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農林水産省作成の農地の汚染マップ、控えめな数値のからくり

8月 31st, 2011 | Posted by nanohana in 1 放射能汚染 | 3 政府の方針と対応 | 3 隠蔽・情報操作と圧力

8月29日に農林水産省が福島県内361地点と宮城、栃木、群馬、茨城、千葉の各県計218地点の計579地点の農地土壌の汚染について調査結果を発表しました。しかしその数値はもっとも汚染が激しい地域の一つである浪江町の水田で2万8041ベクレル/kgとかなり低めな数値です。

ドイツのTV局ZDFの番組の中では原発から80キロもはなれた本宮市の水田でさえ3万5000ベクレル/kg(字幕は5万3000になっていますが誤訳のようです)の数値がでています。

農林水産省の数値は明らかに控えめな印象を持ちましたが、これにはトリックがありました。

通常、土壌の検査は表土5cmをとって行われます。現在、セシウムは地表から3センチ前後くらいまで浸透していると考えられています。

ところが、今回の農林水産省の検査では田んぼで15cm、畑ではなんと最大30cmもの深さの土を採取して検査を行っていたのです。(農水省のHPより

「放射性物質が耕起によってかくはんされる深さや農作物が根を張る深さを考慮して」と言い訳もしっかり用意されておりますが、こんなに深くの土まで採取したら、一般的な土壌調査とは全く別物の低い数字がでるのは当たり前で、汚染を少なく見せかけるための姑息なテクニックに他なりません。

国の調査は、すべてこんな調子なのでしょうか?

浪江町の水田で2万8041ベクレルはじめ、各地の数値が本来ならどのくらいなのか、知るのは恐ろしい気がしてきます。

 

産経新聞 8月29日

福島の40地点で作付制限超える 放射性物質濃度分布

政府の放射線量等分布マップ作成検討会が29日、東京・霞が関の文部科学省で開かれ、農林水産省が農地土壌の放射性物質濃度の分布図を明らかにした。農水省が稲の作付制限対象区域を設定する際の基準とした「土壌1キロ当たり5千ベクレル」の放射性セシウム濃度を超えたのは福島県内の40地点で、面積は推計8300ヘクタールにのぼるという。

調査は警戒区域を含む福島県内361地点と宮城、栃木、群馬、茨城、千葉の各県計218地点の計579地点で実施。最も濃度が高かったのは福島県浪江町の水田で2万8041ベクレルだった。福島を除く各県の最高値は栃木県那須町3971ベクレル▽宮城県丸森町2215ベクレル▽千葉県流山市777ベクレル▽群馬県東吾妻町688ベクレル▽茨城県利根町632ベクレル-で、いずれも作付制限基準の5千ベクレルを下回った。

 

農水省HP 農林水産技術会議

3 農地土壌の採取

放射性物質濃度の測定に用いる農地土壌の試料は、調査地点ごとに一つのほ場から採取しました。具体的には、ほ場での平均的な値を得るため、ほ場に対 角線を引きその交点1点、対角線の交点と各頂点との中点4点の計5箇所から、放射性物質が耕起によってかくはんされる深さや農作物が根を張る深さを考慮し て、ほ場が水田の場合は地表面から約15cm、畑の場合は最大約30cm の土壌を採取しました。
採取した5点の土壌試料は、一つのビニール袋に入れてよく混合しました。

 

 




 

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