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前兆現象がこんなに!  M8M9大地震いよいよ本当に来そうで怖い  毎日揺れる日本列島  あの時と同じ・・・

1月 25th, 2012 | Posted by nanohana in 6 震災

現代ビジネス 週刊現代 2012.1.25

震災から10ヵ月、日本列島はいまだ震え続けている。各地で気味の悪い「異変」が続々と報告されている。巨大地震は連鎖する—。怖れられていた事態が、ついに現実になろうとしているのか。

「地震の使い」が現れた

動物たちは、人間には感知できない”何か”を感じ取ることができると言われている。とすると、各地で連続している異変は、何の前ぶれなのか。

新年早々、東京港の青海コンテナ埠頭近くの海面に、クジラが白い腹を仰向けにして死んでいるのが発見され話題となった。

それは、体長10m以上もあるシロナガスクジラの死骸だった。東京湾にこれほどの大きさのクジラが漂着するのは極めて珍しいという。「大型船のバラストタンクの中に吸い込まれて死んだ」との見方もあるが、真相は謎である。

それ以前、1月2日には神奈川県小田原市の海岸にも、ザトウクジラの死骸が打ち上げられていた。同市では昨年12月にも酒匂川河口近くにクジラ種(コマッコウ)の死骸が打ち上げられており、同じ時期には静岡県でもザトウクジラ2頭が打ち上げられている。

こうした事象は、なぜか東京~静岡の太平洋沿岸で起きている。12月21日には静岡県牧之原市の海岸で、「リュウグウノツカイ」が打ち上げられているのを発見された。

リュウグウノツカイとは、大型のタチウオのような姿をした深海魚で、発見された個体は体長約4・5mという巨大なもの。その名の通り、まさに”竜 宮の使い”といった異形だが、実はこの深海魚には不気味な異名がある。1000m以上の深海に住むこの魚が姿を現すとき、地震が起きる。すなわち”地震の 使い”とも言われているのだ。

「通常なら深海にいる魚が浅い海域に移動してきて、打ち上げられてしまう。こうした異常行動に、地震が影響していることは十分に考えられます」

こう語るのは、生体電位学の権威で、東京女子大名誉教授の鳥山英雄氏だ。

「魚というのは、環境の異常に対して非常に敏感なんです。よく、地震の前にナマズが騒ぐ、と言われますが、あれは迷信ではなく科学的に説明できるこ とです。海底で岩盤や断層が動くと電気的、化学的な反応が起こり、電磁気的な変化が起きると考えられています。それを、魚たちは感知するという理屈です。

1月1日に、伊豆諸島の鳥島近海でM7の地震がありました。リュウグウノツカイが打ち上げられたのは、その鳥島の地震と関係があるかもしれない。 ただ、それが、地震の”後”の影響で起きたものなのか、それとも地震の”前”に現れたものなのか、判断するのは難しいところです」

実は似たような現象は、「あの日」の直前にも起きていた。昨年3月4日のこと。茨城県鹿嶋市の海岸に52頭ものクジラが打ち上げられ、地元で大騒ぎになっていたのだ。

同様の現象は、同2月20日のニュージーランド大地震の直前にも起きた。同国のスチュワート島に、107頭ものクジラが打ち上げられていたのである。

そして、3月11日・・・。空前の大災害「東日本大震災」が起きたのだった。

こうした動物の異常行動は、地震の前兆を示す「宏観異常現象」と言われている。「偶然だ」と一笑に付すのは簡単だが、現実には大地震の直前、動物たちに異変が起きることは、古今東西、世界中で広く知られている事実でもある。

2004年12月26日に起きたインドネシア・スマトラ島沖の地震では、対岸のタイ南部で、観光客を乗せてゆったりと歩いていたゾウが、突如とし て奇声を発し、丘の上へと駆け上がったことが報告されている。ゾウが逃げた後、海岸を大津波が襲い、観光客は九死に一生を得た。日本でも1995年の阪 神・淡路大震災の直前に、ペットや鳥などが異様に騒いだ、ボラが川を大挙して遡ったなどの証言が残されている。

ただでさえ、最近も日本列島は、相変わらず揺れ続けている。元日の鳥島近海のM7には驚かされたが、同じ日に福島県沖でM4・5、1月3日には茨 城県沖でM5・0とM4・5、1月6日に宮城県沖でM4・9など、東日本を中心に中規模の地震が頻発。特に関東・東北地方は、毎日のように足元がグラグラ している

気になるのは、今現在、日本列島で報告されているクジラや深海魚の異変が、特定の地域に偏っていること。東京、神奈川、静岡・・・。これらの地域は、いま毎日のように揺れている上、「近いうちに巨大地震が起きる可能性が高い」とされる「想定震源域」に近いのだ。

3・11のM9超巨大地震の可能性を、その発生以前から指摘していたことで知られる宍倉正展・産業技術総合研究所海溝型地震履歴研究チーム長はこう語る。

「私が特に気になっているのは、やはり房総沖です。そして、3・11の地震でもプレートが割れ残っていると思われる、青森県沖。東日本大震災の震源域の北側と南側ですね。

そして、房総沖から南に下った、いわゆる関東地震の震源域も気になります。1923年の関東大震災では相模湾沖が震源域となりましたが、そこはま だ90年しか経過していないので、すぐに同じ地震が起きる可能性は低い。しかし、そこよりさらに東側(沖合)の海域、房総半島の南側の場所は、関東大震災 でも断層が動いておらず、”歪み”が溜まっている」

房総半島の沖では、1677年に「延宝房総沖地震」、1703年には「元禄関東地震」という、ともにM8超級の巨大地震が起きているが、それ以来、この場所では大きな地震が起きていない。

大地震の連続発生

「この2つの場所では、それぞれ300年以上も、プレートの歪みが蓄積され続けていることになります。この300年の歪みのエネルギーが解放された 場合、確実にM8以上の地震になると思われます。首都圏はかなりの揺れに見舞われる可能性がありますし、同時に再び、巨大な津波が発生します。300年前 には、茨城県から千葉県の太平洋沿岸部に10m級の津波が襲った記録が残っていますし、東京湾内でも、2~3mに達する可能性は十分にあり得ます」(宍倉 氏)

同じく産業技術総合研究所の招聘研究員で、各地の遺跡などに残る地震の痕跡から過去の巨大地震の発生履歴を探る「地震考古学」の提唱者でもある寒川旭氏は、こう警告する。

「現在の状況は、日本各地で巨大地震が相次いだ9世紀の状況に非常によく似ています。東日本大震災に匹敵する巨大地震だったと推定される貞観地震 (869年)の前には、東北地方の内陸部で小規模の地震が続いた後、プレート境界型の貞観地震に繋がりました。今回も、’04年の新潟県中越地震など東北 やその付近の内陸部で地震が起きた後、大震災が発生したという経緯があります」

869年の貞観地震は、東日本大震災と同様のM9クラスの地震であったことが、最近の調査で明らかになっている。寒川氏が憂慮するのは、1000年前と同じような「大地震の連続発生」だという。

「貞観地震の9年後、878年には関東南部でかなり大きい地震が起きています。これは菅原道真らが編纂した『日本三代実録』にも被害状況が記録されていて、現在の東京、神奈川にあたる武蔵国、相模国ではほとんどの建物が倒壊し、多くの死者が出たとあります。

この地震は、神奈川県伊勢原市付近を走る伊勢原断層か、その沖の相模トラフ(海溝の一種)周辺が震源になったと言われています。動いたのが伊勢原断層なら同じ場所が動く可能性は低いですが、その周辺の断層が今後動く可能性は十分あるのです」(寒川氏)

本誌でも何度か触れたが、相模湾沖は複数のプレートがぶつかり合っている複雑な地形で、巨大地震発生のメカニズムを解明するのが非常に困難な場所 とされている。これは言ってみれば、「いつ何が起きるか分からない」ということを意味しており、現実に300年以上も大地震が起きていない房総半島沖付近 の沈黙ぶりは、いかにも不気味だ。

ちなみに、1月1日に地震が起きた鳥島が乗っているフィリピン海プレートの北端部分付近に位置しているのが、東京・神奈川・千葉といった地域だ。

その一方で、関東周辺だけでなく、「西日本も安心できる状況ではない」と指摘するのは、元北海道大学大学院付属・地震火山研究観測センター長で、現武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏である。

「西日本では、1944年に東南海地震、1946年に南海地震が起きていますが、その前後に鳥取地震(1943年)、福井地震(1948年)などの 直下型地震が続発し、大きな被害を出しています。現在の状況は当時と似ていて、西日本でも急に地震が増えています。東南海地震、南海地震の再発が近づいて いるのかもしれません。

また、3・11の地震の影響で、伊豆半島あたりから九州にまで甚大な被害を及ぼした、1707年の宝永地震と同じような巨大地震が起きる可能性も 出てきています。かつて宝永地震はM8クラスと想定されていましたが、実際には3・11同様、M9クラスとも言われている。西日本はとても安心できるよう な状況ではありません」

西日本も要注意

東南海、南海地震は、100~150年周期で発生すると考えられているが、こうした周期も東日本大震災のM9の影響がある以上、実際にはどうなるか分からず、再発の時期が早まる可能性がある。

そして島村氏の指摘の通り、次の地震が、宝永地震タイプの超巨大地震となる可能性は否定できない。静岡大学防災総合センターの石川有三客員教授の研究によれば、宝永地震は東日本大震災をさらに上回る、M9・1~9・3に達していた可能性があるという。

そうした場合、本州南岸部を襲う津波の被害は、これまで想定された以上の凄まじいものになる怖れも出てきている。東京大学総合防災情報研究セン ターの古村孝志教授らの研究では、M9クラスの地震が起きれば、従来想定されていた高さの1・5~2倍に達する津波が各地の沿岸を襲う可能性があるとい う。

たとえば、高知県の土佐湾で20m、三重県付近で15m、愛知・静岡沿岸部で10m・・・という驚くべきシミュレーションだ。

その際、震源域に近い場所では5~15分で大津波が到達し、30分後には東海地方から近畿、四国、九州にかけた広大な地域に津波が押し寄せる。東 京湾内や大阪湾内など、あまり津波被害が想定されていない地域にも1時間~1時間30分後には2m以上の津波が襲来する可能性があるという。

東京都では、基本的に直下型地震の被害想定・防災対策が中心になっている。ロクな堤防もない東京のウォーターフロント地区は、もし津波が来れば瞬時に水没する可能性もある。

「西日本には、愛知から四国を通り、九州の大分~熊本に抜ける、中央構造線という大断層もあります。有史以来、動いた記録がないこの大断層も3・ 11の影響を受けているかもしれない。中央構造線も必ずいつか地震を起こす断層ですから、十分に警戒する必要があります」(前出・島村氏)

「房総沖を筆頭に東海、東南海まで、3・11の影響によって今後大地震が起きる可能性があるのは、太平洋沿岸の広い地域になります。こうしたプレー トが沈み込んでいる場所には歪みがたまり続けており、メカニズムとしては、いつ地震が起きてもおかしくないと言えます」(筑波大学生命環境系・八木勇治准 教授)

専門家たちが警戒しているのは、数百年から1000年ほどの周期でやってくる”大地震・大災害の当たり年”に、現在の日本がなっている可能性だ。

たとえば、前出の東日本大震災と同タイプ・貞観地震の時代には、864年に富士山が噴火、869年に貞観地震、878年に関東地震、887年に南海地震と、大災害が連続した。

また、18世紀には1703年に元禄関東地震が起きると、1707年に宝永地震が発生、そしてその直後に富士山が大噴火、という連鎖が起きている。

こうした歴史的事実が示しているのは、今が決して安穏としていられる状況ではないということ。方向感覚を狂わせ、浜辺に打ち上げられた深海魚やクジラは、次なる大災害の「第一の犠牲者」なのかもしれない。

自然が教えてくれるサインを見逃さず、地震に備え身を守るために何をすべきなのか。次項では、そのサバイバル術を紹介する。

「週刊現代」2012年1月28日号より

この記事は 現代ビジネス 週刊現代

 

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