市町は同109〜29ベクレルだった。

茨城新聞

 

関連記事:

きのこ類、原木・菌床 セシウム汚染の状況  まとめ

 

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