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原発作業員の拠点 Jヴィレッジ 報道関係者に初公開

11月 12th, 2011 | Posted by nanohana in 4 原発の作業現場 | 4 福島第一原発の状態

2011.11.11 NHK NEWS WEB

Jヴィレッジ内のスクリーニング場
東京電力福島第一原子力発電所の事故から8か月になる11日、事故現場で復旧作業に当たる作業員の活動拠点「Jヴィレッジ」が初めて報道関係者に公開されました。

Jヴィレッジは、福島第一原発の南、およそ20キロにあるサッカーの練習施設で、事故の収束作業に当たる東京電力や自衛隊などの関係者が活動拠点として利用しています。これまで、作業の妨げになるなどとして報道関係者の立ち入りが認められてきませんでしたが、原発が安定してきたことなどから、事故から8か月になる11日、初めて公開されました。施設の中では、東京電力の社員の案内で、「ホールボティカウンター」と呼ばれる作業が終わったあとに内部被ばくを測定する設備や、全面マスクや防護服を貸し出す場所、それに作業員が寝泊まりする寮などを3時間余りにわたって見て回りました。

このうち放射性廃棄物を集める場所には、事故直後から使われてきた48万着に上る防護服がコンテナや袋に入れて積み上げられ、8か月間、いかに多くの人が作業に関わってきたかをうかがわせていました。東京電力によりますと、事故直後は資材なども不足し、作業員が床に寝るような劣悪な環境でしたが、今は24時間態勢の診療所や食堂などが整備され、作業環境の改善を図っているということです。

施設では仕事を終えた作業員の姿も見られ、車の除染作業に当たっているという人は「以前よりは施設もきれいになり、気持ちも前向きになっている」などと話していました。12日は、福島第一原発の事故現場が初めて報道関係者に公開されることになっています。

福島第一原子力発電所では、事故の収束に向けた復旧作業が進められていますが、事故から8か月がたち、長期化に伴って作業員の安全や健康の確保がより重要な課題になってきています。福島第一原発では、一日当たり作業員およそ3000人が、原子炉の冷温停止に向けた施設の管理や敷地内のがれきの撤去などの収束作業に当たっています。

9月までの被ばく線量では、事故を受けて引き上げられた緊急時の被ばく線量の限度の250ミリシーベルトを東京電力の社員6人が超えたほか、100ミリシーベルトを162人が上回っています。また9月から新たに作業を始めた人の1か月の被ばく線量は平均1.8ミリシーベルトで、事故直後の3月と比べると12分の1ほどに下がっていますが、放射線量の高い現場は今も数多く残っています。作業を請け負う業者の中には、被ばく線量が超えるなどして作業ができなくなった人を抱えていたり、作業員の不安を解消するために収束作業から撤退したりするところも出ています。このため東京電力は、作業員を確実に確保するため、放射線の専門技術を持つ人を年内に4000人育成することを目指しています。

一方、東京電力は復旧作業との因果関係はないとしていますが、5月から10月にかけて、心筋こうそくや急性白血病などで作業員3人が死亡したほか、先月29日には、1号機の作業現場で機材の解体中にワイヤーの束が落下し、作業員2人が骨折などのけがを負っています。また目に見えない放射線や放射性物質を扱う作業だけに、作業員の不安やストレスは依然解消されていないと指摘されています。事故から8か月がたち、長期化に伴って作業員の安全や健康の確保がより重要な課題になってきています。福島第一原子力発電所で、8月まで4号機の使用済み燃料プールの工事に携わったという、会社役員で福島県富岡町出身の渡辺恭成さん(53)は「最初のころはマスクに防護服という慣れない服装に戸惑った。
放射線をできるだけ浴びないように気をつけながら作業をしていた」と話しています。爆発した3号機の近くで9月からがれきの撤去などを行っているという60代の男性作業員は「3号機の周辺は線量が高く、20分くらいの作業でも0.8ミリシーベルトくらい浴びている。単純な作業だが線量が高い現場なので、線量が会社の基準に達して現場から外されてしまうのではないかと気になっている。建屋の中がどうなっているのかはまだ全く分かっていない状況なので、復旧の作業は長くかかるのではないか」と話しています。

福島第1原発:練習場隅に防護服山積み…Jヴィレッジ公開

防護服や全面マスクにつけるフィルターなどの廃棄物が、Jヴィレッジの中にあるサッカー練習場に集められていた
東京電力福島第1原発事故の対応拠点「Jヴィレッジ」(福島県広野、楢葉両町)が11日、事故後初めて報道陣に公開された。日本代表も合宿するサッカーのトレーニング施設は現在、事故収束の前線基地に一変。スタジアムを作業員の寮に、11面あったフィールドを車の除染場、資材置き場、駐車場などに活用している。
雨天練習場の隅には、使用済みの防護服など、放射性廃棄物を入れたポリ袋が積まれ、それらを詰めた1立方メートルの鉄製コンテナ約4000個がハーフコートの一部を埋めていた。あと2000個は置けるというが、処分方法は決まっていない。

 

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One Response

  • kats_MIZUMO says:

    はじめまして。九州在住の水本と申します。
    耐火物製造会社の技術顧問をしております。
    若い頃週刊誌記者をしていて仙台に3年ほど在住し、6県を飛び回っておりました関係で、今回の震災以降、心を痛めております。
    原発事故はそれ以上に怖い事実なのですが、真摯に冷静に対応をしている部門が少ないのを歯がゆく思っています。
    水素爆発についても、水素発生源を考えればメルトダウンは進行していることが判りましたし、周辺の緊急避難のときに、どこかの病院の女医さんがインタビューのなかで「爆発音聞いたときに、ああ、遅かったんだなと、私たちは被爆したんだなと思った」と。
    それが事実なんですよね。
    そして汚染され続ける海と陸。飛散する放射性物質が消滅することは無いからこそ、考えねばならないこと。
    重い課題です。

    先日、日立プラント関連の役職とJビレッジに山積みされているタイベックスーツを除染し、減容する技術を話しているときに、東電内部で焼却処理が決まったという情報が入りました。
    へ?という感じでしたが、焼却炉での焼却となると、融点の低いセシウムは炉内、およびバグ、そして排気ガスへの影響、さらには、焼却炉本体の廃棄時に生じる処理法、および莫大な経費などなど。
    そこまで考えているのか疑問です。
    環境回復検討会あたりで専門家が意見を出してるのでしょうか。
    東電に対して安価で処理することを前提に会社を設立して設備投下し、処理委託を受けようと話していた矢先でしたので、ちょっとばかり怒りを感じました。
    問題は処理をすることではなく飛散させずに減容することだと。
    安全にそれが可能なんですが。



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