地球と7代先のこどもたちを元気にしてゆく情報発信サイト
Header

茨城 給食食材の放射線基準 自治体、対応に苦慮

11月 9th, 2011 | Posted by nanohana in 1 子供たちを守ろう | 1 放射能汚染 | 1 汚染の拡散 | 1 食品 | 3 首長、自治体

東京新聞 茨城 2011.11.9

つくば市の給食用食材の放射性物質を調べる担当者。赤いふたの容器内に食材が入っている=つくば市役所で
東日本大震災に伴う福島第一原発事故から間もなく八カ月。子どもたちの健康への影響を懸念し、県内の一部の自治体では学校給食の食材に国より厳しい放射性物質の規制値を課している。その一方で、厳しい規制値は農産物などへの風評被害を助長しかねないと二の足を踏む自治体もあり、対応が分かれている。 (放射性物質問題取材班)

現在、国が定める放射性セシウムの暫定規制値は食品一キログラム当たり五〇〇ベクレル、水道水同二〇〇ベクレル。これらを来年四月から五分の一ずつに下げることも検討されている。

給食用食材で一〇〇ベクレルより厳しい規制値を定めているのは、県内で放射線量が比較的高いとされる県南地域が多い。

八月に県内初の給食用食材の放射性物質の測定を始めた龍ケ崎市は、市独自の規制値として、測定器で計測できる下限値の一キログラム当たり三〇ベクレルを設定している。給食に出される五品目を前日に測り、三〇ベクレル未満として示される「不検出」となった食材だけを使用している。常総市も今月一日から同様に食材を選別している。

阿見町は、食材を一キログラムに加工するのは難しく、誤差で三〇ベクレルをわずかに上回ってしまうこともあるとして、明確な規制値は設けていない。ただ、「基本的には三〇ベクレルが下限値の機器で測り、不検出となったものしか使わない」としている。これまでに三〇ベクレルを上回ったため、給食の食材とするのをやめた品目もあったという。

牛久市も下限値三〇ベクレルの測定器を使って八月から給食食材を検査し、三〇ベクレル以上を除外している。近く下限値一ベクレルまで測れるドイツ製の測定器を導入する予定で、これまで拾えなかった二九~一ベクレルの線量を計測し、対応を考える。水道水もベラルーシなどの海外基準を参考に一〇ベクレルを検討中だ。

県によると、水道水について、福島第一原発により近い県北などで暫定規制値を超える放射性ヨウ素が検出された三月下旬以降は、県内から規制値を超す放射性物質は検出されていない。

水戸市は先月十七日から、給食への使用を一時的に見合わせる規制値として一キログラム当たり二〇〇ベクレルを設定している。当日朝に納品された食材を調べ、数値を超えたら、その日の給食から外して再検査に回す。国がコメの検査で予備調査を行ったのと似た手法で二段階で調べることによって安全性確保に努める。

一方、約三千九百軒の農家を抱えるつくば市は「市場に出回っている食材は安全と言われる中、独自規制値を設けると風評被害につながる可能性がある」と国より厳しい規制値をためらう。しかし、子どもの健康を気遣う母親たちからは給食用食材の独自規制を求める要望が寄せられており、市は双方の板挟みに苦慮している。

東京新聞

 

 

You can follow any responses to this entry through the You can leave a response, or trackback.

Leave a Reply

Bad Behavior has blocked 140770 access attempts in the last 7 days.