脱原発の今後を左右する「原子力規制委員会設置法案」の概要
7月 31st, 2012 | Posted by in 3 今後の電力・原子力政策・行政今後の原子力政策を大きく左右することとなる、原子力規制委員会についての概要である。
原子力規制委員会設置法案の概要
一 目的
原子力利用に関する政策に係る縦割り行政の弊害を除去し、並びに一の行政組織が原子力利用の推進及び規制の両方の機能を担うことにより生ずる問題を解消するため、原子力利用における事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、国際的な基準を踏まえて原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し、又は実施する事務を一元的につかさどるとともに、委員長及び委員が専門的知見に基づき中立公正な立場で独立して職権を行使する原子力規制委員会を設置し、もって国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする。
二 概要
1 関係組織の一元化及び機能強化
○環境省の外局として、原子力規制委員会を設置(いわゆる「3条委員会」)
・原子力安全委員会及び原子力安全・保安院の事務のほか、文科省及び国交省の所掌する原子力安全の規制、核不拡散のための保障措置等に関する事務を一元化
○原子力規制委員会に原子力規制庁と称する事務局を設置
・原子力規制庁の全職員に、原子力推進官庁との間のノーリターンルールを適用
○(独)原子力安全基盤機構(JNES)を可能な限り速やかに廃止することを明記
○平時のオフサイト対策のうち関係機関の調整等を行う組織として、内閣に原子力防災会議を設置(※技術的・科学的判断を要するものは原子力規制委員会が行う)
2 原子力安全のための規制や制度の見直し
①原子炉等規制法の改正
○重大事故対策の強化、最新の技術的知見を施設・運用に反映する制度の導入、運転期間の制限 等
※改正後の規定については、施行の状況を勘案して速やかに検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講じられることとされている。
②原子力災害対策特別措置法の改正
○原子力災害予防対策の充実
○原子力緊急事態における原子力災害対策本部の強化
○原子力規制委員会が専ら技術的・専門的な知見に基づき原子力施設の安全の確保のために行うべき判断の内容に係る事項を、原子力災害対策本部長の指示対象から除外
○原子力緊急事態解除後の事後対策の強化
○原子力災害対策指針の法定化
三 施行期日
○原子力規制委員会の発足は、公布の日から3月内で政令で定める日(「施行日」)
○原子炉等規制法の改正は、施行日に加え、平成25年4月1日、施行日から10月内で政令で定める日及び施行日から1年3月内で政令で定める日と段階的に施行
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