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特集:玄海原発が再稼働へ向けて動き出した! ①日本一危険な原発 追記しました

7月 3rd, 2011 | Posted by nanohana in 2 停止原発の再稼働 | 3 首長、自治体 | 4 他の原発全般

6月29日、海江田経済産業相は定期検査で停止中の九州電力玄海原発2、3号機の運転再開を要請するために、玄海町の岸本英雄町長、佐賀県の古川知事と面談、町長は了承の考えを明らかにし、古川知事も面談後に「安全性の問題はクリアされた」と語り、再稼働を容認する意向を示した。

にわかに、再稼働に向けて動き出した玄海原発。
震災後、点検中の原発が一機も再稼働出来ずにいるなか、玄海が口火となって一挙に全国へ再稼働の動きが広まる可能性も強く、その動きが大いに注目される。玄海原発を巡る状況を、特集でお伝えする。

はじめは、【玄海原発の緊急冷却装置が作動すれば、老朽化した圧力容器は温度差に耐えられず「カパッ」と割れる。】といわれ、”日本一危険”の異名をとる玄海原発のあやうさにせまる

追記

【解説】玄海1号機の劣化問題 危険性の指標上昇

佐賀新聞2007.7.2

■脆性遷移(ぜいせい・せんい)温度の上昇が問題

運転開始から36年がたった九州電力玄海原発1号機の原子炉圧力容器の劣化問 題。劣化を判断する指標となる脆性遷移温度が予測値を大幅に超えたことを、 研究者らは一様に問題視し、原因を究明するために九電の情報開示の必要性を指摘する。4人の研究者の見解を紹介し、脆性遷移温度について説明する。

関連記事「玄海原発1号機 想定以上に劣化進行か」(佐賀新聞)

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1968174.article.html

【脆性(ぜいせい)遷移温度とは?】

鋼鉄製の原子炉圧力容器は核燃料が分裂する際に放出される中性子を浴びて次第に劣化する。鋼鉄はそもそも高温では柔らかくて粘り強いが、低温だと硬く割れやすくなる。脆性遷移温度はその境目の温度で、劣化するほど上昇し、この温度を下回るともろくなる。

原発事故で圧力容器を冷やす必要が出た場合、原子炉に水をかけて冷やす緊急冷却装置(ECCS)が作動する。脆性遷移温度が高いと、急激な温度差による圧力に耐えられず破損する危険性が指摘されている。

玄海1号機の圧力容器は高さ約11・5メートル、鋼鉄の厚さは約18センチ。脆性遷移温度を確認するための試験片は数十個ずつ六つのカプセルに入れ、圧力容器の内壁と原子炉の間に置かれている。

脆性遷移温度の数値は運転管理にも使う。そのため、カプセルは容器の壁につけるのではなく、あえて壁よりも10センチ燃料に近い場所に置いて中性子の照射量を増やす。試験片の数値から圧力容器が今後、どの程度もろくなるか予測するという。

試 験片は数年から十数年ごとに1カプセルずつ取り出し、原子炉製造会社の研究施設で検査する。それぞれ違う温度で温めて衝撃を加え、もろく壊れた温度を 脆性遷移温度として推定する。試験片の脆性遷移温度を元に、日本電気協会の予測式から今後の温度推移や容器本体の脆性遷移温度を割り出す。

九電が1993年に検査した時点では、60年運転した場合の圧力容器の脆性遷移温度を72度と予測していたが、今回の検査結果を受け91度に上方修正した。九電は「業界基準の93度以下で問題ない」とする。

■劣化、現状の危険性について識者4人の分析

運 転開始から36年がたった九州電力玄海原発1号機の原子炉圧力容器の劣化問題。劣化を判断する指標となる脆性(ぜいせい)遷移温度が予測値を大幅に超 えたことを、研究者らは一様に問題視し、原因を究明するために九電の情報開示の必要性を指摘する。4人の研究者の見解を紹介する。

【渡邉英雄・九州大応用力学研究所(照射材料工学)】

試 験片の脆性遷移温度は過去の実測値に基づく予測から大きくずれており、誤差の範囲で済むレベルではない。詳細な検査データはわれわれにも公表されず、 中性子照射の影響が研究者間で100%解明できているわけでない。国内外の専門家に試験片を開示するなどして学問的議論に広げなければ、地域の安心と安全 には寄与しない。

容器本体は構造物としての荷重や過去の地震による影響なども受けており、どんなメカニズムで上昇したのか、原子レベルでの詳細な解明が必要だ。

【井野博満・東大名誉教授(金属材料学)】

精度が上がった最新の予測式で脆性遷移温度を推定すれば70度程度になるはずで、実測値は全く異なる。想定以上の劣化と考えるのが自然だ。衝撃試験で試験片がどのように壊れたのかなどの検査結果公表が不可欠だ。

圧 力容器の材質にばらつきがあり、一部が想定外にもろくなっている可能性もある。事故などで緊急冷却装置が作動して一気に水が注入された場合、運が悪け れば温度差による応力に耐えきれず破損する。原発管理を運に任せることは許されず、98度を容器本体の数値と見て対策を考えるべき。

【長谷川雅幸・東北大名誉教授(原子炉材料学)】

運転期間が長くなれば脆性遷移温度の上昇カーブは緩やかになるのが一般的で、急上昇は非常に不可解だ。直ちに危険な状況ではないが、原因を確かめなければ安全とは言えない。

国 内の電力会社が研究機関に試験片を提供することはなく、ベルギーの原発から取り寄せた日本製の試験片で研究しているのが現状だ。原子炉の本来の運転想 定は30年。高経年化評価して運転を続けておりそもそもリスクがある。情報を公開しない電力会社の体質をあらためなければ、国民の信頼は得られない。

【義家敏正・京都大原子炉実験所教授(原子力材料学)】

圧力容器の厚さは20センチ近くあり、重量も約500トンある。仮に緊急冷却装置の水が入ったとしても破損は考えにくい。ただ98度はあまりに唐突。容器の材質に何が起きているのか、詳しく調べる必要がある。

電力会社の試験片の検査は言わば内輪でやっている状況。原子炉の安全性は研究者のだれもが追求すべきと感じている。破壊検査した試験片の破断面はどう なっているのか、中性子照射の影響を受けやすい銅やリンなどの不純物はどの程度含まれているのか、資料を示してほしい。

佐賀新聞への投稿より

玄海1号機容器 大丈夫か

玄海原子力発電所の4つの原発のうち,1号機は運転開始からすでに35年以上経過しており,老朽化に伴う危険が心配である.その危険性のうち以前から指 摘されているのが,原子炉容器が長いあいだ大量の中性子照射を受けて硬く脆くなることだ.金属の「中性子脆化」と言われる.

私は金属工学が専門ではないが,今回の福島第一原発の惨事の遠因は,原発問題を原子力工学などの専門家任せにしていたことにもあると思うので,巨大な危険を伴う技術では,専門外の人間も大いに関心を持ち,発言する必要があるだろう.そこでこの問題を少し調べてみた.

固体は高温では柔らかく粘りがあるが,低温では硬く割れやすくなる.板チョコを想像すればいい.夏は柔らかくて割りにくいが,冬はパチンと割れる.原子 炉容器の鋼鉄も同じことで,粘りのある状態から割れやすい状態に性質が変わる“分かれ目の温度”を「脆性遷移温度」という.「温度」と言っても固体の性質 を表す数字のことだ.

中性子照射を受け続けるとこの数字が徐々に上がる.つまり粘りを示す温度範囲がだんだん狭まり,さほど低くない温度でも割れやすくなる.しかも同時に,粘りを示す高温域での破壊強度も低下する.

この脆性遷移温度という数字が上がりすぎると,福島の事態のように原子炉を急冷するときに危険だ.もし容器がこの温度よりも冷やされると,原子炉容器が 割れてしまうという大変な事態になるかも知れない.したがってこの数字を監視することが重要だ.そのため原子炉容器と同じ材質の切れ端(試験片)が原子炉 内に入れてあり,定期的に取り出し破壊試験をしてこの脆性遷移温度を調べる.

ところが玄海1号機に関して,この数字の異常な上昇が明らかになった.2009年に取り出された試験片の数字が,予測値(70℃前後)よりも大幅に高い98℃という値を示したのである.

問題なのは,この数値がどの程度危険かについて第三者が詳しく調べようとしても,データの詳細が公表されていないことだ.この破壊試験の詳細も,また試 験片の脆性遷移温度の数値から原子炉容器本体の脆性遷移温度を推定する方法の詳細も公表されていない.さらに,粘りを示す高温域での強度も不明だ.これで は「1号機の原子炉容器がいつのまにかセトモノになっていた」という悪夢にうなされるかも知れない.

原子力安全・保安院に,この脆性遷移温度という安全性に係わる重要な数字について,どこまで許容出来ると見ているかを電話で尋ねてみた.驚くことに「そ のような数字は特に決まっていない」という返事だ.目安とする数字もなしに安全が担保出来るのだろうか?老朽原発の安全性についてこの機関が真剣に考えて いるのか疑わしい.

福島原発事故以来,放射能や放射線についての知識が一般人にとっての不可欠の常識となってしまった.同様に,老朽化した1号炉の周りに住む私たちが安全 に生きるためには,その原子炉に核燃料がある限り,「脆性遷移温度」や金属の破壊についての知識が不可欠となっている.九電にはこの問題に関する情報の全 面的な公開を求めたい.(大学教員,63歳)

元記事はこちら 玄海原発プルサーマル裁判の会のブログ

同様の指摘はたえない

玄海原発は、浜岡より危険な原発だった! (FLASH)

「玄海原発1号炉は日本一危険な原子炉といっていいでしょう」

こう断言するのは、井野博満・東大名誉教授(金属材料物性)である。メルトダウンした福島第1原発より、停止が決まった浜岡原発より、玄海1号炉のほうがはるかに危険というのだ。

その根拠として井野教授があげるのが、次の数字である。
35℃(’76年)、37℃(’80年)、56℃(’93年)、そして98℃(’09年)。九州電力が公表した玄海1号炉の「脆性遷移温度」の推移である。

「ひと言で言えば、圧力容器そのものが劣化し、いつ“破断”してもおかしくない状態なのです」

わかりやすく説明しよう。冷えたガラスのコップに熱湯をいきなり注ぐと、コップは割れるかひびが入ってしまう。これはコップの内側と外側で急激に温度が変わり、その差にガラスが耐えられなくなってしまったからだ。
原子炉の場合は逆だ。常に高温に晒された原子炉に冷えた水がかかると、やはり急激な温度差に耐えられず、金属が破断してしまう。この変化にどこまで耐えられるかが「脆性遷移温度」だ。要は、98℃の水が原子炉にかかると、破断する危険性があるのだ。

「私 はわかりやすい例としてタイタニック号の沈没をあげるんです。タイタニック号の船底や外板の鉄は質が悪く、27℃程度で破断する状態だった。冷え切った海 を航海していて、そこに氷山がぶつかった。その衝撃が想像以上に船を破壊したため、世界最大の船があっという間に沈んでしまったんです」

原子炉は常に炉心から放出される中性子が炉壁に当たっている。このダメージが積もり積もって、圧力容器がどんどん脆くなっていくのだという。
「玄海原発1号機の原子炉は陶器のようなもので、簡単にひび割れ、破断してしまう。もし現実になれば、炉心の燃料棒が吹っ飛ぶような大爆発を引き起こす可能性もあります」(井野氏)

98℃という温度は、そんな最悪のシナリオをリアルに予感させるものだという。

以上【FLASH】[ 2011年5月26日1時14分 ]

 

以下の記事はeirene’s memoriesより

玄海原発は爆発する

今週の週刊現代(7月2日号)で、井野博満・東大名誉教授(金属材料学)が警告している。現在稼働中の玄海原発1号機は「中性子照射脆化」という現象によって、原子炉の圧力容器が壊れ、爆発する危険が高いという。

一部を引用させていだだこう。

「原子炉は老朽化するにつれ、圧力容器が中性子線によって脆化=劣化していきます。すると、ある条件に陥った場合に、容器がバリン、と割れてしまう危険性があるのです。

圧力容器の破壊は、原発にとって究極の大事故と言うべきものです。圧力容器が割れたら核反応の暴走を防ぐ手立てはほとんどなくなります。原子炉が、福島第一原発でも起きなかったような大爆発を起こすのです。その危険が、いま玄海原発(佐賀県・九州電力)に迫っています。

そう指摘するのは、金属材料学の権威で、東京大学名誉教授の井野博満氏だ。」

(中略)

「75年に稼働した玄海原発1号機は、いまや日本一危険な原子炉であるといっても差し支えありません。なぜなら、地震や故障など、何らかの原因で通常の冷却機能が停止し、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動して原子炉圧力容器が急冷されると、その際に容器そのものが破壊されてしまう危険性があるからです。

玄海原発1号機のような加圧水型軽水炉(PWR)は通常、圧力容器内が150気圧、300度以上の高圧・高温で運転されています。もし、こ の150気圧の圧力容器が壊れ、爆発したらどうなるか。容器内の放射性物質はすべて噴出し、空高く舞い上がり、広大なエリアに降り注ぐことになります。福 島第一どころか、チェルノブイリ以上の大惨事になるのは間違いありません。

では、なぜそれほど玄海原発1号機が危険なのかを説明していきましょう。

原発の老朽化をはかるうえで重要な指標に、圧力容器の「中性子照射脆化」というものがあります。原子炉内で核分裂が起きると、炉内に発生し た中性子が飛んで、圧力容器の内壁にぶつかり、金属にダメージを与えることになります。年月がたつにつれて、これが圧力容器を脆くしてしまう。それが 中性子照射脆化と呼ばれる現象です。

一般に原子炉というと、非常に頑丈で、何か特別な材料でできているように思われがちですが、実はまったくそんなことはありません。圧力容器 は鉄にニッケルやモリブデンなどを多少加えた鋼でつくられていて、配管にいたってはステンレス製で、これは家庭用の流し台の素材と同じです。

原子炉というのはそういうごくありきたりの金属でできています。したがって、他の一般的な機械と同様、経年によってガタもくれば、老朽化もする。しかも、その老朽化において原発特有の原因があり、それが中性子照射というわけです。

では、その脆化=劣化とはどういうものなのでしょうか。簡単に言えば、中性子線によって金属の柔軟性・弾力性が失われて”硬く”なり、壊れやすくなる、ということです。

人体にたとえれば、動脈硬化によって血管が破れやすくなるのをイメージしてください。金属の場合、劣化が進むと、「ある温度」(脆性遷移 温度と言います)より低くなると、まるで陶磁器が割れるように、小さな力であっさりと割れてしまうようになります。この現象が、玄海原発1号機のような老 朽化原子炉では進んでいるのです。

通常、鋼の脆性遷移温度はマイナス20度くらいです。しかし、中性子線を浴びることによってこの温度がだんだんと上昇していきます。

この温度が高いほど、原子炉は危険になります。なぜなら、地震等で緊急炉心冷却装置が作動し、圧力容器を冷やさねはならなくなった場合、この「冷やす」という必要不可欠な操作自体が、危険を招くことになるからです。

玄海原発1号機の場合、この温度が、なんと「98度」になっているのです。

ガラスのコップに熱湯を注ぐと、割れてしまいますよね。これはコップの内側と外側の温度差によって生じる力に、ガラスが耐えられなくなるからです。

原子炉の場合は、これと逆になります。高温の原子炉の中に、緊急冷却のために水を入れる。すると、それによって圧力容器が破壊されてしまう。「脆性遷移温度」が高いということは、その際、より早い段階で容器が壊れる危険性が出てくる、割れやすい、ということになります。

ちなみに九州電力が公表している玄海原発1号機の脆性遷移温度は、76年が35度、80年が37度、93年が56度でした。ところが最新の09年の調査で、それが一気に98度へと跳ね上がりました。

なぜこれほど急激に上昇したのか原因は不明です。ただ、圧力容器の鋼材に銅などの不純物が混ざっていると、老朽化が早く進み、この温度が高くなることがわかっています。以前は関西電力の美浜原発1号機の脆性遷移温度が最も高かった(81度)のですが、ここの圧力容器には銅成分が少なからず含まれています。

玄海原発の場合、単純には説明のつかないところがありますが、どうも鋼材そのものが均一な材質ではない、という仮説が成り立ちそうです。つまり、圧力容器自体が一種の不良品だった可能性も捨て切れません。」

(中略)

「もしも玄海原発1号機が爆発を起こした場合、周辺にどれほどの被害を及ぼすのか。元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二氏は、こう語る。

原子炉の脆性破壊は、いまだかつて世界が経 験したことがない、巨大な事故になります。福島第一の事故は深刻ですが、それでも放射性物質の9割は圧力容器内に残っていると思われます。しかし、脆性破 壊で爆発が起きれば、圧力容器は空になり、ほぼすべての放射性物質が放出されてしまいます。被害は玄海原発がある九州だけでなく、東は大阪にまで及ぶで しょう。大阪は現在の福島県の一部のように、避難区域になって住めなくなります。しかも、事故の進展が早いので、退避することも難しい。さらに、被害は中 国など近隣のアジア諸国はもちろん、欧米にまで及ぶことになるでしょう」

「呆れたことに、原子力安全・保安院は、玄海原発1号機の異様に高い脆性遷移温度のことを、昨年12月に私たち「原発老朽化問題研究会」が指摘するまで、把握していませんでした。

九州電力はこの情報を保安院に伝えておらず、保安院も電力会社に問い合わせる義務がないので知らなかったと言うのです。福島第一原発の事故で、原子力の管理・監視態勢がまったく機能しなかったことが問題になっていますが、ここでも同じことが起きている。

安全性が顧みられないうちに、日本の原発の老朽化はどんどん進んでいます。

脆性遷移温度が危険城にあるのは玄海1号機だけではありません。

美浜1号機は81度、同2号機が78度、大飯2号機が70度、高浜1号機が54度と、ワースト2位から5位まで、福井県にある関西電力の原子炉が占めています。

また、6位の敦賀1号機(日本原子力発電・51度)も福井にあります。

老朽化原発は一刻も早く、廃炉にする必要があります。玄海1号機のように、本来40年の使用を想定していたのを強引に60年に延長して使おうなどというのは、もってのほかです。」

玄海原発の爆発で、西日本は終わる。こんな危険が専門家によって警告されているにもかかわらず、玄海原発1号機は動いている。休止中の2、3号機も再稼働に向けた準備が進んでいる。

これほどのリスクを冒して、電力の確保のために原発を動かすなんて、正気の沙汰ではない。

玄海原発は、一刻もはやく廃炉にすべきであろう。

 

朝日新聞 http://www.asahi.com/national/update/0527/SEB201105270004.html

玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」

九州電力玄海原子力発電所1号機(佐賀県玄海町)の原子炉圧力容器の劣化が想定以上に進んでいる恐れのあることが、九電の資料などからわかった。九電は「安全性に問題はない」とするが、専門家は「危険な状態で廃炉にすべきだ」と指摘。1号機は稼働中で、反原発団体は原子炉の劣化を危険視している。

原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。

1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。

九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している。

 

西日本新聞http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/244357

玄海原発1号機 想定超す劣化 九電は「安全」強調

九州電力玄海原子力発電所1号機(佐賀県玄海町)原子炉の「脆化(ぜいか)」と呼ばれる老朽化が、従来想定を超えていることが27日分かった。九電は想定データを上方修正した上で「想定を超えているが、安全性は保たれている」と説明している。

玄海1号機は1975年10月運転開始。現在事故や定期検査などで停止せず稼働中の国内原発では、関西電力美浜原発2号機(福井県、72年運転開始)に次ぎ、2番目に古い。原発の長期運転をめぐる議論に影響が出ることが予想される。

核反応で中性子を浴び続ける原子炉内にある測定用の鋼鉄片の温度から脆化の状況が分かる「脆性(ぜいせい)遷移温度」が、2009年4月時点で従来想定を最大20-30度程度上回る98度だった。

九電が過去測定した温度は35度(76年)、37度(80年)、56度(93年)。運転開始30年を前にした03年、国に提出した高経年化 技術評価書のグラフでは、09年前後の時点での温度を誤差を含め70度前後に想定していた。九電は09年の測定結果を受け、測定値に沿った想定に上方修 正したという。

温度が高いほど脆化が進んでいることを示し、緊急時に冷却水を注入する際に炉心が損傷を受ける恐れがある。ただ、九電は原子炉そのものの現在の遷移温度は80度程度、60年運転を続けたとしても91度と予測。新設原子炉の基準である93度を下回っているとしている。

■「絶対安全」ではない

京都大原子炉実験所の義家敏正教授(照射材料工学)の話 鋼鉄製の圧力容器は約500トンの重さで厚さは10センチある。予想を超えた脆性 遷移温度がただちに緊急の炉心冷却時に問題となるとは考えないが、メーカーが言うような「絶対安全」ではないだろう。長期の中性子照射による炉心劣化は研 究者でも不明な点が多い。福島第1原発事故でも一時、緊急冷却された。その影響を検証し、今後の高経年化原発の評価につなげていくべきだ。




 

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3 Responses

  • 坂東 日出人 says:

    玄海町の岸本町長、佐賀県の古川知事あなた達をみていると50年程前核実験やったアメリカ、ソ連を思い出す。全世界の人間の思いも空しくやりたい放題。挙げ句の果てに世界中を汚染させしまいに両国共、国内で重大な原発事故を起こし、ソ連は国家が無くなってしまった。アメリカも核を持て余している。
     日本は被曝国であるにもかかわらず原発を創り続け、3回目の被曝を自らの手で引き起こした。3個の原子炉がメルトダウンを起こしこれがどう収まるかは海江田さんにも判らない。せまい日本でこれ以上面倒な事が起こると誰も対処できない。いつ地震がきてもおかしくない状態で国が責任を持つからという理由で原子炉のスイッチを入れるのはあまりに無責任ではありませんか。

    返信
  • 想定害 says:

    九州電力は”安全だから試験結果などのデーターは開示しない”と述べてます。
    しかし
    玄海1号機の試験片(テストピース)は紛失では無く
    2009年で最後のテストピースを使い切ってますので
    その後は九電は試験片がもう無いと回答してます
    この玄海1号機の金属の強度の定期試験を行わないで
    安全点検は済と国へ報告し
    日本一危険で中性子で圧力容器が金属劣化した
    玄海1号機の圧力容器は現在も150気圧に耐えながら稼動中です

    ・・・6400人の玄海町が選んだ町長(余命まじか)のために子供や
    同県や他県(大阪地域)まで影響を及ぼす
    広範囲の人々生活や生命を脅かす判断を一人の玄海町長が決められてます
    それも唐津市に囲まれている玄海町は唐津市なのに唐津市へ入らない
    唐津市の意見を聞く耳持たない
    いわゆる利権独立国家のようなものですので 
    周囲の市町村(唐津市も)は一切政策には介入は出来ません
     また九電がスポンサーの知事ですので選挙は連続 圧勝状態です

    どうしてこのような非民主的な事が推進されているか・・
    大多数がMy home主義や政治に無関心
     原発に対してはもっと無関心市民が最大原因です。
    (また生活に追われて勉強する暇が無いのも事実です)
    大多数の人が原発の真相を知らない(知りたくない人もおられます)
    知らない知らせない事で
    危険な想定事故は詳しく知らせないで
     巨大電力組織は政治家(海江田+etc)を将来の利権で操り強行推進しているのが
    現状です 金まみれのドロドロした策略と
    だまされている事に気づかない原発依存市民をけし立てた茶番劇が
    今の日本の実態と思います。
    7月1日
    玄海町長は”自分は選挙で選ばれた人間だから
    住民はどう主張しようと文句は言えない”
    用心棒の強い原発依存市民がいるので強気?狂言してます
    よって原発稼動の可否についての住民投票は行わない・・と話してます
    また 住民投票が必要と言うことは
    選挙の必要は無い 住民全員で政策をおこなえばよいと話す

    電力会社や国からの数十億円の金で住民を操って勝ち取った
    町長の椅子であることを わすれるな岸本町長!!!
    ・・・民主主義?利権主義?
    **最後に**
    現状の日本の政治はほとんど変わらないと思います
    しかし諦めてはいません 未来を作るためには
                    想定害 

    返信
    • nanohana says:

      7月2日の佐賀新聞です
      やっと知事が劣化データの開示を要請しています。
      もし、2009年以降試験なしで定期検査を終えていたのなら大いに問題ですね。

      知事、九電に玄海原発1号機の劣化データ開示求める

       36年運転している九州電力玄海原発1号機の原子炉圧力容器の劣化問題について、古川康佐賀県知事は1日の県議会原子力安全対策等特別委員会で、九州電力に対して圧力容器の劣化判断の指標となる「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」のデータ開示を要求したことを明らかにした。九電は「提出したい」と返答した。県は近く開示されるデータ内容を庁内の技術担当者が確認する。

        1号機の劣化をめぐっては、研究者が同温度が大幅に上昇し、劣化による容器破損の可能性を指摘している。議員が「学者が九電にデータを求めても公表されない。第三者の科学者の検査も必要」として、知事が九電や国にデータ開示を求めるよう要請。古川知事は「(電力関連の協会の)内規で出せないというのはおかしい」と述べ、九電に要請したことを説明、国に対しても求める考えを示した。

        九電はこれまで「適正に検査されている」として、運転40年目の高経年化評価時前のデータ公表は予定していなかったが、県の要請を受けて一転、公表に応じた。

        また、玄海町長が「1号機の廃炉の議論をすぐにも始めるべき」と発言したことに関し、議員が「県として廃炉論議を始める考えはないか」と質問。古川知事は「直ちに廃炉か、ある一定の区切りか、考えなければいけない。今回の事故を契機に高経年化炉のあり方について検討していく」と答えた。

      返信


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